ハプスブルク家 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061490178

感想・レビュー・書評

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  • ハプスブルク家の興りから崩壊までが描かれている。著者の主観が入っている感もあるけど、その分物語のようでスルスルと読めた。
    歴史に関してではない難しい言葉がたくさん出てくる。
    ヨーロッパの複雑な歴史に、わからないところは調べながら読んだ。
    無能と思われたため皇帝となったルドルフ一世から、700年に及んだハプスブルク帝国。
    でもまだ、なぜここまで栄えたのか、については漠としている。

  • その名だけは頻繁に聞くものの、具体的にどうすごかったのかいまいち知らなかったハプスブルク家。
    ウィーンミュージカル「エリザベート」から気になって読みました。まさかの1990年初版とは思えないほど面白くって読みやすくって、はじめて新書読んでて楽しいと思った。疑問点を書き込みながら読んだのでこのあとは消化に努めます。この前クラバートで出てきた「選帝侯」の意味がやっとわかった。
    あとちょいちょい出てくるオスマントルコ強すぎてかっこいい、そっちも新書読む

  • ・神聖ローマ帝国とは、広い意味でのドイツと同義
    ・世界史のスペイン時代―カール五世以後のハプルスブルク家統治時代。フィリップ二世1557年のサン・カンタンの戦い(アンリ二世治下の仏軍を粉砕)。1571年レパントの海戦(イスラム教徒とキリスト教徒の歴史的対戦。スペインを中心とるする西洋世界がトルコ海軍に壊滅的な打撃を与えた)
    ・スペインの衰退―1588年の英国とのアルマダ艦隊の敗北
    ・1648年のウェストファリア条約で30年戦争は終結。30年戦争は当初は教義をめぐる争いだったのに、フランスが介入する頃にはすっかり様相を変え、ブルボン家対ハプスブルク家という宿敵の決戦となった。フランス絶対優位での和約
    ・マリア・テレジアの宰相カウニッツ「とても実現しそうにない、という理由で実行されないものが数多くある。だが実行されないという理由だけで困難とされるものの方が、はるかに多い」。ハプスブルク=ブルボン同盟

  • ヨーロッパの名門ハプスブルク家の歴史を、主にマクシミリアン1世、カール5世、マリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフの4人の君主に焦点を当てて描いた本。
    物語風で読みやすい。

    ところどころで著者の主観というかハプスブルク愛を感じる。
    またハプスブルク視点で書かれているためか、他国の情勢などにはあまり触れられてなく、もう少し背景の説明がほしいと思うことがあった。
    プロイセンのフリードリヒ2世なんかマリア・テレジア視点だとただの嫌な奴だし…

    あと私が無知なだけかもしれないが、難しい言葉や言い回しがやたら出てくる。
    内容の理解に支障がある程ではないが。

    とはいえ非常に楽しかった。
    ヨーロッパ史についてもっと知りたいと思わせてくれた本だった。

  • 約7世紀に渡る、世界一の名門王朝。
    ハプスブルクの人間たちの、愛と知恵と武勇と失敗の物語である。

    まさに西洋史!な、ダイナミズムにあふれている圧倒的な面白さだった。
    もちろん、これは通史であり、面白いところをより凝縮して楽しめるように書かれた新書であるからして、これだけが当然全てではない。

    だが、入り口としてはこれは最適だと考えられる。
    ハプスブルク家といえば、西洋一の名門貴族、というイメージがある一方で、なかなか把握しきれないところがあったが、理解にも大いに役立った。

  •  江村洋(1990)『ハプスブルク家』講談社現代新書


    【目次】
    はじめに――ヨーロッバにおけるハプスブルク [003-010]
    目次 [011-016]

    序章 ハプスブルクの揺籃期――ルードルフ一世からマクシミリン帝へ 017
    1 ヨーロッパの表舞台へ 018
    ハプスブルク城/神聖ローマ帝国/ルードルフ一世/ボヘミア王オットカル二世/ハプスブルクの発祥地
    2 新天地オーストリア 030
    アルプレヒト一世/スイスの独立/系統分裂の時代

    第1章 マクシミリアン一世――華麗なるブルゴーニュ文化のさなかで 039
    1 ブルゴーニュ公国 040
    フィリップ善良公〔ル・ボン〕/シャルル突進公/トリーアの会見
    2 若きブルゴーニュ公 046
    ヴァロア対ハプスブルク/愛児誕生/公国の混乱/巻き返し/トルコの影/ロー王/インスブルック
    3 イタリアの動乱 061
    スフォルッァ家との縁組/イタリアの勢力均衡/対仏の神聖同盟成立〔リガ〕
    4 ハプスブルクの結婚政策 067
    帝国の問題/皇帝の孫たち/スペイン王女フアナ/ハンガリー王冠の行方/サーポヤイ=ヤーノシュ

