- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043648023
感想・レビュー・書評
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小6の頃図書室で借りた「誰かを好きになった日に読む本」に入っていた、電話が鳴っているを読みたくて購入。
今読み返すと色々アラも感じるけれど、思春期の入口の当時の自分にはとても衝撃的な話で忘れられなかったため、また読めてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「電話がなっている」に中学時代衝撃を受けた。SFは感情を揺さぶる話が好き。
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川島誠で一番印象に残っている短編集。
大学生の時に僅か十数ページの短編「電話がなっている」で、3日間ご飯が食べられなくなった思い出深い一冊。淡々としているようで、がっと飲み込まれるような筆致には恐怖すら覚える程。ホラーよりも怖い青春小説、個人的には。
10年位前に読んだ時は若干トラウマだったけれど、今ならそれ位揺さぶられた方が人生にとっては良いのかなって変わってきた。問題作みたいな名作。 -
ずっと昔に読んだのに「電話がなっている」が忘れられない。
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あーもう駄目だろ電話がなっている。これは忘れられない。2008/10/31
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川島さんは「800」に続き2作目。ほぼ同一路線ですけど・・・。
どうもしっくりしないのです。特に最初の何品かは。
初期の作品集なのでしょうか。完成度の低さが感じられます。テーマがあっても描ききれてなかったり、テーマが伝わってこなかったりします。また、ストーリー立ても稚拙だったり、情景の切り出し方に綺麗さが感じられません。
ただ、後半の何作品かは、そこそこの出来です。何がどう違うのか上手く言えませんけれど。
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幼稚だなって思ったら児童文学書いてるひとなんだな
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少年という存在の気持ちよさもやさしさと残酷さも、あまりにも繊細な心の痛みも、のぞきみえる官能すらも―思春期の少年がもつすべての素直な感情がちりばめられた短編集。
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青春とスポーツと性という、明るいもやもやを書かせたらうまいひとという印象が強かったけど、この作品集は割と暗い色合いが強かった。
世の中に責任がなくて、スポーツをしているときだけ充実していて、あとは女の子のことで頭がいっぱいな中学生・高校生。
親の無理解に押しつぶされて、声にならない悲鳴を上げている子ども。
どちらもリアルに繊細だ。
私が中学生男子だったら、ものすごく共感できたのかもしれない。
でも、悲しいけれどもう大人になってしまった私には、彼らの気持ちを忖度することはできても、共感することはもはや難しい。
ただ「田舎生活」や「ぼく、歯医者になんかならないよ」から聞こえてくる悲鳴を、絶望を、目をそらさず見ていることしかできない。
短い作品。
薄い本。
ずっしり重たい読み心地。 -
あまり好きではない厨二病的なお話でした。
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バスケ部。
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思春期の少年の葛藤
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とにかく勢いを感じた。
作中に、小中学生が喜ぶお下劣な表現がよく登場するところ
からも特にね。
勢いだけで面白く感じたものもあれば、なるほどと唸らせるもの
も確かにある。
じっくりと(まじめな)長編を読んでみなければなんとも
分からないが、この短編集における作風の印象はまあまあ
普通という感じ。 -
バスケに関しては表紙詐欺wでもどの章も学生の心情が緻密で面白い。問題は高校生が比較的幼過ぎることかな?
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電話がなっているが印象的。
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少年は必死に生きていて悩んで悩んで悩んで性の衝動に耐えられなくとも必死に生きている。それだけで生きる価値はあるし、美しい。
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後で書く。
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読みやすかった。さらーっとした感じで。
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短編集。
この著者の作品で、「800」という作品を以前読んで、今回この作品を手にした。
やはりこの人はスポーツ小説の描写が上手いと思う。表題にもなっている「セカンド・ショット」が1番良かった。 -
少年時代の美しさと残酷さを突き放したタッチで描写し続ける川島誠の短編集。一応すべて児童文学として書かれており、また一編一編が短いので割と読み易い。しかしその一編一編の印象はきっと読者の脳裏に強く刻みつけられるだろう。
本書に収録されている9編の短編のうち、やはり最も衝撃的なのは3番目に収録されている「電話がなっている」だろうか。
<電話がなっている。君からだ。だけど、ぼくは、受話器をとることができない。いまのぼくには、君と話をする資格なんてない―>
たった13ページのこの小説は、読後、あなたの感情を強烈に揺さぶるだろう。話が短いだけに詳しく説明しようとするとネタバレになってしまうのだが、そのラストは知る人ぞ知る“幻の名作”と呼ばれるくらいだ。
実は、この短編が読書界でここまで伝説的な語り草になっているのは、かつて《きょうはこの本読みたいな》という子供向けのアンソロジー・シリーズの1冊『だれかを好きになった日に読む本』(偕成社/1990年)に収録された事が大きいと思われれる。脳天気なタイトルにほんわか系の表紙でいかにも幸せいっぱいなこの本を手にとった多くのいたいけな子供たちに、「電話が…」は精神的にものすごいトラウマを残しただろう。
ありふれた、でも大切な初恋の思い出が迎える衝撃の結末は、児童文学の殻をまといながらも強力な破壊力を持っている。
実際この本で「電話が…」のインパクトにやられた本好きの子共は多かったらしく、ネットで検索するとザクザクその類の感想文が見つかる。
しかし、僕は個人的にはこの物語を子供時代に読みたかった。大人が読んでも十分に驚嘆させられるが、もっと子供の頃に触れていたら僕の精神形成に大きな影響を与えていたはずだ。
何だかんだ言っても子供の心は大人のより柔軟だ。激烈なショックを受けても自分の力で吸収してしまう。大人の心の方がよっぽど簡単に折れてしまうだろう。
子供だからって遠慮せずに描写していった方がいい。
本書には他にも「サドゥン・デス」「田舎生活(カントリー・ライフ)」「今朝、ぼくは新聞を読んだ」「セカンド・ショット」「悲しみの池、歓びの波」「ぼく、歯医者になんかならないよ」「セビージャ」「消える。」を収録。それぞれ子供たちの衝動や性、汚さや繊細さが見事に描き出している。
人間の善の部分と闇の部分はなるべく早いうちに飲みこんでいた方がいいのかも知れない。少年たちの残酷さにはその耐性が備わっているのかも知れない。川島誠は寡黙ながらそれを的確に伝えようとしているのかも知れない。 -
「電話がなっている」の衝撃は半端じゃない、頭をがつんと殴られたような。でもそれを追い掛けて涙まで出るのがこの小説のすごいところです。しかも短編。私の感涙最短記録です。
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電話がなっている がトラウマになるくらい心に残ってる
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思ったよりも面白い。
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「電話がなっている」の衝撃と、「悲しみの池、喜びの波」の感性が好き
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乙一と少し似ている感じがします。良い意味で気味の悪い青春小説
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アラン・シリトー
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『電話がなっている』という話は衝撃的だった。
決して長くはない文章の中に、涙腺を崩壊させるだけの想いが詰まってる気がした本。