ママゴト 3 (ビームコミックス)

著者 :
  • エンターブレイン
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本棚登録 : 212
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047285743

感想・レビュー・書評

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  • 朝日新聞一面の書籍広告で見て以来、ずっと気になっていたのだけれど
    漫画はめったに入らない図書館がなぜか購入してくれたのを知って
    張り切って3巻いっきに予約!
    めずらしく、ちゃんと全巻一緒に届いたことに喜びつつ読み始めて。。。

    うわあ、どうしよう!ものすごく苦手な絵柄に、苦手な世界かも。

    タイトルから、可愛らしい絵柄のほのぼのした世界を想像していたので
    最後まで読み通せるか、不安のどん底へと急降下したのです。

    。。。が、頁をめくる手が止まらなくて、ぽろぽろ泣きながら一気読み。
    表紙に並んでいるふたり、男を手玉にとって生きてきたすれっからしの映子も、
    彼女の友人の子どもで5歳には見えない肥満児のタイジも
    読み進めるにつれ、どんどん可愛らしく、いとおしく思えてしまって。

    映子は若い頃、誰の子かもわからない、生れて間もない我が子を自らの不注意で亡くして以来
    心を閉ざしたまま、スナックのママとしてその日暮らしを続けている。
    夜逃げした友人から押し付けられたタイジが、
    黒豆にしか見えない小さな瞳にまっすぐな信頼をたたえ
    そのけなげな言動で映子の心をやわらかく開いて。。。
    お世辞にも美少年とは言えないタイジが、1巻読み終える頃には
    羽をつけた天使に思えてきて、抱きしめたくなること必至です。

    「起きたタイジと目が合って、うちに目があるんがわかったん。
    タイジの歌声聴いて耳が タイジに呼びかけて口があるんがわかったん。
    タイジと手をつないで うちに手があるんがわかったん。
    タイジがお花畑を描いてくれたけ そこで立って抱きしめて 自分がおるってわかったん」
    タイジへの愛情で、閉ざしていた五感を甦らせる映子のモノローグが素晴らしい。

    お母さんや子供になりきってするママゴトは、本当のお母さんが呼びにきたらおしまい。
    そう自分に言い聞かせながらタイジの幸せだけを願い、彼の手をはなすとき
    映子に訪れる優しい奇跡に、感謝したくなるのです。

  • (これは全3巻全て、というつもりで登録)
    もう、とにかく1巻が、衝撃的な涙腺崩壊モノ。
    チャップリンの「キッド」から連なる超・王道の物語なんだけど、
    若くない水商売女性主人公の広島弁が、素晴らしい。

    比較すると2巻3巻と厳密には緊密さと作品の熱は下がってはいるのだけど、とにかく1巻ではじめちゃったものを、もう強引でも何でもいいからちゃんとハッピーエンドにしてちょうだい、ということを確認するだけでも怒涛に満足だった。

    色々、難癖を付けることもいくらでもできるのだけど、もうとにかく、作品の中心線が怒涛のメロドラマ。なんだけど細かい事柄がマンガ的にすごく生活感があって、気が利いてる。痛い。素晴らしい。もうその中心線部分の温度だけで、とにかく極上。
     ある種脱帽。
     しかしやっぱり、マンガで言うと、名作「天然コケッコー」もそうだけど、方言は強い。

  • 名作。LINE漫画でレビューがすごく良かったので、最初は無料で読んでみた。
    もう、買わずにいられなかった。
    一言、一言が、すごく重みがあって
    文学作品のように途中でなんども止まりながら
    噛み締めて読んだ。
    松田洋子さんの大ファンになりました。
    これからも素敵な漫画を描いて下さい!

  • ピッコマで読み始めたと夫に伝えたら、ウチにあるよとのことで最後まで一気読み。

    誰の子かわからない妊娠、触れたら壊れそうな新生児、少しの気の緩みが起こした赤ちゃんの死、宗教じみた施設での隔離生活──。
    どれも世界の片隅で起きている胸が張り裂けそうな現実で、ドキドキしながらページをめくり、そのたびに愛がいっぱいのタイジに救われ読み進めることができた。

    どこまでも現実、なところがよかったので、最後のシーンはちょっと残念(心あたたまるけど)と思い、星4つ。

  • 今年、最後の締めに持って行きたかった作品で本当に2012年締めくくりの漫画。この表紙、ラストのタイジの告白でこの作品の椅子はこの2人の為に用意された恋物語だなと感じた。家族ではないからこそ2人はリョーモモイだし、タイジの「うちも「おうち」になれるんね」はママゴトを終わらすに相応しい台詞。恋人以上家族未満の2人の関係が無事に幕を下ろしたかな。いや、始まりかな。周りの面々も救いのある終わりで「知ること」についての大切さを感じた。まだ、見ぬ世界を知る、想いを知る、失って初めて知る想い…伝える事も大切だけど…その想いを知ることも大切ですね。みんな、不器用ながらも泥臭いながもちゃんと掬いとり、ちゃんと見つけられた完結に有難うです。松田洋子先生お疲れ様でした。

  • キャラクターがとても魅力的だった…好き。

  • 最後には、この子がかわいく見えてくるんだから、それだけでも十分、作品に引き込まれているってことやね。もちろん、わが子とダブらせて、みたいな相乗効果が大きい訳だけど。

  • 雑感。
    ・なにがどこがとかわからんくらい、とりあえず号泣…。色々とつらすぎる。
    ・それと釣り合いをとるかのように、強引でファンタジーなハッピーエンドで救われる…。
    ・映子とタイジの物語に関しては、映子のタイジを見つめる表情が全てで、泣けた。
    ・舞善一家もとちゅうなかなかキツかった…。
    ・ぺーちゃん一家の闇も深そうだしぺーちゃんも世間で苦労してるんだろうな…(本筋でないところでぺー父の言動が笑えた)。

  • 3巻を読むにあたって、1・2巻も読み返した。
    松田洋子さんの描いてる世界は、私にとっては、ただの漫画じゃなくて、文学なんだと思う。
    ずっと追い続けいたい作家さんのひとり。

  • 2014.6.8 泣いた~。子供は天使で宝物だと、本当に思う。おばちゃん、よかったね!!!

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著者プロフィール

大阪生まれ、広島県福山市育ち。初めて描いた作品『薫の秘話』が第27回ちばてつや賞大賞を受賞し、95年『モーニング』でデビューする。以降、『秘密の花園結社 リスペクター』『人生カチカチ山』『まほおつかいミミッチ』『相羽奈美の犬』などの作品を幅広い媒体で発表し、2003年刊行の『赤い文化住宅の初子』は、2007年にタナダユキ監督により実写映画化され大きな話題を呼んだ。なお『ママゴト』は、第15・16回文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品に選出されている。

「2019年 『父のなくしもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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