道徳という名の少年

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.24
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本棚登録 : 1092
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  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048740586

感想・レビュー・書評

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  • まるで文中に出てくる「溶けたバター」のような作品。
    美貌を誇る一族(一定の年齢になるとぶくぶくと肥える体質らしい)とその周りの人々の物語。
    非道徳であるけど美しいと感じる物語

  • やっぱり桜庭さんのこの手の文章は好きだなぁ。退廃的で耽美なブラック童話という感じ。何世代にも渡る物語を紡いだ1冊。

  • なんとも贅沢な装丁。連作短編集。大人のための童話といった感じ。

  • うわああああん桜庭さんすきいいい!!ずーっと読みたかった短編をぎゅぎゅっとまとめたくださった一冊。これ全部つながってたんですね。知らなかった。
    やっぱり最初の「1、2、3、悠久!」が好きです。しょっぱなからガツンと頭を殴られたような衝撃。こういうおとぎ話ともつかぬ幻想的できれいな、でもどこか気味が悪い話を書かせたら桜庭さんはピカイチだと思うのですー。
    最後の話は桜庭さんのムックで読んでいたのですが、この本で読み直すとまたちょっと違う味わいになりました。ああ、やっぱり好きだなぁ。

  • GOSICKで有名な桜庭一樹さん。
    はじめて読んだのが、この本でした。

    哀しく、美しい家族の話でした。

  • 残酷で滑稽で、でもどこか、人間への愛しさを感じさせる。

  • 全てが、絵本のような話だった。
    大人のおとぎ話を読んでいるようで、スラスラと読めた。

    ☆1.2.3.悠久!
    次々と父親不明のまま美しい子どもを産んでいく。女4人は、顔はそっくりなのに、心がみんな違う。

    ☆ジャングリン・パパ
    息子を愛しながら、本当は息子の後ろにパパのことを会いし続けていた。最後の、息子が「愛してる」と妻に囁くと、妻からはパパに向けての「愛してる」が返ってきた。

    ☆プラスチックの恋人
    音楽を奏でる事で、人を殺す事をやめれた。
    殺したい衝動をも消してくれる音楽は凄いと思った。

    ☆僕の代わりに歌ってくれ
    ポケットの中にしまっていた、宛先の無いラブレター、誰にも気づかれないまま、死んでしまった。
    誰か僕の代わりに、このラブレターを歌ってくれ。

  • 読了。タイトルとは真逆に背徳的なお話でした。でも綺麗で寓話っぽくて素敵。 にしても、何故薔薇のかんばせを持つ娘の子孫が溶けたバターのような目を持っていたのか…とか考えてみたり。

  • 耽美な匂いのする短編集。桜庭一樹ってもっとラノベっぽいのかと思ったが、端正な文章を書く。
    2話目が想像力を喚起するエロスで良かった。

  • 悠久、ジャングリン、ジャングリーナ、ジャン、、、、ミミ。
    美しい薔薇のかんばせと、バターのような黄色の瞳を持つ、道徳という名の少年のはなし。
    艶のある挿絵と凝った装丁、この綺麗な本に、不道徳が描かれるというのがいい。官能的表現部分を読めば、桜庭一樹さんが男性だと勘違いはしないだろうな。実に女性らしい気がする。

著者プロフィール

1971年島根県生まれ。99年、ファミ通エンタテインメント大賞小説部門佳作を受賞しデビュー。2007年『赤朽葉家の伝説』で日本推理作家協会賞、08年『私の男』で直木賞を受賞。著書『少女を埋める』他多数

「2023年 『彼女が言わなかったすべてのこと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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