あなたの獣

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
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本棚登録 : 211
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048739016

作品紹介・あらすじ

恋を拒んで、愛を乞うた-。櫻田哲生の生涯から切り出された、10の物語。

感想・レビュー・書評

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  • 「あなたの獣」。タイトルが素敵ではないか。

    助詞「の」は、並列の「の」と捉えて、「あなたという獣」(つまり、あなた=獣)と解釈できる。または「あなたの中の獣」くらいの。

    表題と、表紙の色が好きだなあ。(中身いっさい関係ないw)

  • ひとりの男をめぐる連作短編集。かさついているようでどこか粘ついた、こちらが不安になるような文体に、思わず引き込まれる。

  • ふわふわした男の、三人の女との関わり(恋愛とはいえない)を通して語られる半生。確かなことは何も語られていないように感じる。
    読み返すことがあるのか微妙。

  • いつも感じる、ドロッとしてるけどサッパリ感。
    井上さんの本を読むとちょっと大人になれた気がするw
    今回のは背景の時期が前後左右してちょっと難しかった。。

  • 台風はあっさり通過気味。

    ってな事で井上荒野の『あなたの獣』

    こちらで読んでる方がアップしてたのを、タイトルが気になって予約したらすぐに借りれた♪

    櫻田哲生を主人公に





















    の10の短編小説。それぞれの時系列はほぼバラバラじゃけど櫻田と関係する昌、奈央子、璃子と璃子のグチャグチャな話。

    哲生は凄いね。
    周りの女達も凄いけどw

    時系列順に読み直してみたいけど返却せんと。
    また借りたら時系列順に読もうw

    2015年39冊目

  • 櫻田という男の人生における女性遍歴の連作短編集。
    櫻田が小学生の頃から、死んで骨になるまでが時系列ばらばらに書かれていて、どれも不穏なかんじがする。

    妻の奈央子、劇団で知り合い捨てた昌、ストーカーのように執着した璃子。
    その他にも小学生の時の音楽の先生、息子に会いに行くのに道案内させた若い女など。

    特に、知り合いと思い込んでいるように装って知らない女に声をかけ、相手の女もそれに合わせていた「声」がドキッとした。

    タイトルに惹かれて読んだものの、「獣」はどこにも感じなかった。

  • 一人の男としての様々な女性遍歴を時系列を入れ替えながら語った短編集。

    妻も子供もいるのにどうして男の人って浮気するんだろう。
    過去に付き合っていた女の人と、いつでも関係を復活できるってよく盲目的に信じられるな、とは私は日ごろ思っています。

    男性と女性の脳の違いかなー。
    男の人って身勝手だなと感じました。

  • 構成がすばらしい!面白かったー!

  • 井上さんの本、もういいや~と思いつつ、また読んでしまった。

  • 「あなたは、いつも、どこにもいなかった」

    自分を自分でもわからなかった櫻田の女たちとの一生。

    小学生のときの音楽の先生。
    劇団で知り合った昌。
    妻の奈央子と息子。
    ずっと思っていた璃子。
    自称女優の女。

    空っぽな男は何を考えているかわからなくて魅力的よりも不気味。

    はじめ短篇かと思ったら違っていて櫻田の一生だった)^o^(

  • 短編集かと思ったら櫻田さんの一生が描かれていた。じめっとした話が多くてどうも好きじゃない。

  • 櫻田の生涯に関わる10の物語。あまり共感できないし、曖昧な部分も多いのだけれど、だからこそ気づいたことがある。こんな男は確かに存在するのだ。自分が櫻田ではないことを願って止まない。

  • すげぇな。この、なんとも言えないもやもや感。なにものなんだ、櫻田さん。

  • 短編集だと思い読み始めたら、半分あたりで1人の男性について書かれていることに気がつきました。うっすらとリンクをはったテクニックはすごいと思いましたが、一体何を伝えたいのかが判らず、全てが曖昧のうちに終わってしまったのが残念でした。
    さらに、主人公の男性の魅力が全く理解出来ず、彼を取り巻く女性達が右往左往している様が不思議でした。

  • 切羽へはわりと好きだったんだけどな…。

    こちらの作品はなんかぐだぐだでした。
    カバーのはだいろみたいな色が綺麗でタイトルも好きなんだけど…。
    一人の男の愛に生き、死んでいく一生の物語。
    川上弘美さんのニシノユキヒコの話しみたいなかんじ。ニシノユキヒコはおもしろいけどこれは微妙。残念でした。

  • 櫻田と、櫻田を取り巻く女たちをめぐる短編集。短いので、次々読めちゃうんだけど、なんだか、さっぱり、よくわからない感じ。

  • 2011.09.03

  • 短編集。
    イマイチで途中挫折。

  • 短編か? と思いながら読み始めたら、話がつながっているよう。
    でも、難解なのかよくわからず。
    好きな人をずっと見ていたいという気持はわからないでもないが、度を過ぎるとちょっとね〜。

  • なんかこの…読んでも読んでも、というか読むほどに人物像が指の間からこぼれる砂のようにつかみどころがなくなっていく浮遊感、というのは前にも読んだことがあるなあと思いながら読んでたんですが。
    思い出した、このひとの「潤一」だ。
    そして潤一のときよりさらにとっちらかった感があるというか、すでに女性たちの方もちっとも掴めなくなってしまったな…。哲生の自閉した世界に、するりと寄り添い入ってしまった「声」なんかもう、どうすればいいのだろう。
    「潤一」の時は流され感がどうとか書いてた気がするんですけど、櫻田哲生は流されているようで、でも流れの中で独り目を瞑ってその場に茫と立ち尽くしているようで、ただもう一貫としない据わりの悪さしかない。
    読み終わった後に何も残さない、その徹底した不確かさだけが強烈なひとりの人間の人生の物語。

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著者プロフィール

井上荒野
一九六一年東京生まれ。成蹊大学文学部卒。八九年「わたしのヌレエフ」で第一回フェミナ賞受賞。二〇〇四年『潤一』で第一一回島清恋愛文学賞、〇八年『切羽へ』で第一三九回直木賞、一一年『そこへ行くな』で第六回中央公論文芸賞、一六年『赤へ』で第二九回柴田錬三郎賞を受賞。その他の著書に『もう切るわ』『誰よりも美しい妻』『キャベツ炒めに捧ぐ』『結婚』『それを愛とまちがえるから』『悪い恋人』『ママがやった』『あちらにいる鬼』『よその島』など多数。

「2023年 『よその島』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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