きみが住む星 (角川文庫 い 58-3)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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  • Amazon.co.jp ・本 (105ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043820023

感想・レビュー・書評

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  • 旅の先々から大切な人へ宛てた手紙。
    大切な人と離れていても、彼女の事を思ってるから幸せなんだってことが伝わってくる。

  • 旅の先々から大切な人へ宛てた手紙。

    こんな素敵な手紙をもらえたらさぞ幸せだろうなぁ。

    「ぼくはこの星が好きだと思った。ここが、きみが住む星だから、それで好きなんだって気がついた。」

    手紙だから言える正直な言葉たち。

    待っている人がいる幸せを感じた。

  • あーもう池澤夏樹という人は!もう、あなたっていう人は!
    この人の書く文章、というか表現がとってもすき。

    「マリコ・マリキータ」もかなり好きだが、こっちもかなり好き。


    『ぼくはこの星が好きだと思った。それから、どうしてそんな気持ちになったのか、ゆっくりと考えてみた。
    そうして、ここがきみが住む星だから、それで好きなんだって気がついた。』


    反則です。笑


    「考えが走る」という章もすき。
    考えが走る っていう言葉のセンスがもう好き。
    頭のなかをめぐる考えが、まるで高速道路をびゅんびゅん走る車のようだ、と、
    それを、池澤氏は「考えが走る」と表現している。
    なんだろー そーゆうたとえ方ってなかなかできない。なのに読み手の心にぴたりとはまる。
    表現は独特な感性なのに、共感は普遍的なものにしてしまう、そうゆうところがすごいんだと思う。

  • 池澤夏樹だから気になった。
    めずらしく、癒し系かも。

    旅に出た彼が、地球上のどこか遠くで写した写真と短い手紙を送ってくる。
    いまそこに何があって、自分にどう見えているかということがつづられていて。
    彼女のことをおもうから、離れていてもこんなに幸せだってことが伝わる。
    あとがきにて、どうやら彼女もこの写真に触発されて旅に出てしまうようで、
    あなたが帰ってくるころにはいないかも、なんて言ってるのですが…
    ベタベタしてないこの距離感が、なんかいいなぁと思う。

    文庫を買ったけど、この手の本は単行本のほうがよかったなー。

  • 遠くにいる僕が大切な相手に手紙を行く先々で出すというスタイル。
    手紙だから短いんですけど、どんなに相手を愛しく思っているか伝わる文章で、
    最後の結びが親愛が滲み出ていて、きゅんきゅんします。
    久々にうわーってなりました。こんな手紙をくれる人が欲しいです。
    私は無駄な文章が後に入った文庫バージョンより、ハードカバーをお勧めします。

  • 遠く旅をしている恋人から届く写真と手紙。
    写真、文体、メッセージ、全て調和して一つの世界が生まれている。作者はどんな気持ちで執筆したのだろう。
    ・・・彼を脳内恋人設定にしていたら、最後に彼女が登場して、少し悲しい思いをした(笑)
    何となく、静かな室内より屋外で読む方が向いているような気がする。
    その方が心地よいだろうし、光や音やにおいと交じり合って、新しい感覚が得られるような気がする。

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著者プロフィール

1945年生まれ。作家・詩人。88年『スティル・ライフ』で芥川賞、93年『マシアス・ギリの失脚』で谷崎潤一郎賞、2010年「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」で毎日出版文化賞、11年朝日賞、ほか多数受賞。他の著書に『カデナ』『砂浜に坐り込んだ船』『キトラ・ボックス』など。

「2020年 『【一括購入特典つき】池澤夏樹=個人編集 日本文学全集【全30巻】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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