本を読む人のための書体入門 (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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本棚登録 : 491
感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385412

感想・レビュー・書評

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  • 【内容だけでなく、文字そのものを楽しむ】

    著者は「文字は記憶を読む装置である」と言います。正直、一回読んだだけでは、あまりピンときませんでした。

    でも、本好きとしては、文字に書かれている書体に注目できたのは良かったです。「フォントの名前を知らなければ語る資格もない、と考えるのは、美術は美術家のもの、音楽は音楽家のもの、と決めつけてしまうのと同じ。」と書かれてあり、確かにフォントを知っているのはデザイナーなどの専門職の方が多いですが、一般人も楽しんでいいですよね。

    また、いくつかの書体の歴史や背景も紹介されていて、それが興味深かったです。歴史や背景を知ると、その書体に愛着のようなものが生まれます。

    自分が好きな本は、装丁の書体が好きな本もいくつかあって、フォントの名前を知りたいなと思いました。

    もう一度あらためて読んでみたいです。

  • yk

  • 本を読む際にあまり意識する事のない書体に関して、書体毎の解説をするのではなく、その書体から伝わる我々読者のイメージの広がり方や、著者の感じ、考えた事が筑紫明朝体で書かれています。文字を読み取る際にその書体に対して考えさせる一助となり、いい意味で裏切られた。

  • 本の本
    デザイン

  • 何気なく読んでいる広告、看板、マンガ、などなど。そのフォントについて考えるようになる。

  • (図書館員のつぶやき)
    本がすきで、読む、あなたのための本ですよ~そんな1冊です。新書で持ち運び楽ちん、空いた時間に読めますよ、さあ~本の好きな人いますぐ借りんしゃい~(借りましょう)

  • ストーリーは,書体と共に味わって。

    そこまで書体に愛情がなかったな,と著者の愛を感じて脱帽。でも読めない書体があるのはわかる。書体の空気も込みで物語なり雑誌なりができていることもわかる。私はもはや父親の文学全集はまず活字が古すぎて読めない人で,挑戦できない文学が結構あった。文庫で入手したら読めるのに。一方,青空文庫とかブラウザで読もうとするとまた目が滑って行ってしまう作品もあって。

    書体と共にある記憶は,あまり共感出来なかったけれど,なかなか興味深い話でした。

  •  文字の中に記憶を見いだすとき、それは「平面」ではなく、「空間」の体験になる。
    (P.166)

  • [図書館]
    読了:2017/1/9

    石井中明朝体はやっぱりいい書体だよなぁ…。
    淡古印とか今はもう新しい印刷物では見られない、写植用書体がたくさん見られてよかった。

    p. 50 「出版社のパソコンにはどんなフォントでも入っているにちがいない」単純にそう考えていたのに、なぜか出会う機会がなかったのです。というのも、私が子供のころ目にしていた「本の文字」は、パソコンの「フォント」ではなく実は「写植」というものだったのですが、私のようやくその事実を知るのは20代半ばを過ぎてからのことでした。

    p. 181 淡古印は本来印章用として作られたものがホラー書体として使われるようになった。デジタルフォントのホラー書体「ミステリー」はどそさらどうみてもホラー書体にしか見えない。そうするとふしぎなもので、あんまり怖くない。

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著者プロフィール

正木香子(まさき・きょうこ)
1981年生まれ、福岡県出身。文筆家。「文字の食卓」主宰。早稲田大学第一文学部卒業。幼いころから活字や写植の書体に魅せられ、〈滋味豊かな書体〉をテーマに各紙誌エッセイを発表している。著書に『文字の食卓』(本の雑誌社)、『本を読む人のための書体入門』(星海社新書)、『文字と楽園 精興社書体であじわう現代文学』(本の雑誌社)など。

「2020年 『本のリストの本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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