武器としての交渉思考 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385153

感想・レビュー・書評

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  • 交渉技術についてというよりは、ディベートのすすめみたいな教育本だった。かな。

  • 交渉に対する考え方がまとまっていてわかりやすい。
    自分の宿題というくだりがしっくりくる。

  • 資本主義社会で生きる上ではお金が十分にあるかないかによって「自由の範囲」がかなり変わる。今も昔も、お金がないと、まずは生きるために目先のことしか考えられなくなる。

    資金ができたからと社会人になってから英語の勉強をするのはもの凄く不利な条件でゲームに参加するようなもの。

    無償で集まった人には責任が発生しないのであくまで「お手伝い」に留まってしまう。組織にするには必ず働いてくれた分に対する報酬を支払わなければならない。

    「金儲け」はつまり自分達のやっていることが人々に支持されているかどうかの大きな指標。

    当面必要なお金を持つことができればそのお金を使って他の人の活動を支援することができる。

    交渉には意思決定権を持った相手が存在する。
    相手と自分の意見を合意させることが必要不可欠なので相手がどういう考え方をするか知らないと交渉が成り立たない。

    相手がどんな思考パターンを持っているか知らなければ暗闇に向かって矢を射るようなものでどこが的か分かりません。

    合理的に物事を判断する人
    全く合理的ではない人
    の二種類いたとする。

    相手が欲しかっているものは何なのか?相手が妥協してもいいと思っているものは何なのか?それらを正確に見極めて分析する事が大切。つまり「どれだけ相手の主張を聞けるか?」が勝負。

    ★どんなに気まずくなっても、沈黙に耐えろ!と言うのはなかなか厳しい努力が必要なのですが、情報の引き出しを戦っているときには忍耐が大切です。気まずくなっても沈黙を守ると向こうが気まずくなって「わかりましたじゃあ上司と相談してきます」と折れてくることが少なくありません。相手側が譲歩しようとしているときには辛抱強く聞き入ってその情報によって相手側の利害がどう変化するか分析する。そして自分が情報得ることで「どんな利益を得られるか」についても考える。

    これ、実際にやってる。効果絶大。

    何かを得ようとするなら、ものすごく地道で相手の感情に配慮した努力をする必要がある。ラポールを築く。ラポールと信頼関係のこと。心理学で端をかけると言う意味。工場の趣味嗜好などを把握しておいて、それを満たしてあげることで「この人は自分のことを重要だと思ってくれている」と印象づけることができます。反応速度も重要。どんなに忙しくてもすぐ反応する。逐一、対応する。頻繁に連絡する。相手が自分にとって重要な交渉相手だとか思うならば、出来る限り反応速度を早めて連絡を頻繁に取ることが大切である。なぜなら「どれだけ自分が大切にされているか」を相手が確かめているから。

    ★もし本気で世の中を変える力を身に付けたいと思うならばまず言葉の力を磨くこと。アメリカの大統領も同じ事。

  • それほど目新しいことを言っているわけではないが、交渉術の基礎を学ぶには良い本。定期的に読み返して身につけたい。

    ・全員が自由になると、他社の自由と衝突し、かえって不自由になる。みんなが自由に生きるためには、必要最低限のルールを合意に基づいて決めて、各自が守っていく。そうすることで自由を最大化することができる。
    ・人は具体的にメリットを感じられる提案にはお金を払ってくれる。
    ・アンカリング 最初の提示条件で交渉相手の認識をコントロールする。①高い目標 ②現実的 ③説明が可能

  • 上司からの推薦図書。交渉学の王道が整理されていて、サラリとした文章で読みやすい。一度(別の大学院で)交渉の授業を取った身としてはnothing newだったが、良書だとは思う。内容は個人(あるいはCxO)同士の交渉を前提にされているケースが多く、裁量権が大きくない組織代表同士の交渉の舞台に立たされている身としては、(昔習った交渉の授業内容も含めて)どの程度実践的な理論なのか分からなかった。国際交渉百戦錬磨の上司が推薦してくるのだから、やっぱり基本が大事ということなのかな。今度聞いてみよう。
    後日追記:やっぱり基本が大事だということだった。

  • 大学生あたりの年代を対象に書かれているが、大人でも読んでおいて損はない。特に漠然とそう感じていたのであれば、明確に文章にしてもらって背中を押してくれる。

    交渉、ディベートが力も金もない人の武器になることを説いている。もちろん、金と力があっても。

    但し口先だけの人になってはダメなので、行動することの大切さも説いている。

    情熱と交渉だけでは成り立たないのは、この本にはあまり書かれておらず、それは若い力を削ぐことになるからだと思うが、技術やバックボーンの大切な所を併せて肝に銘じたい。

