アラビアの夜の種族 III (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 115
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043636051

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻。レビューは1巻のところに。
    http://booklog.jp/users/pilvoj/archives/1/4043636032

  • 多層性はなるほど。しかしそれ以上にチープな厨二を感じてしまった。

  • 物語はその内部にまた物語を含有して、変容して、拡散していく。ひとりの読者が生きた書物となってめくられる。そもそも太古から物語はそのようにあったのだとしみじみ感じてしまう。『一冊の書物にとって、読者とはつねに唯一の人間を指す』

  • 災いの書が完成したことによる展開の変化を期待していたのだが、全てが「なるようになった」という印象だった。

  • 『アラビアの夜の種族』は作者不詳で原著者は地理学者だったらしい、民間説話を採集し母国語に翻訳した(P393)アラビアンナイトを彷彿させる物語である。奇々怪々なお話しが古川 日出男 の文体と相まって読み手を不思議な世界へと引き込んで離さない。

  • 古川氏のフィクションかと思ったら作者不詳の原著「The Arabian Nightbreeds」があった。物語のオリエンテッドな雰囲気と古川氏の卓越した言語能力が相まって魅力的な作品に仕上がっている。いやはやこれだけ多彩な日本語表現があるのだなと驚かされた。

    物語のほうはアーダムとサフィアーン、ファラーの三人の主人公たちの結末は些か拍子抜けだが、アイユーブに纏わる逸話からの結びはなかなかの余韻を残す。

    噎せ返るような熱気と妖艶な湿気を孕んだアラビアンナイトを感じさせる、優れた文学が持つ世界観に入り込む錯覚を味わえる作品である。

  • 私は本を選ぶとき、それを誰が書いたのか、くらいは把握した上で選ぶ。本書の場合は「作者 古川日出男」と表紙に書かれているので「古川日出男という人が書いたのか」と思いながら読む。けど本文中には訳注が含まれており、どうやら原書と英訳書が存在してるよう。どないやねーん。この違和感を消化しないまま最後まで読み切れる人なんているのかなあ。

    つまるところ、訳注含めた全てが作者の創作という、驚異のでっち上げアラビア長編物語。作者の想像力と構成力、それらを叶える筆力に圧倒される。お話自体を私はあまり好きになれなかったけど、納め方がすごく素敵に思えた。夜の種族が紡ぐ物語と現実の交錯、そしてそれらが儚く消えていく様はとても綺麗だった。

  • これまで盛り上がってきたお話もクライマックス。読み終えた後「ほうっ」と息をついてしまうような壮大な物語でした。ただ、この本の前評判で「ラストで意表を突かれる」と聞いていたんですが、予想の範囲内でした。そこだけちょっと残念かな。

  • 読みにくい文章だったけど、最後の方のスピード感、3冊通して世界観が好き。

  • 翻訳書の形をとった和書、ですね。そのせいか、時々文章が読みにくいような印象を受ける。意図的なのかしらん。

    1巻は結構面白くて、2巻でちょっとダレてペースダウン。3巻の頃には大体のオチが見えてきたけど、アイユーブについては予想よりもうひとひねりしてあった。
    物語が入れ子構造になっていたり、複数の物語が最後にうまくハマるところや、伏線の回収なんかは「そこで出てくるか」って感じで結構良かった。都合良すぎだろと思う部分も多いが、まぁそういうもんですね。

    アーダムやファラーに比べるとサフィアーンは純粋すぎてなんかファンタジー要素満載なちょっと浮いた感じ。「大丈夫なのかよ、こいつ?」とか心配になったり。

    書物を読むことで書物になる。著者と書物はどちらが強いのか。物語は語られることで永続化する。
    なんとなく、考えさせられる気がしなくもない。

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著者プロフィール

1966年生まれ。著作に『13』『沈黙』『アビシニアン』『アラビアの夜の種族』『中国行きのスロウ・ボートRMX』『サウンドトラック』『ボディ・アンド・ソウル』『gift』『ベルカ、吠えないのか?』『LOVE』『ロックンロール七部作』『ルート350』『僕たちは歩かない』『サマーバケーションEP』『ハル、ハル、ハル』『ゴッドスター』『聖家族』『MUSIC』『4444』『ノン+フィクション』『TYOゴシック』。対談集に『フルカワヒデオスピークス!』。CD作品にフルカワヒデオプラス『MUSIC:無謀の季節』the coffee group『ワンコインからワンドリップ』がある。

「2011年 『小説家の饒舌 12のトーク・セッション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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