粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 559
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784043913039

感想・レビュー・書評

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  • グロテスクな世界観は変わらず。今回は起承転結がしっかりしていた印象。

  • 人体切断、獣姦、拷問云々、相変わらず超インモラルな変態小説です。ただ前二作と比べ、勢いが落ちた感じがします。「蜥蜴」で推協賞を取った手前、嫌でもミステリ(的な要素)を期待しちゃうわけですが、「人間」にあった我武者羅に突き進む感じが薄れてしまった気がします。

  • 待望の「粘膜」シリーズ第3弾。でも前2作に比べると少し落ちたか・・・。最後は納得いかないが、しゃぶしゃぶは牛肉派の僕ですが、豚肉も食べたくなりました。

  • <>可愛い知人から紹介されて読んだ一冊。可愛い女の子が持っていたら、だいぶ理解に苦しむ話だった。グロが苦手なので、途中ダウンしそうになったけど、この玉手箱的なフシギ感はなかなかにすごかった。シリーズ読んでしまいそう。

  • ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。

    へもやんに育てる高く売れるスグリ豚。豚とのSEXにはまる変体。磨太吉と矢太吉の双子。カフェのゆず子にいれこむ。ヤクザに誘拐された0のを助ける。はり吉の拷問。すずり豚の金玉はらしぼった薬で痛みは消える。ヤクザの死体は豚のえさ。訓練の後、召集令状でナムールへ。中隊長の女、蘭子。
    とんでもないマゾ。ゲリラの襲撃に敵前逃亡。虫の息の蘭子を犯す磨太吉。
    矢太吉がやる前に死んだ。逃げる途中でゲリラにつかまりリンチ。眼球をえぐられる。親指を切り落とし手錠を外し銃を奪う。途中で会ったヘルビノ爬虫人の亀吉に港まで案内させる。港の手前の崖から落ちて死ぬがお守りのおかげて蘇生。無事帰国。死体の軍服と交換したので死んだろ思われていた。
    ナムールで死んだと思ったポんタと決闘。
    父の仇、詐欺師を殺し矢太吉が逃走。ゆず子を犯すために戻ってきた。
    兄弟で殺しあう。生きかえる代わりに、矢太吉の前に突然現れる黒子になった。憎いので殴りまくった。
    梅子さいこうーとへもやんは毎晩叫んだ。
    ゆず子は最初の結婚でヤミ堕胎手術のせいで子供できない体だった

  • 夢中で読んでしまった。奇妙な設定がおもしろい。
    続きが読みたいなぁ〜。

  • あらすじ
    ≪ある地方の町外れに住む双子の兄弟、須川磨太吉と矢太吉。戦時下の不穏な空気が漂う中、二人は自力で生計を立てていた。二人には同じ好きな女がいた。駅前のカフェーで働くゆず子である。美人で愛嬌があり、言い寄る男も多かった。二人もふられ続けだったが、ある日、なぜかゆず子は食事を申し出てきた。二人は狂喜してそれを受け入れた。だが、この出来事は凄惨な運命の幕開けだった…。待望の「粘膜」シリーズ第3弾。≫
    作品の世界観、時代設定はこれまでのシリーズと同じで、
    読み始めの時の取っ掛かりこそ、なぜかすんなり頭に入ってこないような軽い抵抗があるんですが、
    読み進めてしまえばストーリー運びの上手さもあるので、またあの世界が始まったなと、すんなり入れました。

    物語は全部で三章に分かれていて、
    第一章で主人公の磨太吉と矢太吉が出てきて、
    それから家で飼育するフグリ豚の世話をする、
    ヘモやんという72歳のじいさんが出てくるところまでは普通なんですが…、
    って、いやいやフグリ豚ってww…、いきなりフグリ豚ですからね、金玉豚ww、おいおい。
    そんで、そのヘモやんの唯一の楽しみというか生き甲斐が、メスのフグリ豚の梅子と毎日“やる”ことで…、
    ちょwwちょぉーっつ、いきなりですかい(笑)
    ヘモやんはかなりの面白キャラですけど、初めてこの世界観に触れる人はどんな反応するんでしょうかね。
    でもこれこそ粘膜ワールドなわけで。
    飴村ワールドなわけで。
    さらに第一章は、カフェーで働くゆず子という女が出てきて、
    恋してしまった磨太吉と矢太吉が争ったり、ヤクザの組長とゆず子を巡って命懸けの戦いしたりで、
    まさかまさかのラブストーリー展開。
    えぇーっ!!
    思いもしなかった恋愛小説のような話に驚きました。