    関連する本も併せて読みたい。

  • 相手の利害を考えること 自分の主張だけをいっても相手は何もうがない バトナ、ゾーンを意識する 選択肢を増やすこと 準備をすること 交渉は基本的に相手の情報聞き出して、譲歩するところを見つける アンカリング。 この辺の基本ができて着たら、もう一度読んでみて、応用部分を試す。 アンカリング、人の性格による対応方法の変えとか

  • 豁ヲ蝎ィ繧キ繝ェ繝シ繧コ?茨シ滂シ?菴懊r讌ス縺励s縺?菫コ縺ォ縺ィ縺」縺ヲ縺ッ谿句ソオ縺ェ諢溘′谿九▲縺溘?ょ?縺?縺励?荳悶r蜍輔°縺吶↑繧峨お繧ケ繧ソ繝悶r謇九r邨?a縺ィ縺九?∝?蠕悟濠縺ョ繝ゥ繝ウ繧ッ荳サ鄒ゥ閠?↓縺ッ繝ゥ繝ウ繧ッ蟇セ謚励→縺九?邏榊セ玲─縺後≠縺」縺溘?ゅ◆縺?縲∝燕莠御ス懊′菴吶j縺ォ濶ッ縺九▲縺溘◆繧√°縺オ繝シ繧薙↑隱ュ莠?─縺?縺」縺溘?よャ。菴懊↓譛溷セ?°縺ェ縲

  • 【要約】


    【ノート】
    ・P183
    ・P204
    ・P304
    ・P313
    ・P321

  • ※佐藤真美さんから書籍をプレゼント頂きました!
     また本でも読ませて頂いて、読書メモ書き直します!

    【感想】 
    オーディオブックににて視聴。ナレーターは矢島雅弘さん。
    大変面白かったのと、勉強になった。

    学生向け、との事ですが、内容的には全ての社会人にとって有用。

    交渉が苦手な人は、まずはこの本に書かれている事を徹底的に実践するだけでも良い線までいけるはず。経験と勘やロジカルシンキング(或いは合理性)だけで割と交渉できてしまうタイプの人は、この本を読んで定石をいくつか仕入れることで飛躍的に交渉力が上がると思う。

    よく”お客様の気持ち(立場)になって”なんてことを言う人(特に上司に多い)がいる。しかし、お客様の気持ちとは具体的になにを指し、どうアクションをすればいいのか・・ということを答えられる人は殆どいない。この本にはその具体例がいくつも示されており、「なるほどー、そういうことか」と膝を何度も打ってしまった。

    【読書メモ】
    ・20代、30代が変革の担い手。
     
     しかし、その裏にはエスタブリッシュ層の存在がある。
     変革を起こすためには、彼らとの交渉力を付ける必要がある。

    ・BATNAを持ち、ZOPAを把握した上で交渉に臨むのが基本。

     BATNA よりよい代替手段。出来れば相手と合意する以外の選択肢。
     ZOPA(ゾーパ) 交渉可能な領域(お互いの最高と最低ラインが交わる領域)

    ・アンカリングを意識して交渉する

     最初に提示した金額、或いは議題から交渉がスタートする。
     相手が100ドルと最初にアンカリングしてきても、「俺は50ドル以下でしか買わん」
     と言って交渉のスタートを50ドルにしてしまう(アンカリング)など。
     セオドアルーズベルトの選対委員の逸話はかなりアコギw
     (5000ドルのロイヤリティが必要な写真を、逆に250ドルの献金と応援の手紙に。)

    ・ロマンとそろばん
     出資交渉等では「ロマン(情熱)」と「ソロバン(コスト計算)」が重要。
     ゴーイングコンサーン大事。ロマンはあってもソロバン弾けない人はダメ。
     若い内はソロバンの方が大事なぐらい。

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著者プロフィール

京都大学客員准教授、エンジェル投資家、教育者。1972年生まれ。麻布高等学校、東京大学法学部を卒業後、大学院をスキップして直ちに助手に採用。専攻は民法。任期終了後は学界に残らず、マッキンゼーへ入社。3年で独立し、多額の債務を抱えていた日本交通の経営再建などを手がけながら、エンジェル投資家として極めて初期段階の企業を15年以上にわたって支援し続ける。京都大学では教育、研究、産官学連携活動に従事。「意思決定論」「起業論」「交渉論」の授業を担当し、人気NO.1若手教官として「4共30」講義室を立ち見に。各界において意思決定を先導するリーダーを育てることを目標に、選抜制の「瀧本ゼミ」を主宰。著作物やディベートの普及活動を通して、次世代への教育に力を入れていた。2019年8月10日永眠。

「2022年 『瀧本哲史クーリエ・ジャポン連載集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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