天使の傷痕 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (276ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061360419

感想・レビュー・書評

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  • 五十年近く前に書かれているだけあって、かなり古めかしい社会派推理小説という印象。初期の作品だからか、他の作品で多用されている読点は少ないが、文字が小さく行間がかなり狭い為、結構読みづらい。
    物語は新聞記者の田島の目線で描かれており、内容もかなり暗い物となっている為、十津川警部が颯爽と活躍する物語を読みたい方にとっては不向き。

  •  1965年第11回江戸川乱歩賞受賞作。
     何かのひらめきで事件が一気に進むというのではなく、一つ一つ地味に潰していく推理小説の本格派という感じがする。事件自体は複雑なものではないが、その背景にある社会問題は現代でも起こりうるものではないかと思う。作品自体は約60年ほど前の作品なので古い印象を拭えないが、現代にも通じる部分は十分にあり楽しめる作品に思う。

  • 気を取り直して読んだ西村京太郎、乱歩賞受賞作と聞いて若干期待したのが間違い。それにしても暗い

  • 作者の初期のシリアスな長編。当時の社会現象をネタに、社会の矛盾を解決するのではなく、弱いものへ順送りにして、溜め込んで隠蔽してしまう(今も変わらない)日本の風土の歪を、主人公の新聞記者の口を借りて告発する。そうした社会派の作品なのに、ミステリとしてきちんとエンターテイメントしているのが、この作者らしい。

  • ストーリーテーラー。コンパクトで腹五分目。もう少し装飾してもいいと思う。

  • オススメ本。雑木林をハイキング中の男女が殺人事件と遭遇する。胸から血を流した瀕死の男は『テン』という言葉を残して絶命する。事件に遭遇した新聞記者・田島はその言葉の意味を調べようとするが...。展開が早いので、サラッとしたミステリかと思いきや、胃に鉛を詰められた様な重みの結末にただ驚くばかり。初期の西村作品が社会派小説で、読み応えがあると勧められた理由がよく解った作品。今でもきっと何処かで似た様な問題が起こっているんだろう。読了後にプロローグを読み直し、只々考えさせられ、胸が苦しくなった。

  • 第11回(1965年) 江戸川乱歩賞受賞

  • 古い、深い、やるせない感じ。考えさせられるが、殺害方法、晶子と時枝の心境をもう少し示して欲しい。

  • お勧め。アルドリン服用による奇形児の問題

  • 昔むかし。。高校か大学の時に読んで、とても印象に
    残った本。
    江戸川乱歩賞の過去受賞作品ということで、
    丸の内の丸善で平積みされてあったので懐かしくて
    購入して再度読んでみました。
    物語の背景的な部分は、昭和の古い時代のイメージ
    ですが、弱者や障害を持つ人をとりまく本質
    的な部分は今でも同じではないかと思います。
    でも、この物語の時代設定のときよりも、確かに
    世間は進歩していて、その時よりは、弱者を
    受けいれ、ともに考えようという風潮にはなっているのではないかと思います。

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著者プロフィール

一九三〇(昭和五)年、東京生れ。鉄道ミステリ、トラベルミステリの立役者で、二〇二二年に亡くなるまで六〇〇冊以上の書籍が刊行されている。オール讀物推理小説新人賞、江戸川乱歩賞、日本推理作家協会賞など、数多くの賞を受賞。

「2022年 『十津川警部と七枚の切符』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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