日本歴史を点検する (講談社文庫 し 1-11)

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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061340350

感想・レビュー・書評

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  • 明治34年生まれの海音寺潮五郎と大正12年生まれの司馬遼太郎という歴史小説の大家二人の対談集。ほぼ親子ほど年の離れた二人だが、お互いの知識見識に対する敬意と親近感に溢れ、例えていうと気の置けない友人同士がタイムマシンという列車に乗って時空を超えた旅をしながら、車窓を流れ行く景色について夢中になって語り合う、と言った感じかな。この対談は昭和44年今から半世紀も前に行われたものであり、高度成長真っ只中の日本が毛沢東の中国と軍事政権下の韓国に経済力では圧倒していた時代なので、今日とはだいぶ時代環境は異なるが、お二人ともに古代から連綿と続く中国や朝鮮半島ととの関わりに対し深い敬意と温かい眼差しを持たれている、と言う印象を受けた。
    国と国の関係を考えるには、お互いに出来るだけ長い物差しを持つ必要があるのかもしれない、そんなことを思った。

  •  明治維新で日本人はきのうまでの権威を平気で捨て去ることができた。一方、中国は文化大革命で多大な犠牲を払うことになる。明治初年の廃仏毀釈では新政府のおふれで坊主がいっぺんに神主になってしまうし、太平洋戦争を起した日本が敗戦後、今日から民主主義だとわっと民意が動く。これは民族的欠陥ではないかと考えてみると恐ろしい。なぜなら、個人がもしそうなら誰も彼を信用してくれはしないだろう(P120~参照)

  • 点検した

  • 海音氏は司馬氏の10も上なのか。海音氏のいうことのほうがちょっと硬派である。

著者プロフィール

(かいおんじ・ちょうごろう)1901~1977。鹿児島県生まれ。國學院大學卒業後に中学校教諭となるが、1929年に「サンデー毎日」の懸賞小説に応募した「うたかた草紙」が入選、1932年にも「風雲」が入選したことで専業作家となる。1936年「天正女合戦」と「武道伝来記」で直木賞を受賞。戦後は『海と風と虹と』、『天と地と』といった歴史小説と並行して、丹念な史料調査で歴史の真実に迫る史伝の復権にも力を入れ、連作集『武将列伝』、『列藩騒動録』などを発表している。晩年は郷土の英雄の生涯をまとめる大長編史伝『西郷隆盛』に取り組むが、その死で未完となった。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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