疾走 上 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043646029

感想・レビュー・書評

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  • 途中まで読んで、一度読むのをやめた。
    逃げたくなるような内容だったからだと思う。
    でも読まなくちゃ駄目だ、逃げちゃ駄目だ、受け止めなくては、と思いもう一度小説を読み始めた。
    そう思ってから読み始めたら、もう、あっという間に上巻は終わっていた。

  • 読書が好きになるきっかけとなった本。一番好きな本だけど、一番読んでダメージを受けた本・・・。何度か読み直したけど、まだまだシュウジや恵利の胸の内で解き明かせない部分が多いです。数年後に読み直してまた違う感想を得られるのがすっごく楽しみ!救われるのか?救われてくれよ…という焦燥感で一気に読まされました。

  • おまえの今後が気になる。。。

  • カレーライスとかの重松さんだと思って、買って読んだ、小学生の私。ちょっと早かった。

  • (上下巻含めてのレビューです)
     はじめから最後まで、心が安らぐような展開の無いストーリーだった。この著者の本は初めて読むが、あらかじめあらすじ程度に内容を知っていないと心に重い余韻を残してしまう作品。それが良いか悪いかは別にして。結果だけ見れば私個人にはそれは良かったようで、文庫版で上下巻ある比較的内容の多い小説だったが、二日間で読むことが出来た。

     物語は主人公が住む地域の「浜」と「沖」という居住区においてある種部落差別とも取れる「場所で人を見る」人間関係や、そこで突如沸き起こった「浜」のリゾート建設計画による環境の変化などについて書かれている。
    幼少期の何気ない日々の生活、そこに潜む混沌とした裏の世界。年を重ねるうちに理解できると思っていたものはさらに様相を変貌させ、前以上に理解不能のものになっていた。気丈に生きていると思われた周囲の人間も実はそうではなく、自分と同じかそれ以上の苦悩の中で生きていた。

     ・・・大変感想を書きにくい作品だと感じる。ぐいぐいとストーリーに引き込まれはするんだが、引き込まれるのがまさにブラックホールというか、単に「黒い穴」。最後の最後で申し訳程度に希望の光が射すが、そこまでに延々と積まれた心の吹き溜まりはそれくらいでは消えませんでした。
     決してウキウキワクワクと読める類のものではありません。むしろ読んでしまったことを後悔してしまう方も見えるかもしれません。しかしそれでも一読しておいてほしい、その価値がある本だと個人的に感じました。

  • ★3.5
    時折並べられるひらがなの言葉達が私の一部を掴んで離してくれない。
    名前のつかないようなどうしようもなく重くて暗い空気がシュウジを、物語全体を纏っていて、希望を全て奪っていく。
    干拓地、追い出された「沖」の人々、燃える家、“ゆめみらい”、バブルの終わり、壊れていく町と主人公、家族。

    「ぜつぼうはかこのひさんなたいけんがうむのではなく、みらいになにもたくせないことなのだ。」

  • 出来の良いお兄ちゃんいつも比べられてて、そのお兄ちゃんが発狂して放火。
    それが原因で学校でイジメられるし、両親はいなくなってしまい一家はバラバラに。

    何とも報われない。
    心がモヤモヤ。

    何度も読むのを止めようかと思ったけど、最後の数ページがとても良かった!

    **
    穴ぼこの、からっぽの、闇のような目

  • なんの予備知識もなく読み始めた。
    最初は「沖」と「浜」の確執を絡めつつ、「いじめ」や「恋愛」など思春期の少年たちが成長していく過程を書いた物語だと思っていた。
    間違いではないかもしれないが、もっとほのぼのしているのかと思っていたが、上巻では兄が壊れたのをきっかけに主人公のまわりの環境がどんどん荒んでいく様が書かれていた。
    上巻を読み終わり、カバーをはずして表紙を見たとき、こんな表紙の本が「ほのぼのしているわけがない」と思った。

  • 兄のシュウイチが壊れ犯罪を犯してしまうことをきっかけに家族がバラバラにそれぞれ「ひとり」になる中、家族の中でただ一人素直で心優しかった弟のシュウジのお話。「孤独」、「孤立」、「孤高」の違いを考え「ひとり」でいることを「孤高」でいようと決心するシュウジが本当にかっこいいし、テーマとしては暗く救いがない。なのにやっぱり重松さんの文章がとにかく優しくて優しくてすごい。
    それと、徹夫はなんでいじめられっこだったのにいじめる側に回るのか、シュウジは親友だったんじゃないのか、徹夫の心の弱さがすごく表れていたりシュウジの強くなくてもエリのように強くなりたいと思う気持ちの表れもわかり、そういう人の気持ちを書くのが重松さんは本当にうまい。まさに疾走のごとく一気読み!下巻に期待。

  • 中学生の少年に襲いかかる不幸の連鎖。何のためにこの本を読むのかと自分自身に問いたい思いで、まさに「疾走」のごとくダーッと読む。キツイ内容に負けそうで、ゆっくり読んでいられない。

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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