完・ヒーローズ(株)!!! (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 239
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049129625

作品紹介・あらすじ

ヒーロー制作のお手伝いをする会社で働く、ごく普通の青年・修司。進路に悩む高校生の従弟の相談や頑固な和菓子職人の息子からの依頼に、悪戦苦闘しつつ解決に導く毎日を送っている。充実した日々の中で、仲間や依頼人たちの勇気や夢、出会いと別れ、さまざまな人生に関わり、見つめてきた。
 本当にわくわくすること、好きなこととは一体何なのか。自分に問いかけた修司が、決意を胸に訪れた場所は?
 思わず胸が熱くなる、人生応援ストーリー完結編!!

感想・レビュー・書評

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  • 和菓子屋さんの話がすごくよかった。
    ひとそれぞれ良いと思うことは違うのだけど、その違いを諍いにして争い続けるのは苦痛。
    平和な方向へ流れていく本作は心がほっこりしました。

  • ついに「完」…
    あー 終わらないでほしい…
    まだまだ みんなに会いたいです。
    修司のその後…ミヤビのその後…道野辺さん…千紘…
    主人公級のそれぞれのスピンオフでまた書いてほしいです。
    これ「熱望」です!!!

  • 正直、これで終わって欲しくないなぁという気持ちでいっぱいです。
    みんなをヒーローにしてくれる彼らの活躍がもっと見たかった

  • 「オレは、人と比べてどうかってことは、考えたことなかったッスね。だってそんなの、比べる人が変われば意味なんてないっしょ。例えばオレが二番だったとして、一番と比べれば『それより下』になる。三番と比べれば『それより上』になる。で、結局オレの位置は変わるんスか?下になって落ち込んで、上になって喜んで、オレの位置は変わんねーッスよね。だったら、昨日と比べて今日のができるようになってたいッスよ。昨日の自分より上手くなって喜んだり、昨日の自分より下手になって反省したり、そのほうがよっぽど意味があるような気がするんスよ」

    「才能って、結局ね、それを好きかどうかだと思うんスよ。オレは美容師の仕事が好きだったから、くそほど練習したッス。でもそれを辛いなんてこれっぽっちも思わなかった。だって、好きなことやってると楽しいっしょ?だからきっと、オレには才能があったんスよ」

    「でも助け合いって、何も金だけじゃないと思うんスよね。さっきも言ったけど、自分で朝飯作ってみたり。そしたら母ちゃんは自分の起きるタイミングギリギリまで寝ていられるし、家に帰ってたたまに飯の用意がしてあったら、どんなに嬉しいだろうって。それがたとえ何の変哲もないただのカレーだったとしても」

    「母ちゃんは今現在、ちっひーがバイトするよりもずっと稼げる。なら母ちゃんに頑張って稼いでもらって、そのかわりにちっひーは将来稼げるように今から計画を練ったほうがいいッス。マラソンで食っていける可能性だってあるんなら、マラソンも頑張る。学費抑えたいなら国立も狙う。めちゃくちゃ大変かもしれないけど、ちっひーが今頑張れば、将来の自分に対する財産になるッス。マラソンも勉強もやめて、焦って就職を決めるより、大卒のほうが選択肢も広がるし、実際初任給からして違う可能性が高いッス。毎日コツコツ経験値積み上げて、自分おしたいこと、将来のこと、真剣に考えていけばいいッスよ。現在食っていくに困ってないなら、オレみてーにバイトで稼ぎまくることに多くの時間をさくより、勉強とマラソンを頑張ったほうが、ちっひーにとっては絶対にいい!」
    「いいッスか?今の千円より、将来の百万ッスよ!学や特技なんていくらあっても荷物にはならないッスからね」

    「大丈夫だよ。僕、ちゃんと幸せになるから」
    母さんは答えなかった。代わりに、涙が滲んだ目元を人さし指で拭った。
    「当たり前じゃない。お父さんもお母さんも、そのために働いてきたのよ」

  • ヒーローズ(株)は続々を飛ばして、いきなり完を読んでしまったようですが、読んでいるうちに登場人物たちの構図を思い出してきました。
    ブラック企業から、ヒーローズ(株)に入社した修司。元カリスマ美容師のみやび、紳士として、教養あふれる道野辺さん。
    今回は完結と言うことで、修司が本当にやりたいことに向って自分探しの世界に飛び込む。
    本当にやりたいことを見つけると言うのは、恵まれた環境にあるからこそ考えられることなのではと思います。確か、前職を逃げるように辞めた修司でしたが、尊敬する信頼できる仲間に出会えたからこそ、思い切った決断ができたのだと思います。
    やっと完結、もう完結と思いはありますが、大円団に終わって良かったです。

  • きれいなシリーズ結末。
    やさしい人達のかわいらしいやりとりが愛しい。
    人生は続いていくし、先にもいろいろあるだろうけど、まずはまた歩き出す。
    「じいちゃん」が最高にカッコいい。

  • 読み終わってしまった。ヒーローズ、とても好きだった

  • やっぱり大好きだー、このシリーズ!終わって寂しい!
    しかしながら修司さん、別の作品とかでもゲスト的に出てきそうだな感じで終わったなぁ。
    和菓子屋のお話よかったなぁ。結局最後は息子が継げる形にはならなかったけど、親父さんが出来る限り続けられる状態までになったし。
    千紘くんとの絡みの部分では泣かないように我慢しながら電車の中で読み切ったわ。。
    千紘くんも別の作品で出てきそうなくらい、聡明で魅力的な息子くんでしたね。
    ヒーローズに出てくる人物は社員側も依頼人も対象者も各々印象深くて素敵です。
    実際にこんなコンセプトの会社が成り立つかと聞かれれば「??」なんだけど、むしろ成り立つような社会になって欲しいですね。
    自分のためじゃなく、誰かのためにヒーローになることを望む人たちがたくさんいる社会ならいいのに。
    完結したのは残念ですが、歳を取るほどにふと読み直したくなる大好きなシリーズです。

  • ま、こんなもんかな。
    初めの方がワクワクして読めたと思います。

  • 田中修司さんの今後の旅も物語としてみてみたい。
    色んな登場人物一人一人がとても人間らしくて愛しい作品。
    「完」は少し寂しい。

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著者プロフィール

大阪府吹田市出身。『ちょっと今から仕事やめてくる』で第21回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”を受賞しデビュー。本作は70万部突破のベストセラーとなり、映画化。爽やかでけれんみのない文章で、読む者を元気にする。主な著書に「ヒーローズ(株)!!!」シリーズ、『ちょっと今から人生かえてくる』『星の降る家のローレン 僕を見つける旅にでる』がある。

「2021年 『文庫 真夜中のメンター 死を忘れるなかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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