秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 2546
感想 : 245
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043892037

作品紹介・あらすじ

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。何をしても、どこに行っても、朝になれば全てがリセットされ、再び十一月七日が始まる。悪夢のような日々の中、藍は自分と同じ「リプレイヤー」の隆一に出会うが…。世界は確実に変質した。この繰り返しに終わりは来るのか。表題作他二編を収録。名作『夜市』の著者が新たに紡ぐ、圧倒的に美しく切なく恐ろしい物語。

感想・レビュー・書評

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  • 恒川光太郎さんの『夜市』の世界観が
    好きなので、次に手に取った本。
    三編からなる短編集。

    明日はこれをしよう、あれをしようと考えているということは、今日過ごした1日とは違う、新しい明日が来ることに、希望を感じているからなんだなぁと気付かされる。

    他人を陥れようとか、自分が優位に立ちたい、とか、嫌いな人に対する蔑みの気持ち…
    人のネガティブな心理や態度がリアルに描かれていて、ざわっと嫌な気持ちになる。
    なのに、物語全体に漂う雰囲気は、穏やかでどこか懐かしい感じもするのが不思議。

  • 恒川ワールド
    普通にたのしめた感じ

  • 面白かった。ふつうの短編集かと思っていたら、全体を通して“秋の牢獄”になっているようだった。
    ホラー小説と一辺倒に語れるものではなく、なんだか心の奥が薄気味悪くて震えてしまうような、そんな心地がする。徐々に恒川ワールドに取り込まれていくような構成になっていた。
    幻は夜に成長する は、読む手が止まらないというがどんどん取り込まれていって、ふと気がつくとあまりにも集中していたのか眠気に襲われるほどだった。
    個人的には神家没落の世界観とテンポが好きだったな。救いがあるからかもしれない。

  • ホラーというかファンタジーというか、ドカンととんでもないオチで驚かされるというよりしみじみ、おぉ…となる感じでした
    面白かった!

  • 恒川光太郎のホラー短編。無限とも思える時間に囚われる物語。特に「秋の牢獄」は秀逸。未来のない人間の空虚がにじみ出る。ノスタルジックなところも好き。

  • 『竜が最後〜』に続き、恒川作品四作目。表題作。同じ日が何度も繰り返すというホラー作品。私だったら……まず職場のムカつく奴を○すわ。あとは——これ以上は書けませんわ。外道過ぎて…。アナタならどう過ごしますか。とても人間性が見える作品で良かったです笑

    • 土瓶さん
      同じ日を何度も……。
      なんとなくありがちな設定ですが、いざ自分ならどうするかと考えたら何も思いつかないですね。
      何をやっても結局飽きてし...
      同じ日を何度も……。
      なんとなくありがちな設定ですが、いざ自分ならどうするかと考えたら何も思いつかないですね。
      何をやっても結局飽きてしまいそう。
      つまらない回答でスマンです(◞‸◟)
      2023/12/17
  • 恒川光太郎さんの作品は「夜市」が好きで、フォローさせてもらってる方の感想でこちらも手にとりました。

    結論から言うと『良い』。

    読んでホラー感は薄いけれども、いざその境遇になることになったらもちろんゾッとする。

    不思議は不思議なまま置いておきながら、納得してしまうお話が心地よく感じてしまう。

    つかみどころのない出来事で終わりが想像に任せる感じだが、それがバチッとはまった作品で大好きになりました。

  • あっ!もう11月8日やわ!
    良かった〜
    もう一回というか、何度も同じ日の繰り返しって精神的にキツい。
    何しても、元に戻るってのは、魅力的やけど、無限ループなんか嫌や。
    3つの短編集やけど、どれも牢獄というか囚われてる。

     11月7日という時、

     家という空間、

     幻術という力。

    いずれの作品も最終的には、解放に向かうんやけど、そこは、違った形で。

    ホラーというより、民話というか、世にも奇妙な物語というか…
    こういう、何か身近にあるような恐怖。

    「ないわ〜こんなん〜」って思って後ろ向いたら…
    「あれ???」みたいな…

  • 1日がループして何をしても元通りになるギャグ漫画みたいな世界をよく考えてた、羨ましいなあ

  • 『秋の牢獄』を読むのは二度目。昨年、図書館で借りて単行本で初めて読んだ。これは毎年読みたくなるわと感じたので、文庫で手に入れた!今年は雨と雷の中、読み始め……そうか。この物語は水曜日なのか……。今年は火曜日。水曜日に読むとまた違う気持ちになるのかな?と手を止め、次に来る11月7日の水曜日を調べ……

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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