お台場アイランドベイビー

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.20
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本棚登録 : 370
感想 : 71
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048741125

感想・レビュー・書評

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  • ミステリ大賞受賞作、ということで期待して読んだ。
    お台場付近を震源とする地震で、お台場は崩壊、閉鎖された。
    東京のそこかしこに危険地帯が出来、スラム化している。
    そんな中、元刑事で今はヤクザの手伝いをしている巽丑寅(たつみうしとら)は動物の気持ちがわかるという少年・丈太と出会う。
    丈太に亡き息子を重ねて見ている巽は、別の組のヤクザに追われている丈太を助けたことにより巨大な陰謀に立ち向かうことになる。

    細かいところまで凝っていて面白かった。
    地震の被害を調べている学者先生がいい味を出していた。
    ダーウェイかっこよかった。

  • 重厚なミステリーだ。ラストはイデオロギーの話にまで発展。

    編集担当者が、「涙が止まらなかった」そうだが。私は泣きはしなかったが、まあ、解る気はする。

  • 星10個くらいの良作。

  • 今の日本の根っこにはびこる様々な黒い問題が散りばめられている。面白かった。
    重い内容だけど、巽の関西弁と軽快な動きが緩衝剤となってくれる。ラストはちょっと衝撃だけど、これもまたハッピーエンドなのかな。
    丈太に入れ込んでいく巽の動機が弱いようにも感じたが、そういう衝動は理屈で他人が納得できるものではないのかなとも思う。
    みどりの同性愛者という設定は必要だったのかな。何の伏線にもなってないような気がしたので、その点だけは残念。

  • 横溝正史ミステリ大賞、大賞受賞作。
    早く読みたい。

  • 第30回横溝正史ミステリ大賞受賞。過去に東京直下地震が起こった前提の東京。液状化が進み、半壊したビルが並び。地下鉄はどこも使用禁止。これ、311の前に書かれてて。よく調べてるなとかは思うけど。
    それに不法滞在外国人を絡めてる。子供は国籍なかったりする。そんな子供たちを集めて、お台場に子供たちの王国を作ったのがカルロス・オオスギ。筋少みたい。 丈太に憑依してたり。都知事が巨悪だったり。なんか、がっかりした。 え、こんなオチなのみたいな。
    文章はしっかりしてるし、前述のとおり調べ混んでいるのはわかるけど。
    これがミステリなの?なんで横溝正史なの?

  • 3月-3。3.0点。
    東京都に大震災があり、お台場は封鎖。
    都内に、無国籍子供たちがどこからか頻発に現れる。
    元刑事と無国籍子供の一人が、偶然知り合い事件に巻き込まれていく。
    絶大な権力を持つ、都知事とお台場との関係。。。
    途中、読みにくい部分もあったが、新人にしては良い出来だと思う。
    元刑事は、非常に良い味を出していた。

  • 読み応えがあってよかった。
    普通あれくらいの厚さの本でもスラスラ読んでしまうのだけれど、これはいつものスピードよりもずっとゆっくりだった感覚です。
    小さな男の子とおっさんの組み合わせってすごい好きだなぁと発見。
    なんとなく丑寅さんはTiger&Bunnyの虎徹さんなイメージ。
    幸せなラストだったらもっとよかったのに。
    ネムリさんも好きだー

  • 昨年の横溝正史ミステリー大賞受賞作であるお台場アイランドベイビー。文句なく面白かった。昨年の9月に発刊されたものだが、背景になっている震災と液状化による埋立地の状況などが、東日本大震災を予言しているようで興味深い。
    さて、本書だが、これは映画化されてもおかしくないな と思いながら読んでた。観客動員重視なら巽の役どころは佐藤浩一で、みどりが、天海祐希なんでしょう。まあ、原作に忠実なら、巽は赤井秀和あたりで、みどりは真矢みきってとこか。キャリア管理官に松雪泰子でしょう。
    蛇足だけど、こういう大賞受賞作の巻末には、審査員のコメントが載るのが常だが、ろくに才能のない作家の「上から目線の評価」に、虫唾が走るのはボクだけでしょうか? 

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著者プロフィール

1972年、大阪府生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻し、博士課程修了。2010年、『お台場アイランドベイビー』で第30回横溝正史ミステリ大賞を受賞し、デビュー。19年、『月まで三キロ』で第38回新田次郎文学賞を受賞。20年刊の『八月の銀の雪』が第164回直木三十五賞候補、第34回山本周五郎賞候補となり、2021年本屋大賞で6位に入賞する。近著に『オオルリ流星群』がある。

「2023年 『東大に名探偵はいない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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