ドミノ (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043710010

感想・レビュー・書評

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  • たくさんの登場人物が東京駅周辺を舞台にわちゃわちゃ。締め切りを猛烈に気にしている保険会社の社員とか、初めてのオフ会に参加しようとしている初老の男性とか、海外から来た映画監督とか、太宰治のグッドバイさながらに女性と別れようとしている男性とか、子役ちゃんとか、とか、とか・・・こんなにたくさんの登場人物を把握しきれるのかと心配になったけれど、意外にもそれぞれの個性がわかりやすく描かれているので最後まで混乱せずに、さらにそのつながりを楽しみながらジェットコースター的に読んでしまいました。
    途中で何度も「これ、恩田陸さんの作品だよね?」と確認してしまうくらいに、伊坂幸太郎さんの作品みたいな遊び心がたっぷり。

  • 「人生における偶然は、必然である」

    登場人物の多さ、細かく移り変わる場面に最初はついていけるか不安を感じるも、読み進めていくうちに繋がりが見え始め、読む手が止まらなかった。
    個人的に読み終えた感想は「面白い」というよりも、「すごいな」という感じ。

  • 15年以上前に読んだ本の再読。当時は、恩田陸の初期のころの作品を読みあさっていた頃なので、三月~とか、麦の穂~とか、ネバーランドとか、じっとり濃密な世界観のお話に没頭することを彼女の作品に求めていた。なので、このドタバタ劇を読んだときは、拍子抜けしたし、こんなもの書くの?!と少し苛立ちを覚えさえして、それ以来長い間封印していた。この度続編が出たと言うことで、再読した。そしたらば、大分大人になった私にはこの軽快さが逆に楽しく…驚いた。人は気づかぬうちに変わるのね。当時はなんとも思わなかったけど、こんなに大勢の登場人物がいるのに、読者を混乱させることなく書き分け、テンポよくそれぞれのストーリーを書ききる作者の腕に、舌をまく。

  • 登場人物が27人と1匹いるけど、ほとんど混乱する事なくするすると読めるのはすごい。最後まで登場人物一覧を確認することはなかった。

    だけど東京駅の描写が、東京駅の位置関係をなんとなくわかっている私でも、誰がどこ?ってなったので東京駅の構内図は知らない人には必要かと思う。

    27人と1匹それぞれに物語があるので、浅くなる感じが否めない。

    私の中では麻里花の話が良かった。
    サリーのセリフに絡めて、子どもだって、選ばれない側の人間がどんな気持ちになるか、言葉にしてくれたと思う。
    誰だって選ばれない側になったこともあると思うし、選ばれる側になりたいと思う。

  • こういう、一見関係ないような人達が全員絡み合うことで、なんらかの事件が引き起こされ、それも最終的に関わりのない人たちのそれぞれの行動で終息するという話大好きです!本人たちは巻き込まれていることに気づいてない、そんな話大好きです。恩田陸さんの他の作品もみたいです!

  • ここ数ヶ月では最も面白いと思える作品。もっと早く読めばよかった。形式も変則的で、読み進める毎に「どうなるのか?」とわくわく出来る上に、読後感もすっきりして爽快。
     30名近くの登場人物が登場し、基本的には東京駅近辺の限られた空間で半日あまりで繰り広げられる出来事を描いているのだが、バラバラに登場した人物と彼らを取り巻く物語が1つがラストに向かって収斂されていくストーリー運びは見事。リズム感も良く、非常にテレビ的。これまで映像化されていないのが不思議な位である。是非クドカンあたりに映像化して欲しい作品。

  • ぜーんぶ繋がったよ!

  • 急いで読んでしまいあまり内容に深く入り込めなかった。

    でも、全員が思い通りに行っていないことはすごく伝わった。

    人生における偶然は必然。
    偶然を良い必然にできるようになれたらいいなと思う。

  • ドタバタ面白かった~

  • 一億円の契約書を待つ、締切直前のオフィス。オーディション中、下剤を盛られた子役の少女。推理力を競い合う大学生。別れを画策する青年実業家。待ち合わせ場所に行き着けない老人。老人の句会仲間の警察OBたち。真夏の東京駅、二七人と一匹の登場人物はそれぞれに、何かが起こる瞬間を待っていた。迫りくるタイムリミット。もつれ合う人々、見知らぬ者同士がすれ違うその一瞬、運命のドミノが次々と倒れてゆく!抱腹絶倒、スピード感溢れるパニックコメディの大傑作。

    恩田陸さんはちゃんと読むの初めてかもしれない。面白かった、もっとしっとり(?)した作品のイメージがあったからびっくりしたけど、こんな楽しいコミカルな話を書く人だったんだ。最初は登場人物が多すぎて混乱するけど、巻頭に説明があるし慣れたらそんなの気にならないくらいのスピード感があってぐいぐい読める。場面転換が多い中で途切れない臨場感がすごい。ところどころ笑いながらあっという間に読めました。完全に悪者っていうのが少なくてそれぞれ背景や思惑があって動いてるんだけど、読者はうあああ何でそうなるんだ!と悶えながら楽しめる。終わり方もいいし、ちょっと元気ないときにもおすすめ。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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