神は沈黙せず

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (507ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048734790

感想・レビュー・書評

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  • ビジョンには共感できる。
    原子と電子の模型図と太陽系の模型図から、これに近いビジョンを抱いた人は多いだろう。僕もその一人です。
    全体的にはよく考えられているし、考証も深い。ビジョンはとても好き。

    ただ、小説として読むにあたっては、あまりにもダラダラと長すぎる。
    引用があまりにも多すぎ、不必要な事例紹介が多すぎる。くどい。
    また、オリジナルの超常現象があまりにもくだらなすぎる。この世界観の崩壊を描くにしても、だ。それに、登場人物の会話が、どうしても作者の自問自答にしか感じられない。一部の賢明な自分たち以外の大衆は馬鹿の集まりであると言わんばかりの主張と展開のオンパレードに嫌気がさす。ラストの主人公の決意は、こういってはなんだが当たり前すぎて「え、今さら?」としか思えなかった。

  •  フィクションだけど、本書で語られている多くの時事がノンフィクションで構成されているため、読んでいると心地のよい眩暈を覚えるのが特徴である。
    神についての考察は古今東西存在するが、そういったものを超えて、正しく生きることについて考えさせられる問題作。そもそも正しいとは何かという根本的な疑問に行き着くことになる。しかし、それを自問することこそ意味あることなのだろうと信じたい。

  •  神さまはいない。いたとしても決して誰かの個人的な願いなどかなえてはくれないだろう。その上でもし神さまが本当にいたとしたら? 神さまはいったい何を考えているのだろう。山田正紀『神狩り』を超える反逆劇!


    (宮崎大学 学部生)

  • 非常に複雑で、科学、化学、宗教、社会学、言語学、哲学が混ざり合い、独特の風合いをかもし出している。長いが、考えるのが好きな人には良いのではないか。

  • 昔っからUFOとかUMAとか超古代文明とか、いわゆるトンデモ系ネタが好きでした。
    著者はトンデモ本で有名な山本弘。 SF作家です。
    神は存在するのか?
    この世の超常現象の正体は?
    この辺のテーマに興味そそられる人ならば面白く読めるはず。どちらかというと理系人間向きかも。
    著者の知識量はそれこそトンデモないものなので、超常現象好きにはたまらないと思います。
    ストーリーはSFですが紹介される超常現象の事例は現実に報告されているもの。
    リアルとイマジネーションの混ざり具合が、SF小説の中では自分好みでした。

  • この人の作品は妙に波長が合う.説得力のあるSFの作法にのっとった世界観と展開を見せてくれる.今回の「神は存在するのか?」という最も古典的で有史以来何度も語られたなテーマ. 根拠を積み上げて仮説と検証を繰り返す、いわゆる理系実験レポートに近いので、おそらく工学系の人間にはたまらない読み物だ. 最終章だけは惜しい.急に説得力が薄らぐ.思えばマトリックスもそうだった.不思議は不思議で解かないほうがミステリアスなのかもしれない.

  • すごい話だった。
    おもしろかった。
    この本に書かれてることがそのまま宗教として成立しそう。

    私たちがどこから来てどこへ行くのか、
    始まりはなんだったのか、世の中はわからないことだらけ。
    理不尽なこともたくさんあるし、間違っているとわかっているのに
    間違った方向へ取り返しようがないくらいどんどんと進んでしまう。
    誰も望んでいなのに、戦争は起こり、
    善人が死に、悪人がのさばることがある。
    これはなんなんだ!?と思うときに、
    この世界は巨大なシミュレーション
    私たちは所詮サールの悪魔
    …なんてことを思ってしまいそう。

  • 困った時に神頼みをしたり、神様に願掛けをしたりするけど、神様は願いを聞き届けてくれるのか。そもそも神様は何者か?というとても難しい問題を幼い頃に土砂崩れの災害で両親を亡くした兄妹が解明していく。UFOやスプーン曲げなどの超常現象は神からのメッセージだとしたら、その意味は?兄妹がたどり着いた結論は?コンピュータ上で遺伝的アルゴリズムを使った進化シュミレーションや記号着地問題(人間は花を見て花と認識できるが、コンピュータではできない)などは興味深い話だけど、兄妹が結論にたどり着くまでのさまざまな想定は結構怖いものがある。

  • SFあんまし読まないけど、これはハマった

  • 最高!もう自分のいる世界が信じられなくなるくらいのリアリティ。
    新潟でカエルが降ったりするとこの話を思い出してしまう。
    もう一度読みたい。

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著者プロフィール

元神戸大学教授

「2023年 『民事訴訟法〔第4版〕』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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