- Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784043885015
感想・レビュー・書評
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2022年最後の本.思ってたより淡味だがよい.
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文章自体は終始そんなに重さはなく、始まりから中判まではどちらかというと恋愛の爽やかな甘さのような部分をしっかり感じられていたのに、だんだんと感情移入させながらずっしりと苦く重たい感情が蓄積されていってしんどかった。
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何度も読み返している大好きな作品。友達に貸す前に再読。
高校生で初めて読んだ時は、なんて大人っぽい小説!と大学生活に憧れたものだけども、大人になって読んでみたら、情景が浮かぶ映像的な描写と共に、仲間と過ごす青春の日々のきらめき、焦がれるような切羽詰まった恋愛感情が、強いノスタルジーを伴って押し寄せてきた。
主要登場人物みんな(特に葉山先生)、よく考えるとどうなの、という言動をしがちだけど、それぞれが身近に感じられるからこそ、様々なことを考えさせられるのだと思う。
でも男性は考えれば考えるほどみんな身勝手。島本理生さん、根本では男性を憎んでいるのではなかろうか。
雨と共に滲んで薄れていってしまう青春の記憶や人間関係の中に、葉山先生との思い出が、今も甘く膿んで鮮明に残る泉は、辛くも幸せだ。 -
2017年に映画を観に行ったのですが、当時高校2年生だった私には過激すぎて観ていられない場面が多々あったんです汗
大学生になった今原作を読むと、主人公たちが大学生というのもあってかなり感情移入してしまいました。
小野くんの変貌ぶりには映画と同様少し怖くなるけど、気持ちはわからなくもない。
最後の1文が印象的でした。 -
よくできた恋愛小説。
女子高生社会にうまく馴染めなかったけれども大学に入ってから不思議とモテるヒロインの造形がうまい、無意識に男に媚びる行動を取ってしまうところ(電話で夕飯を作りにいくことを伝えながら、本棚の料理本に手を伸ばすところとか)に、こういう人いるよな〜と。目黒シネマでリネンシャツ着て映画見てそうな感じ。
最初に選ばれた男がモラハラ気質のマザコンだったのも納得。
静かな文体だが描写が研ぎ澄まされていて、心象への没入感があった。時系列を行き来するストーリーテリングも無駄がなく上手い。
反面、僕が男性だからかもしれないが、ヒロインが葉山先生になぜ惹かれるのかが、人物造形の浅さからいまいち腹落ちせず…。
街を歩く人もどこかに痛みを抱えて生きているんだろうな、と思いを馳せたりした。 -
間違いなく恋愛小説の名作。
もう決して交わらない2つの道とか、
過ぎ去った愛おしい青春の時間とか。
イメージを壊されたくなくて、
あえて映画版は見ないと決めた。