テルマエ・ロマエ I (BEAM COMIX)

  • エンターブレイン (2009年11月26日発売)
4.14
  • (1572)
  • (1576)
  • (743)
  • (108)
  • (14)
本棚登録 : 10589
感想 : 1301
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (182ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047261273

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ローマの人のお風呂と日本のお風呂着眼点が面白い

  • 紀元前128年、古代ローマ。堅物すぎて独創性のかけらもない、まじめなだけが取り柄の浴槽専門技師ルシウスは、職を失い、妻とも離婚の危機に瀕し、ギリギリの選択を迫られていた。しかし失意のルシウスに訪れたのは絶好の機会、なんと温泉に対し世界的に見ても稀なレベルの異様な熟練度を誇る現代日本へタイムスリップ、ルシウスはここで、駅前留学ならぬ風呂中留学を果たし、現代日本から盗んだ技術で見事ローマに返り咲いてみせるのであった……!

    というのが大体の1巻のあらすじ。いやあ、笑った。
    堅物のルシウスが平たい顔族(=現代日本人)に取るリアクションもかなりおかしいのですが、クソ真面目な性格ゆえに、温泉の技術をまるっとまるごと持ち帰って忠実に再現してしまうところも、それが大ウケしてひとり後ろめたさに苦しみつつも「ローマの繁栄のために!」とやたら壮大な言い訳をしてしまうところも、なんというかちょっとしょっぱくておかしい(笑)ほんとに独創性ないよね!? それにそんな合理化必要なんだ!? という……
    そういえば温泉とかトイレとかに対する日本人の異様なまでのこだわりも、世界から見ると大概おかしいですよね、という視点を与えてくれるのもおかしい。でも日本人の風呂とかトイレって、こだわりの逸品ばかりに見えるでしょうけれど、すごく合理的な仕組みでできているとも思うのですよね。快楽追求に余念がないというより、合理化の極み、改良の極みなのだと思います(笑)

    ルシウスの反応自体はタイムスリップ系ギャグ漫画としては別段珍しくもないのかもしれませんが、テーマを温泉に絞っているのがよいですよね。なんだか当たり前すぎてなんとも思わず使いこなしていた便利アイテム便利カルチャーの数々に、いちいち驚きの視線を注いでしまう。たかだか水回りと侮れない。それに意外と、温泉は人の願望を前提にして作られているというテーマが貫かれているのもよい。傷病者に優しく、心を癒し、老人にだって必要不可欠。そういうやさしい視点で描かれているので、ルシウス自身も人柄がやさしい。

    あとは表紙が秀逸ですね。表紙ですでに全力で笑わしにかかっています。

    1話完結でサクッと読めてしまいますので、ギャグ漫画の読みたい方も、ちょっとお風呂に関する教養を得たい方も、ぜひ(笑)

  • 最終巻まで読破した上での感想だが、やはり初期の基本1話完結型の短編が一番良かったのではないかと思う。後半になり、漫画としての粗さ、設定の強引さなど、作者の力量不足と思われるものが目に付いた。
    もとは1~2巻で終わらせるものだったのが、予想以上の反響を産み、書籍が売れに売れ、映画化も大ヒットした。やはりそれだけあって、古代ローマ人が日本の銭湯にタイムスリップするという設定は興味を引いたしとても面白かった。
    それだけに、全体を通して見ると、微妙な評価になってしまうのが残念だが、全6巻と大ヒット作としては短く纏まったので、気軽に読む漫画としてはいいかもしれない。

  • ローマ人の力の源は浴場にあり!あふー!秘境の温泉に行きたくなる。
    平たい顔族の文明おそるべし!ローマのストリジル(垢すり)なるもの使ってみたいな。ルシウスもっと悩んでくれ。

  • 「テルマエ・ロマエ1」5

    著者 ヤマザキマリ
    出版 エンターブレイン

    p36より引用
    “どんな小さな規模の古代ローマ遺跡にも欠かすことなく現れる
    浴場跡地を見ていると、ローマ人にとっての公衆浴場は一昔前の
    日本人の銭湯に果てしなく近いものだったという確信が湧いてき
    ます。”

     古代ローマの浴場建築技師を主人公とした、浴場文化をテーマ
    に扱った一冊。
     ある日失業した主人公の浴場建設技師ルシウス、気分転換に友
    人と訪れた公衆浴場の底で見つけた穴に…。

     上記の引用は、幕間のエッセイでの一文。
    一昔前の日本でも、銭湯が一般的だったのはかなり都市に住む方
    の話なのではないでしょうか?最近はスーパー銭湯があちこちに出
    来ているので、私のような田舎住まいでも銭湯を楽しむことが出
    来ますが、作中で出てくる公衆浴場のようにしょっちゅう通える
    価格ではないように思います。まあそのへんも含めて、スーパー
    なのだろうとは思います。
     日本と古代ローマを結びつける共通点が、お風呂という、私に
    とって大変斬新だった一冊です。

    ーーーーー

  • 温泉おもしろい!

  • お風呂について、ここまで面白く描けるものなのかとただただ驚きながら家族そろって読んでいる。
    古代ローマといい、お風呂といい、私の好きなものばかり。

  • 着想が突飛で面白かった。
    ローマ帝国の歴史勉強にもなる。

  • 阿部さん主演で実写映画化された話題の本作。

    正直、映画化で話題にならなければ
    手に取ることもなかっただろうと思う表紙をしています。

    ですが、決して侮ることなかれ。
    このマンガは解説としてローマの文化的背景に触れつつ、
    短編的にストーリーが進行していくので読みやすい上に勉強にもなります。

    そして何より、テルマエは最初から最後まで全て面白いんです!
    決して露骨に笑いを取ろうとしている分けではなく、主人公の言動に自然な形で笑いが練りこまれていて、これが読んでいてついつい笑ってしまいます。

    読み終えるとなんとも言えない満足感があって、とてもオススメの作品です!

  • 風呂でここまで話が広がるとは……驚きです。ローマの人々を身近に感じるようになりました。本当に。
    1~5巻、以下続刊。

全1301件中 61 - 70件を表示

著者プロフィール

訳:ヤマザキマリ
1967年東京生まれ。北海道育ち。漫画家・文筆家・画家。17歳でイタリアに渡り、フィレンツェ国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を学ぶ。1997年、漫画家としてデビュー。比較文学研究者のイタリア人との結婚を機に、シリア、ポルトガル、アメリカなどで暮らし、現在はイタリアと日本を往復する。2010年、古代ローマを舞台にした漫画「テルマエ・ロマエ」で手塚治虫文化賞短編賞、マンガ大賞受賞。2017年、イタリア共和国星勲章コメンダトーレ章綬章。著書に「ステーブ・ジョブズ」「プリニウス」「オリンピア・キュクロス」、「望遠ニッポン見聞録」「国境のない生き方」「ヴィオラ母さん」「ムスコ物語」「歩きながら考える」など多数。

「2023年 『だれのせい?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヤマザキマリの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×