百合のリアル (星海社新書)

著者 :
  • 星海社
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感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061385429

感想・レビュー・書評

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  • 『百合のリアル』という題ではありながら、所謂「百合」の話はほぼ無く、レズビアンについても後半にやや詳しい話が出る程度。「モテるとはどういうことか?」という単純な問いから始まり、「集合体ではなく、個人として自分や相手、社会を見ることが大切」という結論に達する。つまりこれは、LGBTをきっかけに人生について考え始めた人への人生指南書のようなもの。と、いうわけで、二次元ではない三次元という意味で「百合のリアル」を知りたくて読むと拍子抜けするかな。ホモとかゲイとかレズビアンってどーいうこと? って人はもちろん、人間関係むずかしーい、或いは僕って何状態の人にもおすすめ。セクシュアリティよりパーソナリティ、という、界隈では有名なフレーズが、以前よりぐっと説得力を持って聞こえるようになる。

  •  タイトルが悪い。
     百合だけではなくもっと、広いターゲットにアピールできる本だと思う。
     モテるってどういうことなの、好きってどういうことなの?という、ごくシンプルな問いに対して、正解はなく、自分の中で答えを出すしかないということをわかりやすく示した本。この「なるほど」と思わせる明快さはすごい。
     カテゴリ分けではなく、タグを着けたり外したりという考え方はいいなぁと思う。恋愛に限らず、ついつい「この人はこういう人だ」とカテゴリ分けをしてしまうけれど、タグだよなぁと。
     作者さんは実際に女性と結婚されてるからこのタイトルなんだろうけれど、どんな人でも読んでほしい。むしろ高校生くらいの時に読みたかったなぁ。

  • 性的指向はヘテロセクシュアルとゲイとレズビアンとバイセクシュアルだけではなくて、パンセクシュアルとかアセクシュアルとかたくさんあって、しかもそれですべてではなくて、名前ついてないのもたくさんあって、もはやおそらく一人ひとり違うんだろうな、って。可愛い系が好き・キレイ系が好き、あまーい人が好き・ツンデレが好き、みたいなレベルの話で、ほんとに同じ好みの人はいなくて、どれもいい、みたいな感じなのかなあと思った。
    あと、トランスジェンダーの人でも(今回はこの呼び方で許してほしい)全員が性転換手術を受けたいわけじゃないってのも知らなかった。トランスジェンダーでレズビアンとかもありうるってのも思いもよらなかった。
    他のセクシュアルマイノリティーズに関する本より当たりが柔らかくて、基礎知識が手に入ってよかった。知ってますます、カミングアウトされた時の接し方の正解がわからなくなったけど、でも無知識の欠如で傷つける可能性を減らしていければいいなと思う。とりあえず、ヘテロの友だちと同じ感じで、「彼氏(彼女)いるの〜?」みたいな感じかなあ。

  •  自分のジェンダーを通じて、自分を理解するきっかけになる本――それが、この本を読み終えた後の率直な感想だ。

     そもそも、私がこの本を購入した理由は、タイトルに心が惹かれたと同時に、LGBT論についての本を求めていたからだ。
     が、この本は今までの同性愛者による同性愛論にありがちだった、異性愛者敵視の雰囲気は受けなかった。そうではなくて、この本が言いたいコトは、ジェンダー・アイデンティティについての論証のひとつなのだ、という印象を強く受けた。

     それゆえに私は本書をLGBTの方々や、いわゆる「百合」「薔薇」を愛する方々のみならず、むしろ上記の三つを毛嫌いする方々こそ読むべきだと強く思っている。その理由は読者一人一人が自身の性理解を再確認するためである。

  • 百合のリアルというタイトルに惹かれて手にとって見たけれども内容はレズビアンだけじゃなくて、すべての人に向けてのジェンダー論、人としての在り方、性自認といった真面目な内容。

    タイトルから連想されるレズビアンだけに向けたお話でもレズビアンの自伝でもありませんので、そのあたりはご注意を。

    さまざまな立場の人たちとの対話形式で進んでいく。
    難しい言葉を使わずにとてもわかりやすい。

    いろいろな人に読んでもらいたい一冊です。

  • 発達障害だったり思想的に少数派な立場からすると、
    性的少数派には共感も持てるし、
    どうしても理解できないところもある。
    マイノリティーの世界って、そう単純ではないし、
    理解されず排除される理不尽さも分かり合えないもどかしさも孤独もある。
    かなり入り組んでいる。
    だからこそ、面白い。

