- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043441013
感想・レビュー・書評
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映画が大好きだった。岩井俊二×中山美穂コンビ再びということで。
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会社の先輩からお借りしました。最初は、タイトルから王道なラブストーリーと思っていたのですが、良い意味で期待を裏切られました。
文体からも登場人物の会話からもとても爽やかな雰囲気が感じられてスラスラと読み進めることができました。個人的には樹のお祖父さんのくだりは号泣物でした。
ちょっとした気まぐれから始まった一通の手紙からここまで話を広げられるなんて素晴らしいの一言です。映画もオススメされて見たのですが、自分のイメージとそのままでした。岩井俊二氏の非凡な才能を感じました。 -
世界観がとっても好きでした。装丁然り。今現在「手紙」の文化が死につつあるから、当時の手紙でのやりとり、いわゆる文通に何だか憧れた。今じゃ、この物語はきっと成立しないんだろうなと。全然関係ないけれど「樹」という名前がとても好きです。
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心を洗いたいときに読みたい本。
素敵なお話だった。
届くはずのなかった手紙から始まるやりとり。
最初は静かな雰囲気なのに、いつのまにかハラハラしていた。
私は、ひとめぼれを信じたいな( ´ ▽ ` )♡ -
私はこの小説の最後の一文が堪らなく好きだ。
とても綺麗な終わり。
内容自体は、可もなく不可もなくといったところ。
長くない話なので、スラスラと読めるはず。
最後の一文を読むためだけに、読んでも損はないと思う。 -
12/08/02
小樽に行く前に,読んでおこうかと.
手紙のやり取りも悪くないかも.
・多重人格 ビリーミリガン -
映画より本のほうがすき。
でも映画を見てたからイメージしやすくて良かったかな。
何年もたって、本人が死んじゃってから初めて気付く気持ち。
せつないけど心温まるみたいな不思議な気分になります。 -
映画をあまり見ない両親が、VHSを買い求めたほどに好きだった作品。初めて見たのは中学生のころだっただろうか。
そして、思わぬ再会は高校一年生の時。
倫理を受け持った担当教諭が、この作品をテーマに「ひとめぼれはありうるのか?」というテーマをもとに授業を行ったのだ。
16歳にとって関心の高い、でもみんなで話し合うにはちょっと照れくさいテーマだが、導入として吊り橋理論やパーソナルスペースなど大学の心理学で扱うようなことをわかりやすく噛み砕いて講義を受けた後だったから、なかなか深い意見がたくさん飛び出したように記憶している。
活字におこされたものを読んだのはだいぶ後になってからのことだったが、岩井監督独特のふわっとフィルターのかかった映像美と、初夏の日差しを浴びてプリントにもくもくと自分の意見を書き綴る高校時代の自分が、ページを繰るたびに思い出された。
樹と博子の年齢に近づいてきた今、やっとこの作品の本質にたどり着けたような気がして、年を取るのも悪くないな、と感じている。
彼をなくして2年経つ博子が気持ちの区切りをつけるまでの、ゆっくりと、しかし着実なみちのり。
彼に手紙を出してみよう、と考えた博子は彼女自身無意識なのだろうが、樹を近くに感じている。もういないんだ、とわかっていても、でももしかしたら届くかもしれない、そんな距離に彼はいるのだと。
同姓同名の樹に手紙が渡ったのだと知った後は、彼女から聴いた中学時代のエピソードで彼の人物像をより細かく肉付けしていく。
稲葉の苛立ちは、博子が「もういない」樹に「まるですぐそばにいるかのように」触れていることへの不安感からではないだろうか。
繊細なやり取りを経て、(ここで樹と博子がぐっと接近しながら会うことがない、この流れは本当に素晴らしいと感じた)博子は最終的にすべての手紙を同姓同名の樹に返す。納得行くまで、樹と自分の今までについて考え、満ち足りた思いで手紙を返したのだろうな、と思う。
人は傷ついたり迷ったりしている人をどうしても急かしてしまいがちである。しかし、この作品に登場する人物はみな、博子がもう大丈夫、と振り返りきるまで優しく見守っている。時に厳しい言葉を放つ稲葉も心の芯では博子を気遣い、同姓同名の樹は博子の問いに丁寧に答え続け、樹の母は博子の優しさを受け止めて涙する。
この作品が切なくも、温かい雰囲気に満ちているのは、登場人物がみな、「急かさない」からなのだと気づいたのは、たった今、6回目の読了後のことだった。 -
岩井俊二著だからだろうけど、読むよりも映像を見たくなった。
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話は面白かったが、
もう少し偶然を上手く
書いてほしかった。
映画がみたい。