- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061385429
感想・レビュー・書評
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牧村朝子さんが「モテる」という言葉から「セクシュアルマイノリティ」について解きほぐす本です。もともと「百合」「星海社」というキーワードで、創作系の「百合」という意味だと勘違いして読んだ本でしたが、読んで良かったと思いました。全体的に軽いノリなのですが、内容はいたって真面目。同性愛に賛成か反対か別にして、誰もが知らなければいけない、また考えないといけないことだと感じました。読みやすいので、ぜひ若い人に読んでもらって考える糸口にしてもらいたい。タイトルは勘違いするので、もう少しなんとかならなかったものか。
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レズビアンの著者がいろんな人に読んでほしいと執筆。この本を読み、恋愛に性別なんて関係ないという気持ちがより一層強くなった。日本ではセクシャルマイノリティに対して差別や偏見が強いせいか、セクマイの方々が生きづらい世の中のような気がする。この本を読んでちょっとでも理解を深めたらいいと思う。
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分類して名前をつけることで便利に使える。でも、誰かが決めたカテゴリに自分を当てはめる必要はない。当たり前だけど、うっかりすると忘れてしまいそうな大事なこと。セクシュアリティに関係なく、いちどきちんと向き合ってみるといいと思いました。また、男性同性愛に関する情報よりも女性同性愛に関する情報は少ないと感じていたので、その点でもためになる本だと思った。
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性別は男と女だけではないし、恋愛対象もヘテロだホモだと割り切れるものではない。多様な性についてライトな対談形式と、筆者の経験や考えなどがよくまとまっている。名前をつけて自分と切り離し、分かった気になり、イメージを共有する。妖怪発生のメカニズムと同じだと筆者は言う。「わからないものをわからないまま置いておくのは恐い。人間は、理解できないものを恐れるものだから。その未知への恐れに、名前をつけることで理解した気になり、他者とイメージを共有した、それこそが妖怪の正体だ」この部分がとても印象的だった。
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無知に怯えるのは、誰しも同じなんだなーと思いました。
指紋ほどに性とは多様なものだけれども、
一人ではない「属するものがある」と知ることは、
私にとってはすごく大切でしたね。 -
レズビアンのことが分かるという期待を超え、自分とは何か?を問いなおせる本。LGBTやセキシャリティに疑問を持つ人は、この本を読むことで何らか得られると思う。
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16.apr.4
レズビアンとセクシャルマイノリティ、それを定義する社会、さまざまな視点から噛み砕いて書かれている良書。
私は差別をしない、マイノリティを理解したい、という一心で、世の中が貼ったラベルに固執気味だったことに気づいた。
「レズビアンの人はこう考える」という決めつけをしかけていたと思う。そこに気付けたことが大きい。 -
自分のジェンダーを通じて、自分を理解するきっかけになる本――それが、この本を読み終えた後の率直な感想だ。
そもそも、私がこの本を購入した理由は、タイトルに心が惹かれたと同時に、LGBT論についての本を求めていたからだ。
が、この本は今までの同性愛者による同性愛論にありがちだった、異性愛者敵視の雰囲気は受けなかった。そうではなくて、この本が言いたいコトは、ジェンダー・アイデンティティについての論証のひとつなのだ、という印象を強く受けた。
それゆえに私は本書をLGBTの方々や、いわゆる「百合」「薔薇」を愛する方々のみならず、むしろ上記の三つを毛嫌いする方々こそ読むべきだと強く思っている。その理由は読者一人一人が自身の性理解を再確認するためである。 -
非常にポリティカル繊細な分野ですが、自己を相対化させる意味でもなかなか面白いし、未知の分野としても。気になるのは小説的表現のくささくらい。むしろ自伝を読んでみたいかなあ。
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性癖は決してカテゴライズされるものではない。100人の個人が100通りの性癖をもっているだけだ。