神様の御用人10 (メディアワークス文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.31
  • (135)
  • (99)
  • (38)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 1057
感想 : 82
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784049135985

作品紹介・あらすじ

 日本各地で地震が頻発するなか、突如姿を消した黄金。『大建て替え』の危機を前に、荒脛巾神と田村麻呂の悲しい過去や、黄金の深い後悔を知った良彦は、傷だらけの体で再び立ち上がる――神にもできないことがある。そして人間だからこそできることがあると『神様の御用人』の自分は誰よりも知っているから。
 神と人。それぞれが抱く、切なる願いの辿り着く先とは。そして良彦が最後に下す、未来への決断とは――。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • あんまり泣ける本だと思ってなかったけど、ぼろなきしてもた・・・(。´Д⊂)

  • 前作で次回黄金編完結、と書かれてたとおり。帯にも黄金編堂々完結と書かれています。ただ、装丁の概要には最終回とか完結とかは書かれていない。どうやら、本編は本作で終了で、外伝などが刊行予定らしい。
    面白かった。完結、スッキリした。
    そして、私が望んでいた良彦の身のふりラストでもあって、読了感非常に良かった。
    荒脛巾神(黒竜)と金龍である黄金が融合していくの阻止し、『大建て替え』も阻止するべく、良彦や他の神々が大奮闘する。前半は田村麻呂と阿弖流為と母礼のさして特別な味付けもない話だったので、まだるっこしくは感じたが、ここら辺の件を書かないと、わからない人には後の話がすっとこわからんので、必要だというのは理解できる。欲を言えば、もう少しユニークな感じにしてほしかったかとは思う。とはいえ全体としての配分も悪くない。

    黄金編になってからもふもふ度が下がっていて、そのままのもふもふ成分少なめで終わったのが個人的に残念な部分ではあった。もっとモフが欲しい、
    とても好きなシリーズだったので、完結してほんと寂しいねぇ。

  • 感想
    大建替えを防ぐために荒巾木神を救う手立てを探していた良彦は、塩釜に行ったり、寝込んだり、手掛かりを探したりとバイト行ってるのか気になったけど、バイトもしっかりしていた模様。器用だな。

    結局、社員断って神職か。大学から行く必要あり?

    そして、結局穂乃香ちゃんとのロマンスもなしか〜。こっちはかなり焦らすな。

    あらすじ
    物語は田村麻呂が帝に東征を命ぜられ、多賀城から北へ攻めようとするところから始まる。田村麻呂は戦の無意味さを感じ、蝦夷のアテルイと和議を結ぼうとするが、朝廷の意志は硬く、和議は失敗に終わる。田村麻呂が征夷大将軍になった頃、アテルイも限界を感じて和議を受け入れるが、朝廷により処刑されてしまう。

    良彦はなんとか回復し、黄金の葛藤の原因を白狐から聞き出し、もう一度、黄金と黒龍の分離を図ろうと画策する。神々でも荒巾木神をどうするか散々揉めて決まらず、良彦達はアテルイと田村麻呂が交換した刀を見つけ出し、それがヒントになって、黄金と黒龍を救うことになる。

  •  神様の御用人シリーズも、ついに終了になりました。最後のこの事件に関わった人々、神様達、みんなが救われる終わり方でした。現実的にはありえない、おさまりすぎな感じは否めませんが、物語なので、これはこれで良いと思います。
     思えば、このシリーズの1巻を手にとったのは、表紙のイラストが、かわいかったことと、京都が舞台だったことでした。私は、京都に5年半ほど住んでいた時期があり、久しぶりに、京都の雰囲気に浸りたいなぁ、と思ったからです。
     読み進めていくうちに、あまりにも日本の神様について知らなさすぎる自分に愕然とし、しかし興味も持ち、主人公の良彦の、神様に寄り添いながら、決して妥協せず、御用を遂行する姿に、感動しました。
     このシリーズに出会って良かった。大満足です。つい最近、番外編が出たので、とてもうれしいです。また、読みます。
     

  •  神様の御用人,ついに黄金編最終巻。
     また,前巻の『神様の御用人9』の続きでもあります。

     萩原良彦(はぎわらよしひこ),26歳。清掃会社でアルバイトをするフリーター。
     いなくなった方位神の黄金(こがね)を探しに奔走する。

     黄金は,『国之常立神(くにのとこたちのかみ)』の眷属である金の鱗をもつ龍であった。
     国之常立神から地上に遣わされた黒龍と金龍。もともとは一柱の黒と金の鱗を持つ龍だったが,二柱に分けられ,黒龍は東を,金龍は西を見守ることになる。