    少数派が、差別されなかったり、圧迫されない社会はすぐにはできないだろうけれども、
    そういう社会を作るように働きかけることはできるはず。

  •  LGBT入門として読んだ。牧村さんという事例を通して、当事者にしかわからないであろうことも書いてある。LGBTを理解したい、と考える人に薦めたい。

  • 想像していたようなマイノリティの声を聞け!みたいな感じではなく、まず読者が抱いているジェンダーやセクシャリティに関してのバイアスをならしているので、考えやすい。

  • 異性愛者、同性愛者、として見るのではなく、個人を個人として見て知ること、そして自分を見つめることが大切よ、っていう話。私的にはちょっと物足りなかったかな。というか、今の私が求めている内容じゃなかったんだろうなぁ。二年くらい前の私だったらまた違ったかも。

  • レズビアンの著者が、レズの実状だけではなく、LGBTのセクシャルマイノリティについての詳しい説明もあり、さらに広く恋愛そのもの、人間関係について書いた本。

    対話形式でマンガなども取り入れ、大変わかりやすく、いい本でした。レズ、ゲイだけではなく、◯◯出身、などなどといったカテゴリではなく、その人と向き合うことが大事だということですよね。

  • 非常にポリティカル繊細な分野ですが、自己を相対化させる意味でもなかなか面白いし、未知の分野としても。気になるのは小説的表現のくささくらい。むしろ自伝を読んでみたいかなあ。

  • 女の子と付き合ったことがないから、レズビアンって思っていいの?レズビアンって自分のこと指してるけど、その言葉にしっくりこない。
    この実感を持っている私にとって、まきむぅさんの言葉は自分の言葉のように思え、共感し、癒されました。

  • "本当の「モテ」を考えるMAYAの恋愛セミナー"にやってきたヒロミ、アキラ、はるか、サユキと、マヤ先生のやりとりのもよう(マンガ含む)に、著者の「まきむぅからの手紙」を挟んだつくりの本。

    「はじめに」で著者が、これが何のための本なのかを書いている。
    ▼この本は、レズビアンのためだけの本ではありません。同性愛者の自伝でもありません。「レズビアンという概念と、牧村朝子という事例」を通して、男とか女とか、同性愛者とか異性愛者とか、オタクとか優等生とか、B型とかA型とか、色々ザクザク切り分けられてるこの状況との、向き合い方を見つけるための本です。(p.4)

    別のページにはこうも書いてある。
    ▼この本は、「『レズビアン』というあり方を通して、個としての生き方を考える」本です。…(略)…社会の中で人を区別したり、まとめたりするための言葉はたくさんあります。そういうカテゴリの箱に入ったり入れられたりする前の、ひとりひとりに、あなた自身に、その人自身に目を向けてみてほしい─そういう気持ちでこの本を書きました。(pp.32-33)

    そもそも「モテる」とはどういう状態のことか、「モテる人」とはどんな人のことか、マヤ先生はみんなの考えを聞いていく。

    ・たくさんの人に好きになってもらえること
    ・好きな人の心が確実につかめること

    という意見に、「自分は何をモテだと思っているのか」「それを自分は本当に望んでいるのか」まずそこからだとマヤ先生は言う。

    大体の男の人は色気に弱い→だからセクシーな服がモテ服だ、というヒロミに、アキラは「別に男全員がそうじゃない…俺セクシーな服って苦手」と意見し、サユキは「「大体の男」にモテりゃ満足なのか?」とツッコむ。

    「モテる」にもいろいろあるし、男だから/女だからこんなんが好きやろうと断言もできない。自分にとっての「モテ」を考えることは、「ありのままの自分はどういう人間か」を知ることでもあるのだ。

    女性にモテたいというアキラに、どうして「女性」がいいのか、何が「女性かどうか」の判断基準になるのかとマヤ先生は訊いていく。アキラもヒロミも「体格や服装で、性別ってなんとなくはわかる」と言う。

