やがて君になる 佐伯沙弥香について(3) (電撃文庫)

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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049131291

作品紹介・あらすじ

『だってわたし、今、あなたのことが好きだもの』
 それは何年ぶりの『出会い』だっただろうか。大学二年生となった沙弥香を慕う、一つ年下の後輩・枝元陽。
 今まで沙弥香が好きになってきた人の誰からも遠いその雰囲気。眩しいくらい積極的に好意を伝えてくる陽に初めは警戒しながらも、やがて彼女からの気持ちに応えるように、沙弥香は恋の形を模索する。
――誰かに恋をする度、星に手を伸ばすようだった。とても綺麗で、ただ届かない。それでも。その星に触れてみたいと、今度こそ。
 沙弥香の恋の物語、完結編。

感想・レビュー・書評

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  • 沙弥香の今までの恋愛観の発露としてたくさん悩んだ回でした。個人的には沙弥香が陽を好きになるまでの過程が沙弥香らしくしっかりと描かれていたのがよかったですが、付き合った後は本編との帳尻合わせもあってか書きたいシーンがあって話の流れが二の次になっている印象を受けたのが残念でした。

  • 本編では決して見ることが出来なかった沙弥香の心からの笑顔がとても素敵で、想いが実らなかった過去を経てやっと手に入れた『幸せ』がいかなるものか。まさに、佐伯沙弥香に<ハル>が来た、ですね。”入間節”で紡がれる沙弥香の心情描写が本当に秀逸で、少しずつハルに惹かれていく沙弥香の気持ちが心にしみ込んできました。ハル、沙弥香を幸せにしてくれて、ありがとう。読み終わって涙が出た。とても良い作品でした。

  • 積み消化キャンペーン、入間人間編もこれで最後。語り手一人称は、自分勝手で信用できないたぐいのものだと思っているが、それが押し通る物語も心地よいので好きです。

  • 沙耶香が幸せそうで良かった。
    本編でも、結果は分かっていても彼女を応援してた。
    この作品では、高校生の時より若返った感じ。妙にはしゃいで見えたからかな。

  • 購入して読み。

    沙弥香が幸せになってよかったよ…。
    なんとなく小学生男子のようなイメージのハル。
    プールのシーンはこちらもドキドキときめいてしまう。

  • 漫画版のすごく先まで、佐伯沙耶香大学2年生の時代が描かれた後日譚。/向けられた気持ちに対して、軽くうけながしたり、なかったことにしたり、いい加減にあつかったりせず、じっくりとあらゆる角度から自分の気持ちと向き合い、友人にも相談し、取り入れ、考えて、結論を出す、真面目で誠実な態度だなあ、とまぶしく読みました。/「何をやっても、変わっていってもいいって侑が言ってくれたんだ」(燈子)(p.218)

  • 評価☆4.5


    『やがて君になる』の外伝ノベライズ第3弾、そして沙弥香の恋の物語・完結編。
    3巻は本編後、大学生となった沙弥香の姿が描かれる。

    大学で偶然出会った少女・枝元陽。
    快活な少女と共に時間を過ごし、ある日想いを打ち明けられる。

    『だってわたし、今、あなたのことが好きだもの』

    彼女の想いは本物で、沙弥香自身も悪い気はしていない。
    だがどうしても中学時代の苦い恋の記憶が蘇り、躊躇いが生じてしまう。

    "一度失敗すると、変に賢くなって臆病になる"

    そんな沙弥香だが、陽の真っ直ぐな想いに向き合い、自分の気持ちに素直になることが出来た。

    にしても陽の猛烈アタックに心を動かされる姿が可愛くてたまらないw陽が攻めたくなるのも分かる。

    沙弥香の過去から未来まで描かれた本シリーズですが、原作者が書いてるわけじゃないのに全く違和感を感じなかったのは凄いと思う。
    地の文の使い方や言い回しが好きだったから、入間一間さんの他の作品も読んでみたい。


    "あまり、私を駄目にするようなことを言わないでほしい"

  • 入間人間氏の「やがて君になる 佐伯沙弥香について」の第3巻。仲谷鳰氏の「やがて君になる」のスピンオフ小説です。 最終巻は沙弥香の大学生になってからが描かれ、原作よりも未来のお話になりました。これがスピンオフの醍醐味。最初はどうなるかと思いましたが、ちゃんと「やが君」です。それにしても沙弥香を落とす陽ちゃん凄い。ちょっと侑に似ているのかなとも思いましたが、今までにないキャラで面白かったです。七海との関係も一段落してちょっと寂しさもありますが、沙弥香も幸せになれて良かった。アニメ化、または舞台化を待ってます。

  • やがて君になる、外伝ノベライズ、第3巻。
    大学生になった佐伯沙弥香が描かれていました。

    やが君の続刊としても、百合物語としてもとてもいい小説になっています。
    甘い関係にもだえ、ふとした繊細な描写に目を奪われます。
    好きという想いへのそれぞれのアプローチ。丁寧に一つ一つを重ねていく物語が最高でした。

  • やがて君になる 本編の後日談。佐伯沙弥香の大学2年生時代を描く。物語は春、枝元陽との出会いから始まる。今まで好きになった誰とも違う種類の陽に戸惑いつつも惹かれていく沙弥香。

    枝元さんと恋に落ちていく過程も良いが、個人的には佐伯先輩が高校時代の失恋と決別するシーン(「髪を切る」や「じゃんけん」)が極めてよかった。佐伯先輩と七海先輩の喫茶店のシーンが切なくて味わい深い。二人きりで会う機会も減っていくんだろうと佐伯先輩が思うシーンとか心をギュって締め付けてきてしんどかった。枝元さんと幸せに生きてくれ。侑が二人きりの時は七海先輩のことを燈子と呼び捨てにすることを、枝元さんから聞かされるシーンが一番のお気に入りだった。

    恋愛は性格が反対くらいの方がうまくいくことが多そうだなと改めて思った。佐伯先輩には枝元さんみたいな自由奔放、己の心の行くままに行動するタイプがお似合いだと読んでて思った。陽ちゃんサンキュー。

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著者プロフィール

電撃文庫『嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん』『電波女と青春男』シリーズなどを執筆

「2023年 『安達としまむら(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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