- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061471344
作品紹介・あらすじ
5年生のノブオは、右田先生にしかられ、山おくへかけだしました。道にまよって、林の中の一けん家をたずねると、洋服を着たフクロウが……。いつのまにか、クレヨン王国へまよいこんでいたのです。ノブオは、王国のパトロール隊長として、冒険の旅に出ます。楽しい読み物に子どもの主張をおりまぜた「クレヨン王国」シリーズ2作め。
感想・レビュー・書評
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この本を読んだのは30年以上前の小学生のころ。クレヨン王国のシリーズにはまり、何冊も読んだ。このパトロール隊長はクレヨン王国シリーズの中でも初期の作品。
主人公ノブオが辛い境遇に加え、ひどく不公平な先生のクラスになり、先生と喧嘩して森に駆けていくところから冒険が始まる。
シリーズの中では深刻度は高く、この後の作品に見られるクスリとなるシーンもない。さまざまな冒険を通じて、ノブオは周囲の人の見方を変えていく成長の物語。 -
大人になってから初めて読んだ。こんなテーマが重めのクレヨン王国もあるのか。
お父さんがぶった理由にこの歳で気づけるノブオすごい。憎いほど嫌いな人の嫌な部分を自分が引き出してしまっている、という文にハッとした。今読んでもとても深い。妹のきよ子が目が見えなくなったことによって救われている、という記述にも納得させられた。最近どうも直情的になりがちなので、反省しなければ。 -
ノブオと右田先生の話は、子どものころまったく理解できなかった。あきらかに性格が悪いとか、なにか嫌なことをされたというわけではなく、ただその人をどうしようもなく嫌いになることもあるのだと、あのころは思っていなかった。どうしても相いれない人というものがあって、その人の前では自分がみにくくなるから、もっともっと嫌いになっていく。すごく、わかる気がする。
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この本、最初のうちは何度読み返しても涙が止まらず、結末も過程もわかっているのにどうして自分は泣くのだろうと不思議でした。
クレヨン王国に迷い込むのは小学校5年生のノブオです。ノブオの持っている家庭環境や学校の先生との関係が非常に現実的で、現実のように残酷で考えさせられます。そして、身につまされるのです。
密度の濃いエピソード群で人間同士のにくしみや誤解から生まれる争いを描き、大人が何度読んでもいいと思う作品になっています。
クレヨン王国シリーズの中で一番読み返しましたし、一番おすすめです。
ネタバレは http://d.hatena.ne.jp/ha3kaijohon/20120628/1340867328 -
自分が不幸なときに他人を思いやることはものすごく難しいこと。クレヨン王国でパトロール隊長の制服を身に着けていたからこそノブオもあれだけ素直になれたんじゃないかと思った。それにしてもノブオは謙譲語なんてどこで覚えたんだとつい野暮なつっ込みをいれてしまう。