    ▼マヤ 「『男』か『女』かというのは、見た目で大体わかるのよね。言い換えれば、大体しかわからないということでもあります …(略)… 『男/女』に人を振り分けること、あるいは自分でどちらの意識を持つかということは、人間の数知れない個体差の上に成り立っている選択といえるわね」(pp.22-23)

    そこで二分法にとらわれて個体差を見失うと、「男だからこうだ」とか「女はこうあるべき」といった考えで自分や他人を縛ることになる。人間が便宜上つくった「男/女」のカテゴリーにくっついてるのはイメージや集団の傾向、せいぜい集団内の平均値くらいのもので、そこに個別の人間がどれくらいあてはまっているかは「見た目」だけでは絶対にわからない。

    「男/女」にかぎらず、人を括ったり区別したりするカテゴリはたくさんあって、そういうカテゴリの「箱」に入ったり入れられたりする前の「私」や「あなた」に目を向けてほしいのだ、目の前の人の話を聞いてほしいのだと、著者のまきむぅさんは書く。

    性のあり方についての言葉(カテゴリ)は分けていけばきりがない。それくらい人の性のあり方は多様だということでもある。分類が細かくなり新しい言葉がつくられていく、その原動力は「自分と近い人と集まりたい」「人々を分類して理解した気になりたい」「他人とも古い概念とも違う新しい自分になりたい」という願い(p.11)だ。

    まきむぅさんは、あるカテゴリを自分のアイデンティティとして引き受けるかどうかは、それぞれが決めることだという。たとえば自分を「レズビアン」と名乗るかどうか。自分で選びとった名前は「アイデンティティ」になるが、他人につけられた名前は「カテゴリ」になる。

    ▼女が女を愛する時、他人は彼女を「レズビアン」というカテゴリに入れます。でもそこに入れられたとしても、彼女は「レズビアン」というアイデンティティを持たされる必要はありません。
     あなたが「レズビアン」と言われて違和感がないのなら、レズビアンというアイデンティティを持てばいいんです。あなたが「レズビアン」と言われて違和感があるのなら、たとえレズビアンというカテゴリに入れられたままであっても、あなた自身のアイデンティティを持てばいいんです。もしくは、わからないままだっていいんです。自分や他人がどう呼んでも、どう呼んでいいかわからなくても、あなたはもうここにいます。(p.113)

    まきむぅさん自身が、かつて自分は何者なのかと悩み、「レズビアン」「同性愛者」「バイセクシュアル」「クエスチョニング」等々の名前を取っ替えひっかえして、自分にあてがった経験がある。「色んな言葉で説明しようとしたなあ」(p.246)とまきむぅさんは振り返る。

    そんな紆余曲折を経て、まきむぅさんは「どんな言葉で説明しても、結局自分は自分だった」(p.246)と気づく。レズビアンだと分類されることは受け入れるし、自己紹介の時も必要なら「レズビアンです」と言う、だけど、ことさら自分のアイデンティティとしてレズビアンという言葉は掲げない、その前に自分自身を生きることにした、それがまきむぅさんのたどりついた地点。

    私は、前に『We』のリレー連載「一人ひとりのLGBT」で書いてもらったゆいさんの「私は女の人が好きです、でもレズビアンではありません」というのが、やっとわかった気がした。

    サユキの話を引いた「トランスジェンダー=性同一性障害?」の箇所も印象深かった。「自分はレズビアン」だというサユキは、男子校出身だ。「豊胸手術はしたけど、性別適合手術はしてない」と聞いて、ヒロミは「えっ、じゃあ、おっぱいがあって、チンコもあって、だけどサユキさんは女の人で、女の人が好きで…???」(p.42)と戸惑い、アキラは「そういうレズビアンの人もいるんだ…」(p.42)とつぶやく。

    「どうしてそういう風にしてるんですか?」と尋ねるはるかに、「それが自分にとっての"自然"だからね」とサユキは答えている。

    「性同一性障害」は、医学的な"病気"の名前だ。サユキは「治るとか、治らないって話じゃないんだよね、自分の場合」(p.50)と、こう話す。

    ▼「治さなきゃいけない体だと思ってないんだ。自分は制度上、性同一性障害とされるだろうし、社会的にはMtFだとかオカマだとかオネエだとか思われてる。だけど自分自身は、自分のことを既に女だと思ってる。そして病気とか、障害を持って生きているとは思ってない」(p.50)

