万能鑑定士Qの事件簿V (角川文庫 ま 26-314)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043836468

感想・レビュー・書評

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  • パリ編。今回小笠原君の活躍はないです。最初と真ん中にチョイ役で出るだけ。メインは高校時代の恩師・喜屋武先生とその時の同級生・楚辺。楚辺が勤める一流レストラン・ベランジュールで起きた食中毒騒ぎ。高校時代の凛子しかしらない喜屋武と楚辺の心配は何のその、たぐいまれなる頭脳と推理力で事件を解決していきます。
    もう少し犯人の動機が強い方がよかった気がするけど、ラノベだとちょうどいいくらいか?

  • お盆休みにパリ旅行を計画した凛田莉子を波照間島の両親が突然訪ねてきた。天然キャラで劣等生だった教え子を心配した高校時代の恩師・喜屋武先生が旅に同行するというのだ!さらにフランスで2人を出迎えたのは、かつて莉子がデートした同級生の楚辺だった。一流レストランに勤める彼は2人を招待するが、そこでは不可解な事件が起きていた。莉子は友のためにパリを駆け、真相を追う。

  • 〇 概要
     凜田莉子は,お盆休みにパリに旅行することを計画するが,ひょんなことから,高校時代の担任,喜屋武と一緒に旅行をすることになる。パリで料理人として修業をしている高校時代の同級生,楚辺に迎えられるが,楚辺が勤務している一流レストランで,フォアグラの食中毒騒ぎが起こる。莉子は,同級生の危機を救うため,パリを駆け回り捜査を行う。

    〇 総合評価 ★★★★☆
     フランスを舞台とし,ベランジェールという老舗レストランの食中毒事件を,一観光客に過ぎない莉子と喜屋武が捜査するというインパクトのある展開
     謎はそこまで魅力的でないが,捜査はテンポよく進み,誘拐事件も起こる。
     バベット精肉のごみ箱から拾ったメモ帳の数値から5箱のフォアグラをアンジェリークが忍び込ませたという真相を解明する莉子の着眼点はさすが。喜屋武のキャラクターもよく,アンジェリークが真犯人という意外性もあって,なかなか面白い。★4で。

    〇 サプライズ ★★★★☆
     消去法でいくと,犯行ができる人は限られるが,アンジェリークは盲点となっていた。真犯人がアンジェリークと知ったときは,驚くことができた。

    〇 熱中度 ★★★☆☆
     ベランジェールの食中毒事件と,謎はそこまで魅力的ではない。誘拐事件が絡むが,これも添え物程度。フランスで,高校時代の恩師,喜屋武との掛け合いをしつつの捜査。そこまでリーダビリティは高くないが、読みやすい。

    〇 インパクト ★★★☆☆
     犯行の動機は,アニマル・ライツ(動物の権利)。フォアグラつくりが動物虐待に近いという話は聞いたことがあるのでそこまで大きなインパクトではない。ただし,真犯人のアンジェリークと父親との関係が反転する終盤の展開にはインパクトがある。

    〇 キャラクター ★★★★☆
     喜屋武が非常にいい味を出している。楚辺は普通。アンジェリークを始めとするフランス人たちは,いいキャラクターとなっている。特に,コタヴォ精肉のオーナーのキャラがいい。

