- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041366042
感想・レビュー・書評
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長い長い怪奇な物語を読み切った高揚感からか
幻惑でありながら何処か現実味のある内容に脳の整理が追いつかないのか
読了したその日の夜、僕は何故か眠れなかった…
読感:
読中過程の感覚は推理小説
読了後の余韻は純文学
といった不思議な感覚
こんな人にオススメ:
ちょっと変わった推理小説が読みたくなった人
ちょっと変わった純文学が読みたくなった人
グジグジと頭の中で考察するのが好きな人
長い物語を読んで達成感を得たい人
逆にオススメしない人:
手軽にサクッと作品を読みたい人
後味の良いスカッとした作品を読みたい人詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一番好き
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上巻読み終えたら
下巻も頑張ろうと思えるかも
下巻は読み始めたら、早い
のめりこみつつも、
完全に飲み込まれないように読むのがコツ -
「キチガイ」「脳髄」「電球がタッタ一つ」など、言葉遣いが昭和前半(昭和10年だった)っぽいな。エログロではなかった。というか表紙の女の人だれ。
古い事件や警察の考察や縁起や伝説の話が出てきて、四方八方から「呪いの絵巻物」「狂気の血筋」の全貌がわかっていく感じ。
最後の最後でパタパタっと隠された事件がわかって闇に引きずられた。私、が誰だか分からないということはこれだけ不安で不安定なことなのか… -
初読みから、約四半世紀。
前に読んだのから、約十年。
久々の再読(×5以上)。
ディテールについては、ずいぶんと忘れている部分があったし、今回も新しい発見があった。
さらに、今回は、時系列をまとめる等々で、付箋貼って、少し戻ったりしながら読んでみた。おかげか、作者が約十年かけ、その頭の中だけで整理、構築した緻密さ(当然、PCなどなかった時代)には脱帽するより他にない。
スッキリ、結論付けられるタイプの探偵小説ではないし、???とした部分を何度も読んだ後でも、拭いきれないところも確かにある。
読了後も、いったい、何なの?で終ってしまう方も多いだろうし、万民ウケする類いの作品ではないだろう。
しかし、中味は、序盤の回りくどい、W氏とのやりとりを抜けると、和、中、洋…etc、取り揃えた。とんでもない極上の品々で構成された、まるで、最高の無国籍コース料理のよう。論文引用や、社寺縁起…等々。含め、文体だけでも飽きさせないし、ドレもソレだけで、成立しうる構成。
無限ループだったのか?呉家末裔の胎児の夢だったのか?読む度に感じるコトが変わって行く。 -
現実と悪夢の途方もない螺旋。巡るうちに脳みそを掻き回される。胎児よ胎児よ……。
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後半の数十ページは一気に読まされた。上巻から下巻にかけての長い長い論文や遺書は興味深かったが、それらが後半にかけて繋がってきてなるほどそういうことかと納得したかと思うと、再び夢と現実の境がわからなくなるような感じで二転三転?最後は薄々想像していたような終わり方だったが、そこまでの持って行き方がなんとも強烈・・・。上巻よりも混乱させられ、そのまま終わってしまった。読み終えると確かにこれは「日本三大奇書」と言えるのかも。呼び方がどうであれ、ここまでの文章を人間が書き上げたというのに只々感心。ブウウウーンンー…