    それでも、自分が女だと言ってるだけでは認められない場面もある。カラダと書類の性別を変えないと、社会的には認められず、「人はチンコとかパスポートとかを見て『でもお前男じゃん』って言うんだよ」(p.51)というサユキの現実。

    ▼「性同一性障害っていうのは結局さ、自分みたいな人間を病気として手術して、制度上の性別を変えるためにある病名でしかないと思うんだ。もちろん『自分は病気なんだ』って考えの人もいるよ。『治療』が必要だと感じている人が、病院に通って処置を受けて少しでも楽になるならいいと思う。だけど自分はそうじゃないってこと。まあ、胸だけは、ドレスとかをきれいに着こなしたくて豊胸したけどさ。その必要を感じないところに、これ以上メスを入れたくはないんだ」(pp.51-52)

    サユキの語る「必要を感じないところに、これ以上メスを入れたくはない」のくだりを読んで、こないだ読んだ『運命の子』のなかで、朝陽君のお父さんが、朝陽にとって呼吸が楽になるとかそういう良い点があるなら手術もいいと思うが、それ以外のところは別に必要を感じないと語っていたのと似てる気がした。自分の生きやすさにつながるかどうか、その線引きの仕方はひとつの工夫やなと思った。

    「モテ」を切り口に、こうした話を展開できるまきむぅさんのセンスにしびれる。「『同性結婚制度が存在しない日本で、同性と生きていきたい人に何ができるか』を考えることは、広い目で見れば『人生設計の前に法制度が立ちはだかった時、個人に何ができるか?』を考えることでもある」(p.133)という指摘を読んでも、たしかにこれは「この状況との、向き合い方を見つけるための本」だと思う。

    古今東西の"「男/女」以外の分類"を紹介したなかで、タイの「男/女/カトゥーイ」の「カトゥーイ(男性として生まれ、女性の振るまいや服装で生きる人々)は、「存在は認知されてきたものの、性産業意外に職業の選択肢が与えられないといった差別的な扱いを受けてきた」(p.89)とあって、職業選択の自由がないところは部落差別と似たものがあるのかも…と思った。

    (4/8一読、5/5二読)

    *まきむぅさんのオフィシャルサイト
    http://yurikure.girlfriend.jp/yrkr/
    *まきむぅさんのお仕事情報ブログ
    http://ameblo.jp/mmmasammm/
    *まきむぅさんのツイッター
    https://twitter.com/makimuuuuuu

  • 性癖は決してカテゴライズされるものではない。100人の個人が100通りの性癖をもっているだけだ。

  • 性別っていうものの定義はそもそも最近より曖昧になってきている。
    確かに生物学的には大きく二分されても、
    社会的、ジェンダー的に見ると二分なんて簡単に分けられるはずもなく。

    マジョリティとマイノリティの関係は表裏一体だからこそ、両者がどう快適に共存できるか、難しいところです。

  • 「百合」という流行りワードを元に世の中で性のありかたについて漫画キャラの対談形式と作者の経験と主張をおりまぜながら語っていく本
    非常に多様な性のあり方は新鮮で,自己実現という意味で(他人に迷惑を書けない限り)全ての性のあり方は賛同されるべきだと思うしそういう生き方をしないといけない人がいるのものわかる.
    一方でここまで性のあり方に自分のアイデンティティが集約されるのはしんどい生き方だろうなとも思った.

  • で、百合つながりでこんな本。

    それぞれの章は、

    1.漫画

    2.レズビアン、両刀使い、身体的には男だけど女、ヘテロ…といったキャラクタの対話での問題提起

    3.著者のうんちく

    …という流れで進行。

    最終的には、「私たちをカテゴライズしないで!」などと、「世界に一つだけの花」みたいなことをおっしゃっていますが…。

    そうであるなら、タレントなり物書きとして、まずは揺るぎないパーソナリティを発揮してから書きゃいいじゃん。レズビアンなのを売りにした本出しといて、何を抜かすねん…という感じです。

