- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304037
感想・レビュー・書評
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金田一耕助シリーズですが、さすがに読みごたえのあるミステリー作品でしたね!なんとなく終盤になるにつれて犯人の目星はつきましたが、犯行の動機もなるほどな内容でした。
さすがにストーリー的に矛盾点がなく、傑作ミステリー作品だと思いました。
これからどんどん金田一耕助シリーズを読み進めていきたいと思います! -
面白かった。
今から40年以上前の作品だが、今読んでも普通に楽しめる。
昭和の終戦直後の混乱期を生きていなかったのに、想像できるくらい描写されている。
トリックも古臭くもなく、人間模様が古臭いわけでもなく、むしろ最近の作品よりも面白い。 -
先ずこれが1900年代半ばに書かれたということに驚いた。
若干古くさい表現はあるものの、十分今の時代でも読める。
殺人に使われたトリックはどれも綺麗で、なるほど『東西ミステリベスト100』で1位に輝くだけのことはあるなと。
僕みたいに有名すぎて、あるいは古いからという理由で避けている人に読んでほしい。 -
「き○○○じゃが仕方がない」のフレーズで有名な本作。
石坂浩二主演の映画版では、惨殺される三姉妹の長女が若かりし頃(17才くらい)の浅野ゆう子で、狂い咲きの振袖姿が印象的でした。
改めて読んでみると、『金田一少年の事件簿』の「地獄の傀儡師」こと高遠遙一が口にする「殺人自動人形(オートマタ)」を彷彿とさせるもので、横溝作品が如何に後世に影響を与えたか、ということを再認識しました。 -
動機や見立て殺人の必然性にはやや甘さを感じますが、本格ミステリーとしての様々な仕掛けが素晴らしいです。閉ざされた空間での人間のいびつさやおどろおどろしい因習もよく描かれており雰囲気も最高です。間違いなく著者の最高傑作の一つに数えられると思います。
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初めて横溝正史を読んだ。
もっとおどろおどろしい小説かと思っていたが、意外なほどとっつきやすく、しかも読み応えがあった。後で思うに、伏線がちりばめられていて、犯人は意外な人物で…小説としても面白い。
古今のミステリーの金字塔などと構えてしまっていたが、一つの面白い小説として貴重な一冊だと思う。 -
先日購入した「週刊文春臨時増刊 東西ミステリーベスト100」のベスト100を眺めていたら、この作品がいまも昔も一位ということで読んだことがあるのにまったく記憶に残っていないこともあり、良い機会と再読してみた。3分の1くらい読んだところで、ふと「なんて読みやすいのだろう!」と感動。横溝先生のつづるフラットなことば遣いに助けられて苦もなく読むことができた。日本の探偵の代名詞である金田一耕介も、ホームズ同様かわいげのあるひとで好感を持った。殺人の真相そしてその結果の愚かさに、ミステリの持つ切なさと悲哀を感じる。
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書店で昔ながらの名作としてピックアップされており、購入してみました。
金田一耕助シリーズを読むのは初めてのことなので若干どきどきしました。
余談ですが、新装カバーがAmazonになかったのでとりあえず登録しておきます。
シリーズとしては第3作目。
復員船の中で死んだ戦友に託された遺言を手に金田一耕助が向かったのは、昔から流刑の地とされてきた獄門島であった。
三人の姉妹が殺される―――。
あけっぴろげなようでいてどこか閉鎖的な空気に包まれた瀬戸内海の孤島で、戦友の遺言は不可解な連続殺人事件として現実のものとなっていく。
悪夢のような事件を前に、金田一青年はどう立ち向かうのか。
昭和46年初版発刊。しかしながら、長年の月日をもろともしないおもしろさで、期待以上に楽しむことができました。
時代背景は戦後間もなくと非常に古いものですが、そこで紡がれる人間の言動や心のうちの仔細な描写は、錆つかない息遣いに包まれています。
主人公がやたらと自分が知的であることを周囲にPRしてくるような人柄でないのも個人的にすきです。
最後の謎解きまで読んで、「いやー、これはわからんわー」と唸るストーリーで、最後まで一気読みしてしまいました。
今後ぜひ、他の作品も読んでみたいです。 -
映画を観て読んだつもりになりがちな横溝作品。これじゃいかん!というわけで、2013年最初の推理小説は、日本ミステリのTOPに四半世紀を経て尚君臨する獄門島です!新年を飾るに相応しいんじゃないでしょーかー!
それにしても、江戸川乱歩といい横溝正史といい、所謂「日本の本格推理小説の王道」作品って、取り扱うテーマやキャラクタがエログロな雰囲気醸しまくってるよなあ(この辺は他の作品のレビューで既述かも…)。気の触れた美貌の姉妹に、薄幸の美青年に、極め付けは座敷牢に幽閉された狂人ですよ。それでもって、あの壮絶な殺し方ですよ。
当時の文壇に相手にされず「低俗」扱いされたのも無理ないかなと思わせますが、彼等がいなければ今の新本格はないんだろうなと思うと…滾る…←
今作では本土から孤立した孤島のクローズド・サークル内で発生した事件を扱っていますが、戦前戦後に題を取ったこの手の作品は、地理的な孤立感だけじゃなく精神的な独立性も際立って感じられるのが面白いですね。時代ですね←
これは他の孤島ものとはちょっと一線を画した楽しみ方かなあ。
読者は事件の全容を島外からやってきた名探偵の視点で見ることによって、島の住民達の異質さや不気味さを一層強く感じることができます。まあ、この手の作品は内から見た視点ってないか…←
クリスティのアリバイ物を読んだ直後だから、「アリバイの間隙を探す」という謎解きのテーマの共通性が面白かったです。
一方は洋館の中という密室空間。
もう一方は視界の開けた坂という開かれた空間。
と、全然違う舞台設定ですが、探偵がやってることはほぼ同じ。「それぞれにアリバイを支持しあっている容疑者達の行動の中に、犯行を差し挟む余地はどこにあるのか?」
謎解きの内容は対極だけど、それだけに色々な謎設定の仕様があるんだなーと感動しました、はい。
そして、それぞれに風景が…ミステリ的に完璧に美しいじゃないの…と考えちゃうのは、やっぱり獄門島は映画で見ちゃってるからなんでしょうね(´・ω・`)
でも、肝心の犯人は…真相指摘は…ちょっぴりガッカリしちゃうのは否めません…。それ、禁じ手ちゃうの?と思わず唸ってしまうような結末です。正直、何故、他の横溝作品ではなく獄門島が一位なのかという疑問は拭えませんが、そこは好みの違いでしょうか。
「三人の妹達が殺される…金田一君、俺の代わりに獄門島へ行ってくれ…」
復員船で急死した戦友の遺志を受け、単身獄門島へ渡った名探偵・金田一耕助。
そこで出会ったのは、何とも曰くありげな島の住人達だったが、とりわけ件の三姉妹は気でも触れたかのような振る舞いを見せ、彼女達の父親もまた「気違い」として座敷牢に軟禁されるという異常さだった。
やがて起こる大胆不敵な犯行の真相究明に金田一は挑むが、奮戦虚しく、日を開けずに死体は増えていく。
果たして、美しき三姉妹に異常な装飾を施して殺害する犯人の目的とは?