天使の屍 (角川文庫 ぬ 2-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043541010

感想・レビュー・書評

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  • 自殺、自殺、自殺、希望。
    本格社会派ミステリー。

    これぞ、貫井氏というべき一冊。
    舞台設定細部も抜かりなし。

    先を仄めかしながらも、伏線と抑揚が素晴らしい。

    今回の題材は中学生の自殺だが、ここで論じられる「子供の論理」ってのは、凄く分かる気がする。
    いつぞや、そのうちに自分も分からなくなってゆくのかななどと思わずにはいられない。

    物語の終わり方も、実に爽やかにまとまっている。
    貫井氏も当たり外れがあるが、本作品は魅力ある当たりの一冊であったように思う。

  •  息子が自殺した。
     つい数時間前まで「いじめられて自殺するやつなんて」と話していたのに、なぜ。
     異体からLSDも検出される。

     息子の同級生を探るうちに、「子供の論理」に次々と妨害され、ますます謎は深まる。
     さらに訊ねた同級生は、自殺する始末。それも連続で。

  • 思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。
    動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが…。
    “子供の論理”を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。
    そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。
    「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。

    語り手の優馬の父である青木が優馬をはじめとした同級生の数々の自殺の真相を追っていくミステリー小説。
    子供の世界と言うものと大人の世界と言うものに隔てて描かれていたと思う。まず一番に思うのが光岡先生が可哀想すぎる。

    大人になっていくにつれてこんなにも子供の気持ちを理解できない様になっていくのだろうか。
    きっとそれは歳を重ねるにつれて当たり前の様に起こっているのかもしれない。
    こんな事が起こらない限りそれを深刻に考えないだろう。
    現に自分も子供の世界から大人の世界へ足を踏み入れている。
    子供がどの様な事を深刻に考え、どの様な事をするのか。
    それは年齢関係なく、全般で言える事だろうけど社会のルールを基盤として理屈では考えられないようなことが様々な所で起こっているのだと思う。

    小説の様な大きな出来事ではないにしろ、人の心は常に変化を遂げ、傍目からでは、突然変異のように感じるのかもしれない。

  • 息子の自殺の真相を探る親。設定自体に毒がありすぎます。少しずつ明らかになっていく、息子の所業と現実。それを理解しながら真相を究明する親。 
    心が痛む小説です。

    最後のドンデン返しにもびっくりしました。
    まったく、怖い事を考える人だ。。

  • うーん、貫井さんなので期待して読みましたが、いまいちだったな~

  • 自殺!?した息子の死の真相を追うお父さんの話し。子供の論理がキーワードになっている。
    ちょっと微妙な結末だった。

  • 今時の子供を描いている…かと思いきや、刊行は平成8年。つまり本書に描かれた子供たちは自分と同年代だ。そう思って読むと、よくわからない部分が結構ある。自分たちの世代はまだギリギリ、中学生くらいまでは希望をもっていたように思うからだ。

    薄々、まさかそんなわけないよね、と思ったことがあっさり真相として明らかになり、少し拍子抜け。貫井先生にしてはキレがない作品に思えたが、読みやすくそれなりに引き込まれて読んだ。

  • 何度となく読んでしまう。

  • 貫井徳郎・・・
    人物の描き方にムラがあってあんま好きじゃないけど、なんだか読んでしまう。
    「慟哭」や「愚行録」はそれを凌駕する、テーマの重さというものがあったけど、この作品は・・・

    シャキッとしませんでした。

  • ある日突然中学生の息子が自殺し、それに続くかのように息子の同級生が自殺していく。
    結末や動悸に納得できるようなできないような、いややっぱ無理がある…とモヤモヤする読後感。
    登場人物の性格や個性が感じられなかったからかな。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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