    まったく、『魍魎の匣』かと思いましたら、『鉄鼠の檻』。

    苦しむ人に向けて、あえて「百合」という言葉を使っているというのかもしれませんが、「もっと私を見て」的、駄目なアスカみたいな底の浅さが目に余ります。

    まぁ、そのあざとさ、表現力のなさを含めての「百合のリアル」か。

  • 勉強になった。

  • この本が指定図書になり、いつかはこのような本の存在が必要ではなくなる日が来て欲しいです。

  • 著者の牧村さんの自伝的部分は最小限。ナビゲーターとなる男女5人の対話形式で性についての用語解説なども含めながら、性に対する在り方や生き方について丁寧に書いている本だった。思ったより教科書的だったので期待と異なったが、性的指向が自分とは異なる人に出会ったことがない人に、とても読んでほしい内容だった。

  • タイトル通り、レズビアンである著者自身の経験や考えが対話形式で語られている本。著者の経験談を通じて、性の多様性を学べる。また、大小の差はあれど、人は悩んで生きているのだなと感じさせられ、同性愛者でなくとも(というか、そうでない人こそ本書は)興味深く読めるのではないか。

    自分が知らなかった事実としては、①同性愛者は日本でのアンケート結果によれば男性で4.7%、女性で7.1%いる、②自然界でも同性愛の動物(例としてペンギンが載っている)がいる等が挙げられる。


    こういったタブー視されがちなことは、読書を通じてしか知りにくいので、新書で手軽に読めるという点で貴重な本と言えると思う。

  • 遅まきながら2日前に、「まきむぅ」こと著者・牧村朝子氏を知ったことから購入。
    その2日間でblogを一気に読破していたので、てっきりそこにあったような来し方行く末を語る一大感動エッセイかと思いきや、架空(?)のキャラがわらわら出てきてのカルチャーセンター形式だったのでちょっと驚いた。

    正直に言うと、こういう形式は個人的にあまり得意ではない。
    「意識高い」マイノリティの方々の前では、自分たちマジョリティはしょせん「その他大勢」「遅れた未開の人」「存在自体が罪悪である抑圧者」。ありがたーくご高説を賜り、教化していただく存在…というような気分にさせられてしまうからだ。
    100%の被害妄想ではあるけれど、そういう思いが私のそれこそ「リアル」である事実は変わらない。セクシュアルマイノリティが完全に「他人事」であるゆえか、生まれ持った性分ゆえかは知らないが、どうしたってそういうふうに感じてしまうのだ。

    しかし、読んでみて悟った。
    予想していた形式とは違うけれど、結局これも、著者が「自分の経験をもとに得た知見を語っている」ことに違いはないんだな、と。
    そう考えるとすごいクオリティである。この若さでこの上なくクレバーだし、真摯だし、誠実だし、穏健。

    ちょっとよそゆきに、きれいにまとめすぎたきらいはあるかなー。
    著者をひとりの人間として、身近に感じられる点ではblogを超おすすめ——などと、書評にあるまじき猛プッシュでしめくくらせていただく。

    2013/11/27読了

  • リアル♥︎

  • パリで国際同性婚した著者が語る、「女の子同士」のリアル

    私は、女性として生まれ、最愛の妻と結婚をしました。同性愛者は“少数派”で

    す。しかし、決して“少数”ではありません。自身が同性愛者であることを公表

    する人も増え、セクシュアルマイノリティの知識は、現代人の基礎教養となり

    つつあります。女の子同士はどこで出会うの?  どうやってセックスをする

    の? 家族へのカミングアウトはいつ? 同性同士の結婚って可能なの? 私

    の経験からお話できることのすべてを、この一冊に凝縮しました。私と一緒

    に、「性」と「知」の冒険に出ませんか? あなたの“百合観”変わりますよ♡

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著者プロフィール

タレント、文筆家。2010年度ミス日本ファイナリスト。13年、フランスでの同性婚法制化を機に結婚。芸能事務所・オフィス彩に所属してテレビで活躍。並行して、『百合のリアル』『同性愛は「病気」なの?』(ともに星海社)、『ゲイカップルに萌えたら迷惑ですか?』(イースト・プレス)などの著書を刊行。17年に事務所から独立し、「脱婚」。LGBT関連にとどまらず多面的に活躍中。

「2017年 『ハッピーエンドに殺されない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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