失敗の法則 日本人はなぜ同じ間違いを繰り返すのか

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784046019417

作品紹介・あらすじ

なぜ、現場は優秀なのに無能なトップが多いのか、どうして日本人の働き方はいつまでも非効率なのか……。そして、日本人がいつも同じパターンの間違いを繰り返す理由は何なのか?

名著『失敗の本質』が描いたのは、日本人がどのようなときに「失敗」するのか、という日本軍の作戦の分析だった。だが著者はいう。『失敗の本質』は個々の分析は素晴らしいが、抽象化が不十分なため、繰り返し起こる失敗の原因がよくわからない、と。

本書は『失敗の本質』がパターン化できなかった「失敗の法則」について、東芝崩壊、電通事件、豊洲移転問題から原発事故まで、現代日本の「失敗」のなかで行なわれた「日本人の決め方」を緻密に分析し、それを8パターンにまとめたものである。

そうした「失敗のパターン」を理解できれば、組織のなかで「失敗しないため」にはどうすればよいのか、という戦略も見えてくる。山本七平、丸山眞男などの日本人研究から最新の経済学まで膨大な知見をもとに展開される、どこにもない日本人論の誕生。


【本書の内容】
プロローグ 優秀な兵士と無能な将軍
第1法則 現場が強いリーダーを許さない
第2法則 部分が全体を決める
第3法則 非効率を残業でカバーする
第4法則 「空気」は法律を超える
第5法則 企業戦略は出世競争で決まる
第6法則 サンクコストを無視できない
第7法則 小さくもうけて大きく損する
第8法則 「軽いみこし」は危機に弱い
エピローグ 勤勉革命の終わり

感想・レビュー・書評

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  • 8つの失敗の法則が挙げられているが、構造化されておらず、筆者が目についた或いは思いついたものを五月雨に並べているとしか見えない。名著と言われる「失敗の本質」の論考を不十分と冒頭でぶち上げているがこの内容でそれは烏滸がましいのでは。

    また、各「法則」についても、なぜそれを抽出したのかの記述は一切なく、1つの事例を載せるだけと言う貧相ぶり。なんの本だか読んでいて迷子になる。ムック本として捉えて付き合うのが吉。

  • <目次>
    はじめに
    プロローグ優秀な兵士と無能な将軍
    第1現場が強いリーダーを許さない
    第2部分が全体を決める
    第3非効率を残業でカバーする
    第4空気は法律を超える
    第5企業戦略は出世競争で決まる
    第6サンクコストを無視できない
    第7小さくもうけて大きく損する
    第8軽いみこしは危機に弱い
    エピローグ勤勉革命の終わり

    なぜ、つまらない本になったのか?
    目次の並びはいい、内容の記述もいい
    ただ、目次を内容があっていない。
    失敗の法則を書いていないし、法則の証明になって
    いない。
    ただ、だめだったことを書いているだけ。
    だから、購入後30ページ読んで放置してあったのだろう

    発行した出版社の編集者に責任がある。
    発行が”失敗”である

  • 日本の組織に「あるある」な失敗事例集。
    一言でいうと、

    優秀な現場が部分最適化してトップが決断できなない「空気」による機能不全

    が起きている。意思決定をボトムアップで部分最適にやるために、全体最適をしようとするリーダーを排除しているとも言える。打ち合わせを重ねて責任者をうやむやにして「空気」を醸成していくのが日本的な民主主義であり、そのシンボルが「象徴天皇」とも言える、と。

    本書の最後に、こういう日本の空気だからこそ「空気を読まない孫正義さん」が成功した、と紹介しているのが興味深い。

  • 失敗の法則と名を打っているが、多くのデータ等から抽出したものではなく、話題の事象を取り上げて、それに関する考察を行ったもの。
    失敗の本質の考察とは、比べ物にならないほど考察が薄い。

  • 「日本軍は何度も同じパターンで攻めてきて玉砕する」と太平洋戦争でもあざ笑われていた、実効より組織内論理の優先。’90年代から伸びないGDP、数十倍になった中国、数倍になった韓国「一人当たりの労働生産性では先進国中下位にあり、韓国にさえ抜かされそう」言外の意が伝わる優秀な職人技が製造業を進化させた「製造業の貢献で官僚・非製造業の非効率をカバーしてきた」江戸時代の限られた土地から最大の成果を得る労力集約型・労働革命、対してヨーロッパは産業革命/バブルの崩壊は防げない、しかし後の処理がまずかった。国対政治の限界

  • 何回読んでも考えさせられる

  •  著者が、「はじめに」に書かれたことが、本書の目的や意図が明確にされています。
     それは、日本人の失敗を論じた『失敗の本質』があり、個々の分析は的確だが抽象化が不十分で、原因まで分からない。本書は日本人の失敗から法則を抽象化し、具体的な事例に即して検証する、ということです。
     これを8つにパターン化し、仮説としてまとめています。事例も歴史的な事実から、最新のものまで多岐にわたり、同じパターンになっていることが良く分かります。

    <この本から得られた気づきとアクション>
    ・これは何度も読み返すべき。失敗のパターンに陥っていないか、自分にも周りにも目を配る必要がある。

    <目次>
    プロローグ 優秀な兵士と無能な将軍
    第1法則 現場が強いリーダーを許さない
    第2法則 部分が全体を決める
    第3法則 非効率を残業でカバーする
    第4法則 「空気」は法律を超える
    第5法則 企業戦略は出世競争で決まる
    第6法則 サンクコストを無視できない
    第7法則 小さくもうけて大きく損する
    第8法則 「軽いみこし」は危機に弱い
    エピローグ 勤勉革命の終わり

  • 「失敗の本質」が流行っているので、失敗の本質と過去からの池田氏の持論を組み合わせて売れる本にしようという編集者の意図がミエミエの著書。従って内容的には過去の池田氏の本や主張同様、非常に含蓄があって本質をついており、興味深い内容ではあるものの、上記のような観点からみると、あまりいただけない本ではあります。

  • 日本人の失敗のパターンは同じ。。
    その特徴は現場主義による部分最適化と誰も決めない「空気」の支配。

    意思決定がボトムアップで部分最適になり、全体を統括する強いリーダーを拒否する。最終決定者がいないので、みんなで打ち合わせをして時間をかけて「空気」をつくっていく。

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著者プロフィール

1953年生まれ。東京大学経済学部卒業後、日本放送協会(NHK)に入局。報道番組「クローズアップ現代」などを手掛ける。NHK退職後、博士(学術)取得。経済産業研究所上席研究員などをへて現在、アゴラ研究所代表取締役所長。著書に『イノベーションとは何か』(東洋経済新報社)、『「空気」の構造』(白水社)、『「日本史」の終わり』(與那覇潤氏との共著、PHP研究所)、『戦後リベラルの終焉』(PHP研究所)他。

「2022年 『長い江戸時代のおわり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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