- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061493285
感想・レビュー・書評
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渡邊十絲子さんおススメの新書の一冊。
確かに、自分のような理数系苦手の人間にも、「複雑系」のことがよくわかるように書かれていると思う。
もっと複雑系の本を読んでみたくなった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
理数科の新しい概念「複雑系」について紹介している本。
個人的には、このような新しい概念は、わかりやすい例えや図版を使った方が視覚的に読者がわかると思う。その点では、新書という中で説明がわかりづらい面もあったが、仕方ないかなと思う。
一時よりも複雑系の議論は減ったような気はするが、概念としてはいろいろと学ぶことが多いと思う。 -
印象に残った部分を1つ
コンピュータの中の鳥の群れ
クレイグ・レイノルズ作 「ボイド boid」
鳥たちが従っている規則
⑴ 近くの鳥たちが数多くいるほうへ向かって飛ぼうとすること
⑵ 近くにいる鳥たちと、飛ぶ速さと方向を合わせようとすること
⑶ 近くの鳥や物体に近づきすぎたら、ぶつからないように離れようとすること
この3つの規則の元でシュミレーションを行うと、鳥たちの動きは予想以上に自然だった
この自然や生命の動きも、単なるプログラミングされたものでしかないのかもしれないなーと。 -
数学や自然科学の分野に現れた新概念「複雑系」について多角的に解説する本。
自然科学の発展する歴史な哲学的な考察、そして社会科学への言及まで盛り込まれた壮大さを誇る。
○○論という言葉がたくさんありすぎて語彙がギリギリだったが、あまり専門的な理系知識を要さずに理解できるよう工夫されていた。
人工生命など21世紀の科学転換を予感させる様々な研究例が、これ以上ないワクワク感を与えてくれる。
哲学や理学の語彙に自信ある人へオススメ。 -
薄っすらとした理解
また読みたいが、入ってくる土壌がいる。 -
あまり期待はしていないけれど
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「boid」のように部分的な規律が全体を織りなしていくって考え方はアートに落としていける部分だなと。実際ツバメの群れの観察記録も展示されていた気がする。「初期条件に対する鋭敏な依存性」も微妙なゆらぎによる変化を可視化すればおもろいものができそう。
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タイトルが「「複雑系」とは何か」であるが、結局読み終わった後までいまいちそれが何であるのか掴み切れないのは、本作中にもあるとおりに、その概念がその探究者によってでさえも明確に定義されているわけではないことに由来するのであろう。
だからそういった学問自体が抱える難点の部分は仕方がないとして、それでもそれを差っ引いても本書からは少しながら漠然とした印象を受けるのは、これを哲学的な問題として類推してしまう作者の姿勢にも、ある程度の責任があると思う。
本書は複雑系研究における、その概念発見に至るまでのいくつかの事例を挙げることで、その概念を掴み易くする入門書である。サンタフェ研究所とセル・オートマトンの議論、それを応用した人工生命の議論、そのいずれもコンピュータの発達による、シミュレーションの成果であり、その自己組織化がどのように捉えられてきたのかについて様々描く。天才ってやっぱすげえなって感心できる。
そうした事例とは別に、科学史における複雑系とはどのように位置づけられるのかという議論を本の終わりの方に付け加えることで「複雑系とは何か」という疑問に答えようと努力をするのだが、その結論が、現象学の喩えを援用しつつ、複雑なものを複雑なまま捉えるんだよ、といった感じの雑駁な説明なのだから、読者は困惑させられる。
その結論さえもう少し違う形であれば、もう少し違う印象だったかもね。
あと、特に科学史の議論のあたりがそうなのだが、入門書と呼ぶならばもう少し丁寧な説明が必要であろう。平衡とか、線形とかのあたりは特に。 -
昔から興味があった複雑系ですが、少しはその像がつかめた気がする。
多数の者が互いに影響をもたらし、その全体として一つの現象が生み出されているものは、今迄の要素還元的な科学では太刀打ちできない。
そのための複雑系だか、なかなかその方法は定まっておらず難しいようだ。
複雑系科学は何か大きなものをもっているのではと感じた。
同時に複雑系科学の「カオス」っぷりからイロイロな難しさも感じた。
ただ、内容としてはかなり難解で周辺のコトをもっとしらないといけないと思った。わからないことも多かった。またいつか再読してみたい。
また、この本は1996年に書かれた本なので複雑系の今を知りたい。