     黒龍,別名『荒脛巾神(あらはばきのかみ)』は阿弖良(あてら)の母が落石によって亡くなった後,その母の姿を借りて成人するまで育てた。後に成人して阿弖流為(あてるい)となり,蝦夷(えみし)を治めるようになる。

     その阿弖流為は,敵となるはずの坂上田村麻呂と友情を深め,朝廷側と和睦を結ぶことを目指した。
     朝廷側の坂上田村麻呂も同様に和睦を結ぶため奔走していたが,その願いも虚しく,阿弖流為とその家来である母礼(もれ)は坂上田村麻呂の前で処刑されてしまう……。

       ☆

     この巻も,ここまで出てきた神々が次々と出てきます。
     荒脛巾神に取り込まれてしまった黄金は?

     神々の数も多いし(笑),登場人物(登場神)が込み入っていて,1回目の後,わりとすぐに2回目読みましたけれど,あっ,そういうことだったのねとなりました。

     壮大な神々のドラマです。(表現力皆無)
     全巻を通じて多くの神々が,人の子である良彦たちと温かい関係を結んでいるのが魅力的です。
     いつもおせっかい焼きの大国主命。それから百済王聡哲(くだらのこにきし そう哲)。
     人と神々の,ある意味親子のような結びつき。なんかたまらないです。

     読み終わった後に,ああ,あのときあんなことを~,とか,9巻のこのセリフが伏線だったと気づくこともたくさんありました。
     『神様の御用人』から『神様の御用人10』まで続いた黄金編はこれで最後となります。モフモフの黄金,また物語のどこかで読めたらいいな。

     相変わらずくろのくろさんの表紙,素敵です。
     あとがきを読んでえっ?となったのですが,実は9巻と並べると一枚の絵となっています。美麗。

  • 黄金編、完結。とても楽しいシリーズでした。
    読み終わるのがもったいなくて、でも黄金がどうなるのか結末が気になりすぎて…。早く読みたいような、そうじゃないような…。

    アテルイと坂上田村麻呂の話。史実はどうだったのだろう、と。
    アテルイと田村麻呂、荒脛巾神と黄金、せつない話だった。

    シリーズ通して、人間味あふれる神様と人間の物語。とても良かったです。
    黄金編完結ってことは、別の編がスタートするの??期待していいのでしょうか?

    このシリーズを読んで、日本書紀や古事記も読んでみたいと思った。読みやすい本ってあるのかな?神社めぐりもしたいなー。

  • 黄金編完結。いやもう終盤はずっと胸がきゅうきゅうして震えてしまった。
    繋がってるんだな、どこかで、なにかが。そしてそのつながりを、誰かと語り合えるというのは本当にすごいことだな。素敵なことだな。そして、これからも続いていくんだな。
    想いの儚さと強さと優しさに、いつも胸を締めつけられる物語だった。
    このシリーズを読めてよかった。
    黄金編ということで!いつかまた会える日を楽しみにしています!

  • 2013年のシリーズ開始から早く10年近く、わたしはもふもふと良彦と付き合ってきたんだなぁ。そりゃアラフォーにもなるわ。ショックだわ(小声

    黄金は相変わらず抹茶ぱふぇがおすき、と_φ(・_・

    神様にだっていろんな事情もあるし泣いたり笑ったり困ったり祈ったり願ったりするのねと、いい意味で親近感の湧く素晴らしいシリーズでした。

    一旦の区切りということで、おめでとうございます、とお伝えしたいです。


    このシリーズに出会って以来、氏神さまにはいつもありがとうとお伝えするようしています。

    なにかを希ったりはしません。
    ただ平和な日々を過ごせていることに、ありがとうを伝えるのみ。

    ところで黄金さま、今後は白さんとハッピーターンのとりあいでは!?

  • 日本の破滅を良彦が救った!
    最後の刊だからか壮大すぎて、いつもの身の回りの神様の御用を聞いていた方が面白かった。
    でも、また今後も続きがあれば読みたいな。

  • 2021年3月メディアワークス文庫刊。書下ろし。シリーズ10作目。最終巻にふさわしい充実した展開で、御用人ここに極まれりという心憎い、お仕舞いであります。

全82件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

浅葉なつの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×