慶應義塾大学SFCの挑戦 (角川oneテーマ21 C 37)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047040748

感想・レビュー・書評

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  • SFC創立10周年にあたり、1期生の著者が学部の創立、カリキュラム、授業、クラスター制度、出版当時創設された看護医療学部の展望、SFCの今後の展望についてまとめている。

    1期生の卒業生だけあって、内容は入学式などのそれぞれの教授の文章の引用等、内部ならではの資料やそれまでにないAO入試の実施など、当時は初めて尽くしに挑戦していった成果がわかる。

    と同時に、出版から10年、創立から20年近くたっても決してSFCの評判は高いままではなく、厳しい評価があることも現実である。

    本書を通じて思ったのは、創立当時には、分類された学問で、それぞれの学科などの固有の思考による研究が進んでいた時代に、分類等を排して横断的なカリキュラムを組むことにより、より実践的な人間を造ろうとする試みがSFCだったような気がする。

    そして、それらの評価は、一部現実の社会があまり変わらないために、またはITなどは変化は激しいために評価されるものが古くなりすぎて、高評価が得られていないと思う。

    教育の目指す方向性、評価は、時代の影響もあるし、それぞれ学科固有の考え方も、歴史的に裏付けされている強さもある。その中で、挑戦したマインドは評価できるが、生み出された人間は必ずしも高くはないような気がした。

  • SFCが手放しに賞賛されていることに違和感を感じて買った一冊。

    SFC黎明期について書かれているので
    現状ともまた違うとは思うが、
    SFCのシステムは確かにすごいと思う。
    ただ、このシステムも使う人次第なのだが・・・

    SFCのその後を続編としてぜひ出していただきたい。

  • SFC Version 2.0

  • 慶應義塾大学SFC第一期生の田中章義が、創設から現在に至るまでのSFCの歴史を記し、また今後のSFCの課題も提示している本です。教授たちが涙を流しながら迎えた初めての入学式。先生と学生が「仲間」として作り上げてきたキャンパス。グローバルキャンパスとして時代と共に変化を遂げながら、変わらぬ理念のもとで沢山の人たちがSFCへの情熱を持って活動されているのが伝わってきます。節々に引用されている教授たちの言葉には涙が出そうでした。

  • 知人から紹介いただいて購読した、他社出版で且つSFC一色の本。
    これを読んで、ふと思った事が。

    幸いにして、SFCの一期生をはじめとする、SFCの黎明期を築いてきた方々(一部ですが…)と知り合える機会を得られたわけですが、そういう人達と話をしている方が、色んな意味で面白い。
    それは、彼らの方が先輩だから、とか、社会人としての経験が豊かだから、とか、ということもあるのだろうけど、僕を含め、後輩や現役学生には足りないものを、彼らは持っていると思います。

    それは、強かさや、図太さや、逞しさ、といったところでしょうか。

    設立当初から最先端の学校とはいえ、その実情はほとんど無に等しい。
    そこから、最先端の技術や研究を生み出すことなんて、並大抵の努力ではいかないでしょう。
    でも、だからこそ彼らは、それを生み出すために、頭をフルに活用する機会が多かったんだと思います。
    それが、今現在の研究に活かされ、企業に活かされ、ひいては社会基盤に活かされているんだと思います。

    今のSFCに足りないものは、多分それではないかと。最先端で行くあまり、本質が欠けているのではないかと感じてしまいます(僕だけか?)。
    せっかく、『問題発見・解決型』の人間を育成する学校なのですから、そういう『強さ』を武器に出来る人間を育て上げる学校へと、進化していく必要があるんじゃないか、と思います。

    卒業して、社会に出て、客観的にSFCを振り返って、そう思いました。

  • メディア寺子屋で講演を聞いてまた読もうと思った田中さんの本。特に日本の大学や学生に向けてのビジョン提示(地域貢献、社会貢献など)はとりあえずこれからの学生生活の進む方向性を軌道修正してくれる感じがする。

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著者プロフィール

東京経済大学教授

「1980年 『経営統計学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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