水辺のゆりかご (角川文庫 ゆ 5-4)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043437054

感想・レビュー・書評

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  • 自らの在日2世として生きた個人史をつづったエッセイ集。世界へと結びついてはいないが、『8月の果て』のプレリュードといっていいだろう。見開き外祖父「梁任得」を中心とした家系図も出ている。「私はなぜこんな早すぎる自伝めいたエッセイを書いたのだろう。過去を埋葬したいという動機はたしかにある。私が書いた戯曲の主題は<家族>であり、その後書きはじめた小説もやはり<家族>の物語からのがれることができなかった。p.268」「今年のはじめに、15歳のとき自殺を試みた逗子の海岸に行った。p.268」『8月の果て』のモデルとなった15歳で海に飛び込み自殺するナミコの年齢と同じ年齢である。

  • 柳美里さんの半自伝とフィクションが混在している本。在日だったこともあり、多くの困難に直面した人生だったようだ。それを乗り越え、今に至る彼女を尊敬する。

  • 課題で二番目に読んだ本。
    作者の凄まじい人生が書かれた本だった。

  • この方の作品はどれを読んでも、読み終わったときに鬱状態になってしまうのは何故でしょう・・・。

  • 強烈。本当にこんなことが?と読んでいると辛くて気分が悪くなった。
    とても痛い。

  • 私はあまりエッセイを読まないのですが、柳美里さんの作品に熱中するようになったのはこの本からでした。
    彼女特有の鋭利な文体と、少女時代の記憶。
    幻想のようでありながらこれは真実であった、そう気づく度にぐっと惹きこまれていきます。

  • 作者の衝撃的な少女時代から劇団へ入って作家になるまでの壮絶な人生が描かれて心が痛くなります。

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著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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