WORLD END ECONOMiCA (1) (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2014年12月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (808ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048691123
作品紹介・あらすじ
人類のフロンティア、月面都市を埋め尽くす摩天楼で、多くの人々が見果てぬ夢を追いかけている時代――。月生まれ、月育ちの家出少年ハルは、“前人未踏の地に立つこと”を夢見ていた。 そのために必要なのは、圧倒的な資金。少年ハルが足を踏み入れたのは、百年の昔から人類の欲望を呑み込み、時には叶え、時には無慈悲に打ち砕いてきた場所「株式市場」だった。 そんなハルが月面都市の片隅にある寂れた教会で出会ったのは、黒尽くめの美しき天才少女、ハガナ。その瞬間、夢を追う少年の未来は、大きく動き始める。 月生まれの少年ハルの見果てぬ夢を描く、金融冒険青春活劇。支倉凍砂シナリオの同人ヴィジュアルノベル完全版が、ついに電撃文庫で登場!!
感想・レビュー・書評
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株で大金を稼ぐ投資家SF+支倉さんらしいラブコメ。ストーリーのスタートが遅い、のが唯一の欠点。ヒロインが株に疎いので、複雑な株式投資の話を分かりやすく違和感なく説明できているので、株を知らなくても問題なし。ラブコメが邪魔になるくらいにストーリーが面白い。ストーリーの終わりまで考えてから書き込まれているので、ストーリーの展開に無駄が少なく、驚く展開が多い。株式投資と同時に人との繋がりが一つのテーマになっているので、ラブコメ要素も一気に面白くなると予想。月面という設定も今後活かす場面は多そうなので(市場の開拓という効果は持ってるが)、そこも期待。1巻が驚愕の展開で終わったので、2巻が気になってしょうがない。
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投資とは
投機とは
本当に考えて行動しているか?
本当に自分で決定したのか、させられてないか。
株をやってる人に
株をはじめようと考えてる読書家に
おすすめ -
若い投資家の葛藤や成長を描く。狼と香辛料を読んだときにも思ったが、作者の支倉さんは投資大好きだのようで、そちらに全力を振った作品。
私自身投資を齧った事があるが、こんなすげープログラム作れないよ、ということ以外は、如何にも投資家の伝記を読むと出てきそうなネタだらけなこともあり、とても楽しく読めた。
ゲームのノベライズということもあると思うが、非常に分厚い(790p)のはご愛嬌。 -
月面都市で生まれ育った家出少年の「ハル」こと川浦ヨシハルは、ネット・カフェで生活し、株取引で大きな利益をあげていました。彼が、ネット・カフェの店員のエマニエル・セローに紹介された教会を訪れ、シスターのリサと、数学の天才的な能力をもつハガナという少女と生活することになります。
ぶっきらぼうなハルと無口なハガナはたがいに折りあいが悪くて、リサが仲介を試みるも、二人のあいだには早くも険悪な雰囲気が立ち込めます。そんななか、ハルはリサが大きな借金を背負っており、その返済ができなければたいせつな本を売りわたさなければならないかもしれないという話を聞くことになります。そこで彼は、ハガナと協力してとある投資コンテストに参加し、優勝賞金を獲得することをめざします。
二人の協力が実現したことで、コンテストで順調に利益を伸ばし、彼は投資家のバートン・クラドヴィーゼンとの面会を果たします。その一方で、ハガナの才能によって利益をあげていることに焦りをおぼえはじめます。
著者のデビュー作である『狼と香辛料』とおなじく経済をテーマにしたライトノベル作品です。ただし『狼と香辛料』が中世ファンタジーの舞台設定のもとでの物語であるのに対して、本作は近未来が舞台となっています。心理的な駆け引きは、『狼と香辛料』にくらべるとかなりシンプルな印象ですが、ライトノベルのラブコメ作品としてはじゅうぶんにたのしめました。 -
月で生まれた少年が謎のある美少女と株式投資で巨額の資産を手に入れようと奮闘する物語。しっかりした舞台設定で自然に物語に入り込み、株式投資も学べる。実際に140億円もの資産を株式投資で築いた個人投資家の片山晃さんがアニメ化も支援している。
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「狼と香辛料」が終わり、また支倉凍砂の作品を読みたいと思って手にとった本。
別な世界観をもった物語をどのように紡がれるのかが気になったので読んでみることにした。「狼と香辛料」のような美しい表現や言葉のやり取りが行われるのかと。
読んでみた感想としては、「狼と香辛料」のロレンスとホロのような面白くも美しい言葉のやり取りはほとんどなかった。登場人物たちにそういった状況がないためでもある。
それでも『迷う人を導く英雄のような、力強い一言だった。』というような、支倉凍砂らしい表現は見受けられた。
また、それとは別に物語の内容はとても興味深かった、トレーダーの主人公と数学が得意なヒロイン。主人公は株価の予測を過去のデータから数学で予測出来るのはないか?と考え、それをヒロインに頼んで構築してみると、それは高確率で株価を予測を導き出し始めた。
ちょうど仕事で機械学習に関わっているため、とても興味深く読めた。
機械学習が得意なのは「分類」と「回帰」だ。株価の予測は過去のデータから未来へ続く連続性を見つけて提示する「回帰」である。
機械学習、AIは人にとって変わるのか、という疑問・不安もこの主人公も懐き始める。バートンという登場人物の台詞『コインが裏か表か、それを判断するのは人間だけの特権だ。その特権を機械に分け渡した時、そいつは人間じゃなくなっちまう』も印象的だ。
この780ページにもなる第一巻だが、ホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」でしかない。この先大きな「ジャンプ」をしないといけないのだが、そのための「ステップ」がどのような物語になるのか、気になってしまった。
支倉凍砂の別作品の味見のつもりだっけど、第2巻も読むだろう。
ちなみに、セロー役に声を当てるとしたら藤原啓治さんかな、と読みながらずっと思ってた(笑) -
青春月面金融らしいけど、SFが希薄すぎた。
長すぎやし、もう読まんとくわ。 -
甘いよ。小僧じゃないか。最初から最後まで小僧を抜け出せなかった。子供でしかなかった。
表と裏、全てを考えなきゃできないこと。雰囲気と直感、それは警戒心。
大きなものの前で、それを失ってしまうのは子供だ。誰かに頼り切っている子供だ。
最後までそれを抜け出せなかった。
支倉凍砂さんらしいと思う。
狼と香辛料とは世界が違うけど、でも同じだ。
取引の部分だけじゃない、全体に漂うまだるっこしい雰囲気。本心を打ち明けない登場人物。何もかも。
作風、ですね。 -
取っつきずらい金融という題材で読み始めたときは少し躊躇したが、支倉ブランドを信じて読み進め、途中からは面白くなって一気に読んだ。
あまり、難しすぎない所が良いのかも。
これ以上難しいと、読むのが辛くなりそう。
簡単すぎず、難しすぎずちょうど良い感じです。