ナラタージュ (角川文庫 し 36-1)

著者 :
  • 角川書店
3.62
  • (646)
  • (799)
  • (983)
  • (231)
  • (83)
本棚登録 : 9877
感想 : 926
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043885015

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 男の人どっちも不快だった!
    本当にずっとすれ違ってる思いが読んでてモヤモヤした。
    最初の回想から始まる部分すっかり忘れてたけど最後に繋がってていいと思った。

  •  色恋も十人十色。私と貴方が分かり合えば、それでいい。のかもしれない。

  • ここまで深く人に執着したことが無いからなのか、あんまり共感できる感じはしなかった。トピックは結構暗めで、自分が相手を思う気持ちは簡単に伝わらないし、相手が自分を思ってくれているということを信じることもまた難しい、という苦しさが伝わってきた。

  • 最初のページで「川を歩いたりした思い出」みたいなのが書いてあったから、てっきり小野くんが忘れられないの?マ?って思ってたら最後の数10ページで大どんでん返し。あとちょっとのページが見えるがどう終わるんだろ?って考えるのが面白い。
    葉山先生も泉が好きだけれど奥さんも好きで忘れられない。奥さんも泉も、種類は違うけど両方捨てられなかったのか…。罪な男だ。と言う読み方をするのは単純だけど…。泉もそうだけど人生の中で「本当に好きだった人と結ばれない」ってこと、あるよなぁ。

  • 私は、まだ若くて理解しきれない感情や状況が多すぎたから、いつかもっと大人になった時にもう一度読んでみたい

  • 2023/09/21

    三宅香帆さんの本で紹介されていたので読んでみた。自分では選ばない恋愛小説。恋愛小説というには静かで淡々とすすんでいくけれど。
    小野くんといるときの気持ちは分かるけど葉山先生といる気持ちはよくわからない。
    先生と生徒(卒業してるけど)…って考えてしまう。
    p304で小野くんが「黙れよ」っていっていたので心臓がひゅってなった。いままですごくいい人だった人の本性というか裏というか出してくるのが怖い。彼氏だから彼女だからった許されることが多くなるのはおかしいとおもう。勝手に手紙開けんなや。付き合って3ヶ月程度で下の名前で呼ばんからってキレんなや。
    最終章のあたりで、葉山先生と泉がやっててp394「これしかなかったのか、僕が君にあげられるものは。ほかになにもないのか」って言うセリフはよく分からんかった。自分のことを愛している人に返せるのが一晩の思い出だけってこと?

  • 人生でこれから何度も読み返す作品。



    読んでいてこんなにも心が苦しくなって
    感情が揺さぶられるのが初めてで
    しんどかったけど楽しかった。
    めっちゃ、しんどいけど。でも快感もある。
    不思議な感覚。
    こんなに感情移入できたの初めてだった^ - ^
    活字読むのってこんなに楽しいのか…!!!



    葉山先生の笑顔を見て泉の葉山先生に対する想いを再認識するシーンが好き。

    「この顔だ、と思った。少年のように無防備な喜び方、そして私は熱烈に実感する。この人からは何も欲しくない。ただ与えるだけ、それで恐ろしいくらいに満足なのだ。」

    愛するってこういうことなんじゃない?!!見返りを求めるでもなくただただそこに居る、笑ってくれるそれだけで満足する相手…泉の葉山先生に対する愛の深さがわかる場面。
    自分もいつかそんなふうに思える人に出会えるのか…


    お互いがお互いに幸せになってほしいと想う一方、寂しくなると会いたくなってしまう、頼ってしまいたくなる葉山先生、妻とやり直すことを聞いて安堵するも嫉妬の心もある泉の人間らしさが共感できる~~複雑で矛盾する感情って人間を苦しめるけど人間としての面白さでもある。

    泉と葉山先生の愛は純愛だと自分は思う。
    純粋な愛ほど結ばれないのかもしれないなー。
    そう考えると苦しいなー。


    泉に感情移入しすぎて、しばらくは葉山先生今頃何してるかなーって考えちゃうかも。。。

  • 稚拙な恋心、大人の狡猾さ、嫉妬などの心理描写が繊細に描かれていた。でもあんまり共感できなかったかなぁ。表現や言い回しは相変わらず好き。

    「だけどきっと私はそうすると思います。今日のこともいつか思い出さなくなる、そしてまた、ほかの誰かをこの人しかいないと信じて好きになる。あなたに対してそう思ったように」

  • 2005年 これもまだ島本さん22歳くらい。

    壊されたい程好きだった高校時代の教師との再会。
    諦めたはずの感情が又動き始める。
    結婚を決めた女性の忘れ難い恋愛を 回想形式で物語る。ナラタージュ。
    まだ、生活とか家庭とか損得など重要ではなく、不毛な恋とわかっていても、気持ちを打ち消せない。同年代の女性の不安定な気持ちをとても良く表現されています。
    エピソードがまだ未熟かなと思うところはあるけれど、20歳前後の女性が読めば共感されるだろうと思います。

    主人公の女の子が有村架純ちゃんのイメージから抜けないまま読んでしまった。声まで脳内で再生されてしまい、映画観てないけど、ぴったりだったんだろうと思う。

  • 絶対に成就しないと分かっている想いは、だからより一層断ち切れなくて、長い時間をかけてそれが恋なのか愛なのか親しみなのか情なのかわからなくなってしまった後でも、そこから一歩も動けなくなってしまう。
    きっとこの先、他のどんな楽しい記憶が積もったとしてもその想いがなくなることは決してないけれど、時間は少しずつ、想いの強さを溶かしてくれるだろう。泉のこれからの未来が、少しでも多くの温かな感情で満たされることを願わずにはいられない、切なすぎるお話だった。

    自分がどうあろうと私は大丈夫と強がって、どんな時も葉山先生の幸せを願った泉の愛情に対して、泉を突き放しては都合よく寄りかかって、最後も泉に決めさせた先生のズルさが残念でならない。彼にとっても泉の存在は確かにキラキラした大事な恋だったけど、もっと底に既に沈む奥さんという存在が揺るぎなかったし、泉よりも自分が大事だったんだろう。自分がどんなに傷ついたとしても、最後は泉を嫌いにさせて解放してあげてほしかった。

全926件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

島本理生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×