    〇 読後感 ★★☆☆☆
     アンジェリークと父の関係が反転する終盤の展開の読後感は悪い。

    〇 希少価値 ☆☆☆☆☆
     人気シリーズなので希少価値はない。

    〇 メモ
    〇 プロローグは,フランスで料理人の修行をする凜田莉子の同級生,楚辺瑛翔の視点での,フォアグラの買い付け
    〇 飯田橋の万能鑑定士Qのお店。莉子によるボタン,醤油,サッカー選手のサインの鑑定。小笠原に,「地球の歩き方・パリ&近郊の町」を買ってきてもらう。
    〇 楚辺のために,バベット精肉は,コタヴォ精肉と交渉する。
    〇 莉子の家に,父と母が来る。パリ旅行に莉子の高校時代の担任,喜屋武がついてくるという。莉子が電話するが,一緒にパリに行くことになる。
    〇 バベット精肉は,コタヴォ精肉から仕入れたものと併せ120パックを5パック200ユーロで,5000ユーロで売却する。
    〇 莉子と喜屋武は,フランスに旅立つ。空港で,お見合いツアーの客に対し,莉子の論理的思考による推理力が発揮される。
    〇 機内での莉子と喜屋武のコミカルなやり取り。フランスでは,莉子の同級生の楚辺のアパートに泊まることに。
    〇 フランス着。楚辺の車でアパートに行く。莉子はルーブル美術館に行くといい,喜屋武がついてくる。
    〇 ルーブル美術館につく。喜屋武が,ダ・ヴィンチ・コードの小説にあった666枚のガラスがあるという話を真に受け,学校で生徒に話すというので,誤解を解くために,小笠原に連絡し,角川の社長から喜屋武に電話をしてもらう。
    〇 楚辺が,勤務する老舗レストラン,ベランレージュで下ごしらえをしている様子
    〇 莉子,ルーブル美術館でモナ・リザを見るが,違和感を感じる。
    〇 喜屋武が,パリで生活していた過去の恋人に出会う。その女性は結婚していた。
    〇 ベランレージュで集団食中毒事件が起こる。
    〇 駐仏日本大使,領事官補の矢崎から連絡を受ける。辺ランレージュの食中毒事件のパリ市警のジェリエンヌらが捜査を行う。
    〇 莉子達は,食中毒事件の捜査を独自に行う。TGVでロワール地方に向かう。
    〇 バベット精肉での捜査。莉子は,捨ててあったメモ帳をもらう。
    〇 コタヴォ精肉での捜査。コタヴォにも問題は見つからない。
    〇 ベランレージュの従業員であるイヴァン・ダングルベールが,罪を認める。
    〇 ダングルベールの家で,同人の妻から話を聞く。
    〇 莉子は,写真からダングルベールがウソをついていることを見抜き,駐仏日本大使館の矢崎を通じ,パリ市警に伝える。
    〇 ダングルベール家の子ども,セヴランは誘拐されていた。偽の子どもが寝かされていたが,喜屋武が見抜く。
    〇 ダングルベールが真犯人である誘拐犯から送付された手紙のフォントの違いから,莉子はセヴランがいる場所を見つける。
    〇 セヴランが無事救出される。そこには,あまり頭がよくない犬が多数一緒にいた。
    〇 莉子は,喜屋武に依頼し,元カノにもう一度会ってもらい,メモ帳を用意してもらう。
    〇 ベランジェール,バベット精肉,コタヴォ精肉の従業員を一同に会するクルージングを実施する。その中で,莉子は真犯人と思われるバベット精肉のアンジェリークを罠にはめる。
    〇 5パック200ユーロで120パック売ると,1パック40ユーロなので,4800にしかならない。もう5パックをアンジェリークはひそかに用意していた。
    〇 アンジェリークはアニマルライツ(動物の権利)の運動家だった。アンジェリークはフォアグラ作りを非人道的と考えていた。
    〇 ベランジェールの食中毒事件の真犯人を見つけ,莉子と喜屋武は帰国。喜屋武は,教え子である莉子の成長に感心し,手製の卒業証書を与える。

  • 恩師喜屋武とのパリへの旅。

  • 小笠原がほとんど出てこない巻。

  • まぁまぁ

  • おもしろくてついつい時を忘れてしまった。にしても、パリのはなしだからてっきりモナリザのはなしかと思ったら、違うのね。

  • シリーズ5作目。結構好きかも。小笠原さんがほぼ出てこない代わりに、喜屋武先生がいい味出してる。卒業証書って!泣かせるね~~。

    もうフォアグラ食べられないかも。。レストランは今後も営業を続けるのでしょうか。。犯人の気持ちも分からないではないかな。そんな製造方法だったなんて。もちろん犯罪に手を染めてはいけませんが。

  • 前巻に続いて、犯人を諭すシーンにはイマイチな印象。
    自分勝手な動機で、身内ならまだしも周囲を巻き込む事件はどうにも・・・。
    もっと極悪に徹していた犯人なら読後感は違うのかなぁとも思う。

  • パリに行きたくなった(笑)
    莉子は鑑定士ではなくさながら探偵のようだ。
    喜屋武先生が生徒と付き合ってたことが地味に衝撃だった。
    莉子は小笠原とも良いけど楚辺とも初恋みたいな関係性で良い。
    アンジェリークさんは早く莉子に出会っていれば…何事も経験っていうけど、異物混入で病人を出すってれっきとした犯罪だからなぁ。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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