    第二章は、第一章のラストで日本軍に召集されて、場面が一気に変わって第二次世界大戦真っ只中の船上から。
    第二章はこれまたまさかまさかの戦争小説で、展開の変わりようにびっくりしました。
    「粘膜蜥蜴」でも戦場のシーンはありましたが、
    この「粘膜兄弟」でも戦場の描写は細かいとこまでリアルに想像出来たので、
    飴村さんの戦場を描く才筆はかなりのものだと思います。
    巨大サソリの登場も不気味で面白かったです。
    それから、ちゃんとエログロ入れてくるあたりもさすがだなって思いました。

    そして窮地を脱して逃れ逃れて、第三章は再び日本の兄弟の家から。
    磨太吉とゆず子の穏やかな生活。
    殺したヤクザの組長の子分との対決。
    昔、父親を自殺に追い込んだ者への復讐。
    磨太吉と矢太吉、兄弟の確執。
    時たま矢太吉を襲っていた謎の黒い影、黒助の正体…と、
    次から次へと、一体この小説はなんなんだ!!、という感じにもなりましたが、
    お腹一杯になったんで、まぁ満足はしました。

    「粘膜蜥蜴」にも登場した爬虫人や、死体と“やる”のが生き甲斐のじいさんの話が出てきたり、
    ちょっとだけですけど「粘膜蜥蜴」とリンクしてるのは面白いと思いました。
    爬虫人の亀吉が、のちの富蔵だったりしたら凄いなと思ったんですけどね。

    今作にも「粘膜人間」「粘膜蜥蜴」にあったようなミステリー的部分が一応はあって、
    子供の頃から矢太吉を襲う謎の黒い影・黒助の正体が、ラストで明らかになるんですけど、
    一応伏線と驚きもあったので、この辺りは広義のミステリーとして評価されるんでしょうか。

    年末のミステリーランキングに入るのかは分かりませんが、
    今作もこれまでの粘膜シリーズ作品に負けず劣らず面白かったです。

    それにしてもほんとこの作品は、恋愛、ホラー、サスペンス、ミステリー、戦争、冒険、エロ、と、
    もう何でもありでジャンル分けは難しいし、読んでても、展開も何もめちゃくちゃだなと思う時もありますけど、
    でもそこがこのシリーズ、この作品のいいところなんでしょうね。
    このスタイルこそ粘膜シリーズなんですよね。
    綺麗に上品に上手くまとまってたら、それこそ普通の作品にしかならないでしょうから。

  • 昭和初期。双子の須川磨太吉と矢太吉には同じ好きな女がいた。カフェーで働くゆず子は美人で言い寄る男も多かった。二人もふられ続けたが、ある日、なぜかゆず子が食事を申し出た。が、それは凄惨な運命の幕開けだった…。
    「粘膜」シリーズも3作目に入って作者の力量が上がったのがよくわかった。その分、荒削り・破天荒な魅力がやや無くなったように感じたのは残念。物語の最終盤で私の笑いのツボにハマるシーンがあって、電車の中で読んでいなくてよかったと思った。ヘモやん、最高!
    (B)

  • 前2作よりもパワーが落ちてる気がする。なんか、イマイチだった。展開が稚拙。

  • 20100618読了。
    「粘膜人間」「粘膜蜥蜴」に続く、粘膜シリーズ第3弾。
    マタ・ヤタ兄弟が繰り広げるエロ・グロ世界。読後の気持悪さ、グロい描写は前作の方が強烈。
    今回は純愛・ミステリ要素でややマイルド。

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著者プロフィール

飴村行 1969年、福島県生まれ。東京歯科大学中退。2008年『粘膜人間』で第15回日本ホラー小説大賞長編賞を受賞。デビュー第2作『粘膜蜥蜴』で第63回日本推理作家協会賞を受賞。特異な作品世界で注目を集める。著書に『粘膜兄弟』『粘膜戦士』『路地裏のヒミコ』『粘膜黙示録』『ジムグリ』など。

「2018年 『粘膜探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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