- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048865661
感想・レビュー・書評
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ゲーデの悪魔の契約により突然1804年にタイムスリップしてゲーデとして生きることになった健全な男子高校生が,ベートーヴェン(14歳♀!)と出会うという奇抜な設定.突然若返ったゲーデに対して「ゲーデ先生ならあり」と周りが納得している時点で,その他の無理矢理な設定も些細なものになってしまっているというアイディア勝ちのような感じもした.
主人公が飛ばされたのは,ちょうどフランス革命から始まる自由主義思想が欧州中に伝播し,またクラシック音楽が大成した時代.それら背景と物語の進行を密接に絡ませているのが面白い.偉人たちをバッタバッタとラノベキャラに落としこんでいるのはもはやギャグ.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
これは……ダメでした。
高校生が200年前のオーストリアに飛ばされて、文豪ゲーテとして生きることになった。そこで出会った芸術史に残る巨匠たちや王侯貴族たちとの交流話(魔術もあるよ!)
ということで、題材と雰囲気は悪くない。クラシックを扱った話も、きちんと人物の伝記とか作品の背景とかを調べこんだうえで書かれているんだと思う。
ただ、突っ込み体質の主人公の一人称形式、天才だけど傲慢でぼくっ娘で生活能力ゼロのヒロイン、その他周りに集まる優秀な変人たち……
完全に神様のメモ帳の構図そのまんまでした。いや、神メモは好きだし、決して劣化コピーというわけではないんだけど。だったら神メモ読めばよくね?
あと悪魔だとか魔術云々に関しては面白くなかったです。
舞台が科学技術の未発達な時代背景。それにクラシック音楽自体が神だとか悪魔だとかと親和性の高いギミックだと思う。んで、つまり作中の出来事が何かの比喩なのか本当に魔術的な何かなのかの境目があいまいに感じました。
っていうか杉井光にバトル展開は向いてないんじゃないかな…… -
ヒロインがアリスにしか見えない罠
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日本の男子高校生が、悪魔メフィストフェレスによって、19世紀初頭にタイムスリップ。しかも、なぜかゲーテとし転生してしまいます。
歴史は若干改変されていて、もっと後に登場するはずの発明品が既に流通していたり、ベートーヴェンが美少女だったり、ハイドンが世紀末覇者みたいだったり。
歴史上の人物と交流しているうちに、政治も絡んだ事件に巻き込まれていきます。
ラノベならではのキャラ萌え要素や会話もありつつ、当時の文化史をガッツリ取り入れていて、クラシック音楽好きを裏切らない面白さでした。
ナポレオン、シラー、ベートーヴェンとくれば…そう、あの曲とあの曲ですよね!
でもって、ゲーテとメフィストフェレス、ベートーヴェンとくれば、手塚治虫の未完の漫画2作を思い出す人も多いのでは?
トンデモ設定ですが、根底にあるテーマは熱いです。
最後の種明かし部分には、「なるほど、そういうことか!!」と、唸らされました。
ゲーテの『ファウスト』や、音楽史をなんとなく知っているとより楽しめますが、予備知識がなくても十分面白いと思います。 -
お話は文句ナシに面白かったし、クラシックなんて真面目に聴く機会なんてなかったので、そういうモチベーションを与えてくれる作品に出会えるのはとても嬉しい。実際、読みながらyoutube検索してたしw
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クラシック好きなので、全編興奮しっぱなしでした。
舞台は二百年ほど前の楽都、ウィーン。
主人公は、あの文豪「ゲーテ」と大作曲家「ベートーベン」
他にもモーツァルト、パガニーニ、ハイドン、サリエリなどの音楽家たちがたくさん出てきます。
実在した彼らとはまったく別のキャラクターですし、文明もやや発達した別世界ですが、音楽にかける情熱、執着には共感するものもありました。