道徳という名の少年

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.24
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本棚登録 : 1093
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740586

感想・レビュー・書評

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  • 短いけれど、濃厚な雰囲気の漂う完成された話。「1、2、3、悠久!」は前に読んでたけどこんな背徳的な話になるとは。

  •  初めて桜庭一樹さんの小説を読みました。
     短くて読みやすかったです。小説の雰囲気は薄ら暗くて陰気です。
     そしてどこかおどろおどろしい。

  • 「孤独な人間というものは、得てして、道徳を軽視するものだ」という一文は至言。ドロドロしたものは本来苦手だが、桜庭一樹の作品には背後に文学の匂いがして、孤独も背徳も不快ではなく読み終えられる。本自体も装丁が素敵。残酷な外国の童話のような内容にとても合っている。頁数が123pというのも、計算しつくされているなあ。1,2,3ではじまって123で終わる。感嘆。

  • 桜庭さんだね。大好き。
    不道徳絵本。背徳童話。
    この人にしか書けないこの赤黒い狂気がたまらない。
    最後までぶれない。素晴らしい。
    こんなに美しく狂える人を他に知らない。

    こういう一族もの、というか、
    ひとつの世界を書きたいって何かで読んだなぁ、
    これの大長編みたいなのを書いてほしいな。
    百年の孤独今年こそ読もう。

    しかしあたしは何で一晩で3冊も本を読んだんだw
    もう夜が明けてきた

  • 桜庭さんの本は、装丁が本当にきれい。
    というのを含めて、100%桜庭さんという「大人のための背徳絵本」であった。
    きらいじゃないよ、むしろ好き。

  • 町一番の美女が父親不明の子供を次々と産み落とし
    すくすくと美しく育つ子供と相反して枯れてゆく「1、2、3、悠久!」
    雑貨屋の娘は向かいに住むうつくしい男の子よりも
    その父親の腕に惹かれる「ジャングリン・パパの愛撫の手」
    ロック歌手で両性具有のジャングリーナは
    自らの見る近未来の夢を歌にする「プラスチックの恋人」
    元スーパースターの息子のジャンは戦地に赴き
    死よりもラヴ・レターのことを気にかける「ぼくの代わりに歌ってくれ」
    元スターと自分が親戚であると告げられたミミは
    クリステルと共にその屋敷を訪れる「地球で最後の日」
    装画・挿画:野田仁美 ブックデザイン:鈴木成一デザイン室

    まず装丁が豪華すぎる!
    紙もいいし本文は額に収められたようなデザインで
    挿画もふんだんに使われています。
    そのためこの分量の割りにはいいお値段ですが
    まさに愛蔵版というか、電子書籍の間逆をいくとこうなるのだろうなあ。

    ストーリーはというと、若い頃はうつくしいけれども
    年を重ねるごとに肥大化していく家系の人々の連作短編集です。
    不道徳なのに全く背徳感のない彼らは
    なんだか呪われているようです。
    「地球で最後の日」の若さは『製鉄天使』の彼らの気持ちを思い出す。

  • 雑誌か何かに書かれてあったと思うんですが百年の孤独が桜庭さんに強い影響を与えたというのがよく分かる本

    ぐるぐるとまわり繰り返さるるような

  • ヴィジュアルストーリー集というものらしい。
    実は全体を通して1つにつながっているという短編集でした。

    まさに大人のための童話という感じ。
    退廃的で耽美で刹那的・・・うーんツボです。
    装丁もゴージャスで、イラストも世界観にマッチしており
    まさにひとつの芸術作品でした。

    個人的にロックスターのジャングリーナさんと最後の
    少女たちの話がすきでした。

  • 良い物語は、読んだあと、
    ふ、と自分がどこにいるのか、と周りを見回してしまう、
    そういう力があると思う。

  • 童話のような、雰囲気がすごく好き。
    一族の末。

著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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