なれる!SE (5) ステップ・バイ・ステップ?カスタマーエンジニア (電撃文庫)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 63
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048708098

感想・レビュー・書評

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  • 今回のテーマはカスタマーエンジニア。
    現場に行って実際のお客様の前で機器の設置などを行う職種。
    来週からカスタマーエンジニアとして研修を受けるので、ちょうど良かった。

  • このシリーズもいつの間にか第5弾。工兵くんがブラック会社(?)スルガシステムに就職してから半年が過ぎた。最初はネットワークの知識どころかコンピュータの知識もシロウトさん並だった彼が、この半年でプロジェクト・マネージャーまでやりとげたのは第4弾でのこと。さて今回は…?

    冒頭で工兵の上司である藤崎さんがお酒を飲んでくだを巻くシーンが。SEとして長生きするコツとは何かについて語る。答えは「仕事を探さない」ことだと。「?」と思ったけれど、読んでいくと思い当たるんだなぁ、これが(苦笑)。
    例えば、一つの業務の区切りが付いたとする。もう家に帰っても構わないワケだ。けれど、やるべきことが終わったということで少し気持ちに余裕が出てきて、「あ、これこういう風にしたほうがいいんじゃない?」とか「あぁ、ここもう少し突っこんでおこうかな」とかいろいろ手を出しちゃう。そうこうしているうちに、だ。休む間もなく次の締め切りがやって来る。あるよなぁ、余計なことを考えずに家に帰って休めばいいのにって第三者的に目線に立てば思うんだけど。

    さて、前作でプロジェクト・マネージャーとなったのは述べたとおり。その仕事がやっと終わった工兵くん。木曜日の午前中で終わって、午後からは帰宅OKと立華ちゃんの了解も得ていた。そして金曜日からは夢の3連休♪
    でもねぇ、そんな上手くいくはずが無いのがこのシリーズ。
    さっさと帰ればよかったのよ。だけど、メール確認したのが運のつき。顧客からのメールを見つけて、たいして時間もかからないだろうとその対応に取りかかってしまった。気付いたら定時。大丈夫だ、今日は久々に家で夕食とるんだと言い聞かせつつ、手を早めても気付いたら22時。これはヤバイ!と急いで帰ろうとしたその時。顧客先から帰社した立華が現れた。それも超不機嫌な状態で。はい、「The End」(笑)。夢の三連休は露と消え、3日間の西日本地獄ツアーの招待状が工兵の手に。

    ま、無茶なスケジュールの案件を拾ってきたのは相変わらずスルガシステムの六本木社長なんだけど。立華は東日本を周り、工兵は西日本を周る。作業自体はそれほど複雑ではなく、各現場でネットワーク機器設置し、稼働を確認するというもの。けれど、その設置場所が日本各地に散らばっていて、それを3日間でこなすという。初めての出張らしい出張だけれど、ゆっくり地方の味を楽しむこともできないってことだ。

    普通なら現場に届いている各種設定済みの機器を設置して、電源を入れて、稼働確認するのみだからサクサクっと終わるように感じる。が。そんな上手くいくもんじゃないのさ。こんな無茶なスケジュールを組んじゃうような会社から請け負った仕事。トラブルが無いわけがない。出てくる、出てくる、次から次へと。それはそれは面白いようにハプニングだらけ。現場で顧客に睨まれながらの対応にうんざりする工兵くん。

    プロジェクト・マネージャーという上流作業を終えたばかりの工兵にとって、現場での機器設置を自分がするというのは不満もあったようだ。「なんで俺がやらなきゃいけないんだ」と。けれど、その気持ちが誤りだと立華と梢に諭される。現場作業の大切さ、仕事に上下関係なんてことは無いということを、工兵は教えられる。

    今回は工兵くんの家族が登場。ハプニング続きの結果として、立華ちゃんを静岡の実家に泊めることになってしまったのだ。父、母、妹。みんな普通じゃない雰囲気が漂ってるなぁ。もしかしたら、このシリーズでまともな感覚を持っているのは工兵くんだけ? あぁ、それも怪しい(笑)。
    そこで、妹の誉ちゃんが立華ちゃんとプライベートな会話を交わしたらしい。立華ちゃんの隠れた部分がまた少し見えてくる。彼女がなぜこれほどまでに常識から外れた女性になったのか…。でも、もう少し知りたいなぁ。次はもっと明らかになるかな。

