寺山修司少女詩集 (角川文庫 て 1-12)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041315279

感想・レビュー・書評

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  • 感性が瑞々しくって。

    言葉の一つひとつがきらきらしてて。

  •  初めて読んだ寺山修二の本が「家出のすすめ」だったせいだろうか。
     あれから彼のどの著書を読んでも、寺山修二に対するイメージは「家出少年」のまま変わることがなかった。「身捨つるほどの祖国はありや」と彼が詠んだ歌があまりにもインパクトが強かったせいもある。
     
     だがこの本を読むことにより、また一つ別のイメージも定着することになる。
     どこかテネシーウイリアムズの戯曲「ガラスの動物園」の主人公の少年を思わせるような、センチメンタルで繊細な少年である。
     
     この詩集は、今にも壊れそうな美しい硝子細工のような心を持った少年の、アイロニーに満ちた叙情詩である。

     「ヒスイ」という一編の詩がある。

    「だがヒスイは買うにはあまりにも
     高価すぎて
     ぼくはあまりにも
     貧しかった

     だからこそぼくは歌ったのだ
     せめて言葉の宝石で
     二人の一日を
     かざるために」

     寺山修二は言葉こそが唯一無二の宝石になりうると信じていた一人なのかもしれない。全編に、宝石のような言葉が散りばめられてある。
     
     手のひらに宝石を 
     それは君がくれた、たったひとつの言葉
     エメラルドのラブレター
     
     
     
     

  • 「サンゴ」が好きです。

  • 透明で瑞々しいけど残酷な世界観。宝石の名前のついた詩はどれも好き。キラキラしてるけど最後に裏切られる。バイブル。

  • どきりとさせられる言葉が随所にみられ、瑞々しい感性にも触れられた。「そう 恋のまたの名はおばけだよ」などなど思春期に読んでいたらもっともっと心にきたであろう。でも読めて良かった。次は音読したい。

  • 寺山修司のこと誤解してた

  • 良すぎる。
    \\\\.˚‧º·(´ฅ///ω///ฅ`)‧º·˚.////

  • 大変、美しい詩集でした。
    この詩集を読むまで、はっきりいって私は詩に興味がなかったのですが、この詩集が持つスケールの大きさ、瑞々しさ、優しさ、美しさに心惹かれて、少しだけ詩を読むようになりました。

  • 自分的には、もっと短歌的なものを・・・
    って書こうと思ったのですがこれ詩集ですね
    短歌集を買えばいい話ですよね

  • どうしても
    宝石を手に入れることのできないぼくが
    かなしい

    だが
    宝石を欲しがるぼくの心が
    もっとかなしい

    「宝石」

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著者プロフィール

詩人、歌人、劇作家、シナリオライター、映画監督。昭和10年12月10日青森県に生まれる。早稲田大学教育学部国文科中退。青森高校時代に俳句雑誌『牧羊神』を創刊、中村草田男らの知遇を得て1953年(昭和28)に全国学生俳句会議を組織。翌1954年早大に入学、『チェホフ祭』50首で『短歌研究』第2回新人賞を受賞、その若々しい叙情性と大胆な表現により大きな反響をよんだ。この年(1954)ネフローゼを発病。1959年谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始め、1960年には篠田正浩監督『乾いた湖』のシナリオを担当、同年戯曲『血は立ったまま眠っている』が劇団四季で上演され、脱領域的な前衛芸術家として注目を浴びた。1967年から演劇実験室「天井桟敷」を組織して旺盛な前衛劇活動を展開し続けたが、昭和58年5月4日47歳で死去。多くの分野に前衛的秀作を残し、既成の価値にとらわれない生き方を貫いた。

「2024年 『混声合唱とピアノのための どんな鳥も…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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