僕が七不思議になったわけ (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 485
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048663229

感想・レビュー・書評

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  • 発掘された本

     よくある学校の七不思議は、トイレの花子さん、十三階段、理科室の人体模型とか、音楽室のピアノあたりなんだろう、どれも体験してないけれども。七不思議リストの最後に載ってる、“3年B組 中崎くん(仮)”が笑える。理科室の骸骨が、物理的な理由で清城高校七不思議から外れてるという不思議。
     物語の中で感じる不自然さ、「ポッケさん」事件での中崎の言い直した台詞、アドレス交換を何方から持掛けたのか等は「冬の章」にて全て解消される。冬の章までの中崎視点(春・秋の章)と朝倉香穂視点(夏の章)の間には、4年程のズレがあった。確かに、中崎視点に於いて出てくる朝倉は香穂とは書かれていないし、香穂には姉がいた事も提示されていた(夏の章)、幽体離脱もテンコによって肯定されていた(秋の章)、納得できる構成。

     さて、ここで解決しておきたい疑問が2つ。最後の『いってらっしゃい』は誰の発言か、表紙は何方の朝倉なのかだ。
     先ず、『いってらっしゃい』が書かれている章の地の文は中崎視点によるものだが、通常と違って二重鉤括弧が用いられている。最初は中崎ともう1人による、同じ台詞かと考えたが、改めた。朝倉咲紀による、2人への台詞だと思う。彼女のいない世界を生きる意志を得た中崎夕也と、彼女より先の世界に飛び込む事になった香穂へ向けた言葉なのだろうと。
     次に、表紙は誰なのかについて。もちろん性別が異なる中崎や、赤い髪色のテンコでは無い。となると、朝倉姉妹の何方かになる訳だが、外見上の差について言及は無かった筈。私は、中崎のよく居た第二校舎の空き教室で、七不思議になった咲紀を描いたものだと主張したい。この余白は理由を書くには狭すぎる(フェルマー風)。

  • そういうことだったのか、と思わせる仕掛けを含め、しっかりした構成のきちんと完成した物語。終わり方も良いと思う。この作者のファンタジーでない作品を読んでみたい。

  • いいね。ラノベって久々に読んだけど、いい感じに大事なことも入ってる感じ。世界観に引き込まれてしまった。幽霊?のお話だった。

  • 電撃小説大賞の金賞という文言に興味を持ち、読みましたが、、、納得しました。切ないけど、気持ちがいい作品でした。

  • 夏の章でだいたいカラクリが分かっちゃったんだけど、別にそんなの関係なく、しっとり系のほろ苦ストーリーで面白かった。よしづきくみちさんのイラストがgood。しかし、進学校で堀田のような奴っているのか?

  • 第20回電撃小説大賞<金賞>受賞作品

    よくある学園怪異物。
    という印象で物語は進み、
    いや、結局はそうなんだけど
    「え!?そうくるのん!!?」
    って展開に驚かされるそんな作品(何

    導入からの流れとか設定がちょっとチャチというか、
    雑だなーと思いつつもそれなりに楽しみながら読め、
    後半の展開は驚きと共に切なさが滲み出ますね。

    なんか同じ様なこと2回言いましたが、
    ネタバレしないように書くとこんな感じじゃね?w
    青春物にアレルギーがなければとりあえず読んでみて良いと思います。

    ちょっと切ないですけどね。
    そんな感じ。

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著者プロフィール

静岡県出身。2013年電撃小説大賞金賞を受賞。受賞作は2014年『僕が七不思議になったわけ』(メディアワークス文庫)として刊行される。同作は心を打つドラマと魅力的なストーリーテリング、そして衝撃のミステリーとして評判を呼ぶ。2019年「サクラの降る街」で第10回京都アニメーション大賞KAエスマ文庫特別賞を受賞。他の著書に『君の色に耳をすまして』『やり残した、さよならの宿題』(ともにメディアワークス文庫)がある。

「2019年 『終わった恋、はじめました』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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