    現場作業の喜びを知った工兵くん。またまた成長したね。
    次はどんな炎上シーンが見られるのかなぁ(笑)。

  • いつも通りの展開、トラブルが日常になりすぎてインパクトが弱まりつつある印象。そろそろ伏線を回収に入るべきかと思います。

  • C0193 素直な展開が良かったです。1巻以来かも。ただ、文才の無さは変わらず。編集がフォローするべきです。あいかわらず、「かぶりを振った」が好きというか、多いですよね。双眸というのも、本シリーズにはそぐわないかと。かもめが要請した大阪バナナは、梢へまわせば問題ないですよね。冒頭で立華の方向音痴ネタをやっておきながら、掛川から駆けつけるのは不自然というか、キャラの整合性が無いです。オリヴィエのナカスガワさんから、工兵の名前と会社を確認されたのも、次巻への伏線ですよね。これをネタとして読めると幸せだったと思います。

  • ついに妹登場。

  • これが社会人一年生の社畜の姿か……

  • 夏海公司のなれる!SE 5を読みました。ステップ・バイ・ステップ?カスタマーエンジニアという副題のついた、なれる!SEシリーズの5冊目です。期限もリソースも考えずにダボハゼのように仕事を取ってきて、担当者に無茶振りする社長のいる最悪なIT会社に就職した桜坂工兵のSE残酷物語の5冊目でした。今回はダボハゼ社長が、ネットワーク機器の全国設置の仕事を取ってきました。ところが、予想通り、工兵と立華が全国行脚するというのに段取りが全くできておらず、設定資料は最新化されていないわ、接続ケーブルは間違っているわ、入館のアポは取られていないわ、スケジュールは過密だわ、と大変な状況になるのでした。最後にパスワードを教えてもらえないという絶望的な状態になるのですが、ラノベなので、綱渡り的なパスワードクラックで設定ができてめでたしめでたしに、なるのでした。(なってなかったかも)今回、ぴきっと来たのは、一所懸命仕事をしている工兵にカモメさんがかけた言葉、「りっぱに社畜化してるなあ」でした。ちょっと、耳に鈍痛を感じてしまいました。藤崎さんの「SEは無理して仕事を探してはダメだ。休めるときに休むようにしないと」というのも納得したんですが。トラブルが起きれば土日だろうが夜間帯だろうが仕事をしなければならなくなるのはこの業界の宿命だから。今回は梢さんのホラーなところが現れてきて、先が楽しみになってきました。ところで、梢さんが怖い独り言を言ったのを工兵が聞いてしまうのですが、これは梢さんがつい独り言を言ってしまったのか、それとも工兵にテレパシーの超能力があるのか、どちらなんでしょうね。

  • なれるSE!シリーズの第五弾。

    今回は日本中への機器設置の出張が舞台。
    いつものような展開でいつものようなどんでん返しがあって、いつものような結末。

    慣れたパターンだけど、安心して楽しめる。

  • 出張編
    出張した先で部材が揃ってない……くらいはありそうだったけど、この災難の数々はすっごいなあ(笑)
    仕事とは何か、お客さんは誰か、どこを向いて仕事をするか。
    今回も学習する桜坂。がんばる。

  • まずは本をくださった先輩SEにお礼を。
    ありがとうございます。

    今回のテーマはCE。
    前回のテーマはPMと上流寄りだったのが、今回は一気に現場寄りに。親近感。

    自身の業務ではCEと名乗らないものの、似たような作業をしていることに気付く。いろいろ幅広くやらせてもらってるんだなー、と。
    シビれたのは「PMに慣れてんじゃねーぞ!現場感覚取り戻しとけ」という室見の桜坂へ注意。うんうん、回線現調や設置作業超大事。超大事だよ。「設置作業」ってだけで適当に工数振るようになったらおしまいだ。肝に銘じないと。
    また、回線現調やや設置作業に関わる調整作業が多いとき、これってエンジニアの仕事??と疑問を抱いていた頃を思い出しました。今思えば厚顔無恥なんだけど、やっぱりそういう認識って誰しも持つんだなあ。コンソール取るほうが偉いとか思ったらおしまいだ。肝に銘じないと。

    内容としては梢とのやりとりをもっと掘り下げてもらいたかった。Ciscoの認証スキップを教えるだけの役割ってのは実にもったいない。次巻では活躍して欲しいところ。


    本作、コミック化も決まったようで。
    人気あるんですね。IT業界とラノベの購読層がかぶっているんだろうか。今巻にあったIP競合のネタとか、一般の読者が理解するのそんなに簡単じゃないと思う。実はみんな読んでるのかねえ。

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著者プロフィール

2007年『葉桜が来た夏』で第14回電撃小説大賞<選考委員奨励賞>を受賞。代表作に電撃文庫『なれる!SE』『ガーリーエアフォース』などがある。

「2021年 『僕らのセカイはフィクションで』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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