リリイ・シュシュのすべて (角川文庫 い 42-5)

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  • Amazon.co.jp ・本 (471ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043441051

感想・レビュー・書評

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  • 我が家の積読本は、ブックカバーをかけています。
    通勤出発前にパッと手にとった本がこちらでした。
    たぶん10年以上本棚に寝かしていた一冊…。

    あらすじを全く知らずに読み進めていて…
    あれ、これ…なんか不穏…と思い、ネットで検索。
    (結末知って読んでも大丈夫な人なのです)

    検索結果に、「トラウマになる」「鬱展開」とか書かれてしましたので、心して読みました。
    本当は精神状態が、あまりよくなかったので、
    読むのをやめたかったのですが、
    続きが気になって読む手がとまりませんでした。苦笑

    カリスマ的な存在の歌姫、リリイ・シュシュ。
    好意、ファン、推し、癒し、高貴、崇拝…

    リリイ・シュシュという人物を通して、
    ネットの掲示板「リリイホリック」に集う人たち。

    サティ、くま、ネヴィラ71、ねんね、鉄人29号、あみか、トムトム、カエル、ゆみこ、るか…そしてパスカル。

    顔も名前も年齢も性格も職業も何も知らない。
    リリイ・シュシュだけが、唯一。

    実は、過去に同様の掲示板が存在していた。
    更新が止まってしまったサイト「リリイフィリア」。
    なぜ、突然更新が止まってしまったのか。
    あの日、本当は何があったのか。
    リリイのライブ後、何があったのか。

    ファンの自殺、
    スタッフによる暴行傷害事件、
    ライブハウスで起きた殺人事件。

    リリイの周りには、
    強い希望、光が存在するのと同じぐらいの、
    絶望と暗闇が存在する。

    誰かを救うということ。
    道しるべになるということ。
    救いって何だろう。

    蓮見雄一、星野修介、津田詩織、久野陽子

    田舎町の中学校。閉鎖された町、学校、空間。
    いじめ、万引き、レイプ、援助交際…
    学校の先生ですら、生徒の顔色を窺い、媚びへつらう。
    誰も助けてくれない。
    解決できない。
    終わらない。
    逃げられない。

    ある時期を境に、星野からイジメの標的にされた雄一。
    辛い現実、日常を救ってくれたのはリリイの歌だった。
    とにかく語られる日常が過酷すぎました。
    家庭も教師も大人もあてにならない。
    頼りにならない。
    助け合えるのは、虐げられている者同士。
    それだって、本当に救ってやることはできない。
    たった一つだけの居場所。
    それがリリアフィリア。
    あの日、ライブで真実を知るまでは。
    誰も助けてくれない現実に、さらに突きつけられる真実。

    10代のころ読んでたら、どう思ってたかなあ。
    学生時代からかなり遠ざかった30代後半。
    それでも。
    読み切った後は、何とも言えない気持ちになりました。
    「そっかあ、そうなのかあ。」って。
    胸が痛くて苦しくなりました。

    私はトラウマにも鬱展開とか
    気持ち的に落ちたりはしませんでした。
    事前にネタバレしてたかもですが。苦笑

    ネットの世界は見えない分良いこともあれば残酷なこともあるし、学校生活が苦しく感じる瞬間があることは、今も昔も変わらないのかも、と思いました。

    唯一のリリイが実態として姿を現さないことが、
    ある意味の救いなのかもしれない。

    私はエーテルを感じることはできない。

  • 映画はみていないのだけど
    辻村深月さんがオススメしていたので
    読んでみた。

    なるほど、エッジがきいてるわ~
    あっという間に読み切った。

    星野がなぜこんなに変わってしまったのか
    おばさんには分かるような分からないような。

  • 映画はトラウマになって二度と見られないけど、小説ならどうだろう、と。
    結果、映画のトラウマを補強してしまったような気がする。
    つらく、心に迫るけれど、二度とページはめくれない。

  • 冒頭から凄いです。どんどん惹きこまれて、ある種のエゴイズムで誰かを傷つける。「傷つきました」と平気でいってくる人が怖い。

  • 映画も本も結構好きです。重いですが。

  • 読みづらかった……。

  • 映画観るのにちょっと腰が引けて、本から読んでみました。

    意味わからないって言われてるけど、内容はちゃんとついていけておもしろかった!!
    確かにリリイ・シュシュの世界観はわからないけど。

    前半はそうでもないんだけど、後半がもー重くて暗くて・・
    なのにどんどん読み進んじゃうのが不思議。
    なんか変な沼にはまっちゃうみたいな感じ。
    読み終わったあとも不思議な気分・・

  • 鬱になります。すごく。
    映画がもとらしいのでそっちも見てみたいですね。

  • 心が痛くなる一冊。
    決して楽しいとか、爽快とか、そういう言葉では表現できないけど、なんていうか、現代に生きる日本人は読まなくてはいけない本のような気がします。

  • 映画より面白い

著者プロフィール

映像作家。1963年1月24日仙台市生まれ。横浜国立大学卒業。主な作品に映画『Love Letter』『スワロウテイル』『四月物語』『リリイ・シュシュのすべて』『花とアリス』『ヴァンパイア』『花とアリス殺人事件』『リップヴァンウィンクルの花嫁』など。ドキュメンタリーに『市川崑物語』『少年たちは花火を横から見たかった』など。「花は咲く」の作詞も手がける。

「2017年 『少年たちは花火を横から見たかった 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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