サウスバウンド 下 (角川文庫 お 56-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043860029

感想・レビュー・書評

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  • 最後は、急がされて斜め読みになってしまったけど、楽しかった。
    宮古と石垣って近いはずなのに、過去のこととか正直全く知らないから、興味が出てきた。
    沖縄での暮らしって憧れるけど、どうせなら那覇とか本島より離島で暮らして見たいなって思える本だった。
    汲み取り式は嫌だけど…

  • 沖縄に移住した上原一家は、廃屋をリフォームしたり村人達にいろんなものをもらったりしながらのんびり暮らしてて、これが続くのかと思ったら、リゾート開発絡みで大立ち回りに。
    何故か東京に残ったはずのお姉さんまでやってきて、すっかり馴染んでる。
    どうしようもないと思っていたお父さんが徐々に格好良く見えてくる不思議。……うん、そばに居るのはキツいけど。

  • 上巻での評価と打って変わって主人公の親父である上原一郎が
    とても生き生きしていてちょっとだけ好きになりました。
    中でも印象に残ったのが
    「世の中にはな、最後まで抵抗することで徐々に変わっていくことがあるんだ。奴隷制度や公民権運動がそうだ。
    平等は心やさしい権力者が与えたものではない。人民が戦って勝ち得たものだ。
    誰かが戦わない限り社会は変わらない」
    と息子に向かって語るところ。
    はっきり言って今の平和な世の中で左翼的な発言なんかは暑苦しいし
    何都合の良いことや理想論を言ってんだよと思うことが多いのですが
    今ほど平等な社会ではなかった時には現代のような世界を夢見て
    権力と戦った人達がいたんだなぁと今更ながらに思わされた一言でした。
    そして俗に環境左翼と言われている人たちを揶揄する
    「内地の人間が勝手に南の島に憧れ、自分探しで環境保護運動をするのは
    迷惑な話だ」というような表現も的を射ていて納得出来ました。

    最後は何となくさびしい終わり方ではありますが上巻では何となく蚊帳の外だった
    主人公の姉も含めて一家が団結していくところは目頭が熱くなりました。
    思っていたのと少し違う作品でしたがとても楽しめました。

  • 再読。
    下巻のほうが断然面白い!
    ついに家族は西表島へ。東京暮らしは便利だけど、人間らしく自然に生きていくには南の島は良いのかも。ちょっと破天荒だけど、お父さんが愛おしくなってきた。そして上原一家もまとまった感じ。家族ってあったかいね。
    年金とか保険とか、当たり前のように払ってるけど、そもそも「国民」って何よ?と思えてきた。

    あれ?映画観たっけ。トヨエツお父さん、見てみたい。

  • 2016.4/26〜28。上巻では中野、下巻では舞台が西表島に移る。破天荒で反社会的な父の印象が、二郎とともに変わった。二郎も中野編では平凡な小学生だったのに、島に来てからはもっとたくましくなった。島のゆいまーる精神が良い。本物のスローライフとはこういうものなのかも。

  • 上巻と下巻で綺麗に話が分かれてました。どちらも面白い。下巻で父にも愛着が沸いて、楽しく読めました。奥田さんの、まっすぐな人を描いたものは後味もよく好きです。

  • 一気に読まされた。

    そして、いろいろと考えさせられた。

    国って何だろう
    自由って何だろう
    強さってなんだろう

    自由は孤独

    という言葉を最近よく聞く

    だから強さや支えてくれる理解者が必要

    その二つを持ったお父さんは、一本気でかっこいい!

    ほんとに自分の親だったらやっぱ困るかもだけど。。

    東京の暮らしと沖縄の暮らし
    東京の学校、先生と沖縄のそれ
    東京の友達と沖縄のそれ
    東京の年の違う子との交流と沖縄のそれ

    対立が鮮やかだった

    お父さんみたいに、自分の納得のいく行き方ってなかなかできないから、かっこいいし憧れる

  • お父さんの汚名返上の下巻。
    偏った思想でありながらも、子供にはそれを押し付けない、、そこがかっこいい。

  • 『パイパティローマ』

    久しぶりに良い本を読んだ。とても良いことばがあって、引用したいけれど是非読んでもらいたいのでここにはかかない。幼い頃の疑問にフィクションとはいえ全力でぶつかってくれて嬉しかった。パイパティローマは僕らが帰る場所である筈だ。

  • 舞台は東京から沖縄へ。沖縄の人々や食べ物や景色など暮らしの描写はとても鮮やか。東京では見ることのなかった父と母の生き生きとした面を発見しながら、二郎も成長していく。相変わらず平成の話なのに昭和な雰囲気、用語で時代感が掴みにくいものの、続きが気になる展開で最後まで面白く読めました。でもラストはなんか、意外な展開というか、ちょっとポカーンとしてしまった(笑)

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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