天使の屍 (角川文庫 ぬ 2-1)

著者 :
  • KADOKAWA
3.15
  • (29)
  • (107)
  • (338)
  • (58)
  • (12)
本棚登録 : 1294
感想 : 149
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043541010

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 引き込まれて面白く読んだのだけど、怖い。
    子供たちが次々に投身自殺していく度に、「ひっ」と声をあげたくなるくらい何だか怖かった。

    読んでいてゾワゾワしてしまった。
    今時の中学生ってこんな感じなの!?
    最後は初めて人間らしいところが見れて、少し安心…。

  • 思春期の子供と大人のズレ。大人から見た下らない拘りも、当時の自分にとったら死活問題だったりした。それが下らないものだと感じるのは大人になってから。いつから大人になったのだろう?その下らないことのために命をかける思春期の子供がいたって、当時の自分に立ち返れば不思議なことでもなんでもない。それでも自己保身に走る大人が多いのは、恥も外聞もないのは大人だってこと?大人になるってことは強くなるってこと?執着心が強くなるだけ?でも、これくらいじゃ死なないよね普通。って思いながら読んだ。

  • 賢くて勇気のあった息子やその友人たちがこういう道を選んだとは、つくづく「性」というのは厄介な問題だなあと思う。不安定で一途な思春期ならなおさら。
    東野圭吾の「放課後」をちょっと思い出した。

    貫井さんにしてはあまり衝撃のある作品ではない。最後に少年が泣くことができてホッとした。

    冷静でドライに振る舞う最近の若者(こう一括りにすべきではないんだろうけど)も、ひとつ扉を開けば幼い顔が見える。子供が子供らしくいられるって貴重なことなんだろうか。それともこれが「らしい」のかな。子供の論理というのも時代で変わるんだろう。いま身近にこの年齢の子がいないからわからないけど。。

  • 中学生は大人と違う倫理観で生きている。なるほどなぁ。
    自分が中学生だった頃はどうだったんだろう。必ず過ごした時期なのに、その倫理観が理解できなくなるのは不可解だし、なかなかに不幸だ。

  • 中学二年生の息子の自殺の原因を探る父親。そんな中、息子の同級生による第二、第三の自殺事件が起きる‥。

    中学二年生は難しく危うい年頃だから、では納得できない子供達の行動や考え方だった。
    あまりにもリアリティがなく無理がある。生理的嫌悪感もあり、貫井作品にしてはイマイチな出来だった。

  •  現実に起こりうるかどうかを問うのは愚問として、なかなかないタイプのミステリーだと思った。「子供の規律」と言うものは確かに存在するけれど、それ一言で大人、もしくは読み手との溝を作ってしまうのはなんだか残念。もっと子供の規律を理解するように動いてもよかったと思う。ただし、そちらの規律を受け入れていくと結末は変わると思う…。僕としてはバッドエンドのようになったほうが面白味はあるように思った。後味は最悪でしょうが…。

  • 14/3/3

    息子の突然の自殺。
    解剖で検出されたLSD、中身の消されたビデオテープ。
    その後、息子の友人たちが次々と自殺を始める。

    んーーー最後があっさりすぎたかな、とは思うけどなかなか面白かった。
    子どもは子どもの論理で自殺する。
    親から子どもの全ては見えない。

  • 父親が息子の自殺の真相を解明しようとする中で、親として今まで子供の何を見つめてきたのだろう・・・と後悔する姿はとてもやるせなく、なんとも言えない気持ちにさせられます。それでも、親と子の絆の回復を図ろうとする父親の思いには、それが例え遅すぎたとしても胸に迫るものがあり、色々と考えさせられました。最後に明らかになる真相は「えっ、そんなことで?」と疑問に思うところもあるけれど、「子供の論理」ではそれしか選択肢が無かった、ということでしょうか。

  • 図書館にて借りました。

    レビューはブログにて。
    http://ameblo.jp/minori-0325/theme33-10032961603.html

  • 中学二年生の一人息子が飛び降り自殺してしまいます。そして、遺体からはある薬物が検出されます。なぜ息子は死ななければならなかったのか。原因はいじめなのか。それとも…。遺された父親は真相を求めて、息子の級友たちを訪ねて回る…というお話です。
    設定にかなり既視感がありましたが、陰惨で救いのない少年たちの心の闇や、息子の自殺の謎を絶対に解明しようとする父親の強い想いが巧く描かれていると思います。
    真相は「そりゃないだろ」とは思いましたが、何気ない会話などに伏線がさり気なく潜ませているところは流石だなと思いました。

全149件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

貫井徳郎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×