    第2章 カール五世とその時代――太陽〔ひ〕の没することなき帝国 079
    1 スペイン王国 080
    カール兄弟/スペインへの第一歩/皇帝選挙/ヴォルムスの国会/スペイン王カルロス一世/諸国の動静
    2 フランスとの対決 094
    パヴィアの戦い/サッコ・ディ・ローマ/イサベラ/ボローニャの戴冠式/アウグスブルクの帝国議会/エラスムス
    3 オスマントルコ 103
    ウィーンの包囲/トルコの海軍/チュニス遠征
    4 プロテスタントの問題 109
    シュマルカルデン同盟/アウグスブルクの宗教和議/スペイン系とオーストリア系/旅また旅の人生/劇的な退位

    第3章 ウィーンとマドリッド――ハプスブルクの枢軸 121
    1 フィリップ二世 122
    ハプスブルクの両系/世界史のスペイン時代/エスコリアル宮殿/スペインの衰退
    2 三○年戦争 130
    オーストリア家/ハプスブルクの兄弟争い/フェルディナント一世/三○年戦争/ウェストファリア条約
    3 オーストリアのバロック時代 142
    レーオポルト一世/オイゲン公/スペイン王冠の行方/カール六世の親政/相続順位法/芸術への理解/君主の神格化/バロック時代の終焉

    第4章 マリア・テレジア女帝――恵み豊かな治世 157
    1 オーストリア継承戦争 158
    シュレージエン泥棒/他国の反応は?/ハンガリーにのりこむ
    2 女帝の改革 165
    人材登用/国家の再建/カウニッッ伯爵登場/外交革命/七年戦争
    3 女帝の人となり 176
    開かれた宮廷/シェーンブルン/風紀/愛児ヨーゼフ
    4 母としてのマリア・テレジア 184
    最大の不幸/慈母/王朝意識の変化

    第5章 会議は踊る――三月革命の前夜 191
    1 国家の従僕 192
    ヨーゼフ二世の評価/矢継ぎ早の改革/バイエルン出兵とハンガリー問題/レーオポルト二世
    2 ウィーン会議 200
    フランツ二世/オーストリア皇帝/ウィーン会議
    3 三月前期〔フオアメルツ〕 206
    ウィーン体制/ビーダーマイヤー/メッテルニヒの謀略

    終章 民族主義の嵐のなか――ハプスブルク帝国の落日 213
    1 オーストリア¬=ハンガリー二重帝国 214
    フランツ・ヨーゼフ帝/官僚制/三つの事件/ハンガリーの独立運動/ボヘミアの動向/言語令
    2 帝国の瓦解 229
    皇妃エリーザベト/メキシコ皇帝マクシミリアン/希望の星/あいつぐ悲劇/サライェヴォの銃声/ハプスプルク王朝の終焉

    あとがき(一九九〇年六月 東京 上目黒にて 江村洋) [242-247]

  • 映画「エリザベート」を見て、時代背景を知ろうとアマゾン中古で購入。年代を追って、地図や家系図も挟みながら記述されているので大変わかりやすい。ただ私が買った1990年版はやったら漢字が難しくてしばしば読めないところがあった。(^_^;)

  • 「マリー・アントワネットなんかよりマリア・テレジアの方をもっとみんな取り上げろよ!」というのには同意

  • 読みやすくておもしろかった!
    著者の方は、ハプスブルク家(特にマリア・テレジア)が好きなんだろうなー、と思って読んでいられる本でした。

  • か、買っちゃった…休日にゆっくり読みます。未読。(2009/9/11追記:)難しいかなー理解できるかなーと思いつつ読んだけど分かりやすくて面白かった(*・∀・*)それでも知識不足で理解できないところもあるので、もうちょっと勉強してからまた読みなおそう。 ハプス目線なのでプロイセンやフランスが割と悪役っぽい感じになっていて、感情移入しちゃうとマリア=テレジアの辺りでつい目頭が熱く…今とてもオーストリアに行きたい。もうちょっと知識深めてから読むときっともっと面白いかな。

著者プロフィール

1941ー2005年。元東洋大学教授。著書に『ハプスブルク家』『ハプスブルク家の女たち』『マリア・テレジア』『カール五世』『ハプスブルク夜話』などがある。

「2013年 『フランツ・ヨーゼフ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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