西洋哲学史 (講談社学術文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061587878

感想・レビュー・書評

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  •  録音した講義を文字に起こした西洋哲学の通史。近世のヒュームまでで全349ページ中278ページを占め、古代と中世に比較的重きが置かれている。

     そのためもあって、近代以降の記述はかなり圧縮されており、難解。逆に、近世までは、分かりやすく面白い。ことに中世について、一般に暗黒時代と言われているが、実はそうではないという指摘は興味深かった。

     また、哲学者の学説の説明だけでなく、たとえば大学の始まりと歴史、ヒューマニズムという言葉の由来についてなど、関連するトピックの記述もいろいろあり、面白く読めた。

  • 哲学初学者の私にとっては、平坦な口調で書かれていたので分かりやすかったと思う。繰り返し読みたいと思う。
    それなりにレベルの高い人からすると、物足りないのかもしれない。

  • オフィス樋口Booksの記事と重複しています。アドレスは次の通りです。
    http://books-officehiguchi.com/archives/4283661.html

    「この本は哲学の初学者向けで大学の教養レベルで、古代から現代までの哲学の変遷を知ることができる。この本をきっかけに、哲学の知識の幅を広がてほしいと思う。」

  • [ 内容 ]
    本書は、1冊で完結する西洋哲学通史として、重要な哲学者の、それも必要不可欠と思われる考えに絞り、古代・中世・近世・近代・現代の区分に従って問題の展開が論理的に理解できるよう書かれています。

    [ 目次 ]
    第1章 古代前期(古代ギリシアこそ西洋哲学の源泉;ソークラテース以前の哲学;偉大なことは狂気によってのみ生ずる―プラトーンの書物のなかから)
    第2章 古代後期(実体といわれるものは何か―アリストテレースの特色;実践哲学とその学派―ヘレニズム前期;宗教哲学と4人の学者―ヘレニズム後期)
    第3章 中世(中世は暗黒であったか;教父の時代;ニッサのグレゴーリオス―ギリシア教父;アウグスティーヌス―ラテン教父;大学の問題―中世の偉大な制度とアラベール;トマス・アクィナス)
    第4章 近世(ヒューマニズムの時代;フィレンツェのプラトーン・アカデーミア;17世紀の哲学―デカルト、ホッブス、パスカル、スピノーザ;17世紀の哲学―ライプニッツ、ロック、バークリー、ヒューム)
    第5章 近代(大陸合理論と英国経験論の統合―ルソーとコンディヤックの思考実験;カントの3批判書―『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』;ドイツ観念論―フィヒテ、シェリング、ヘーゲル;人間への志向回帰―シェリング、キェルケゴール、フォイエルバッハ、ヴィーコ、ニイチェ)

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • とても読みごたえがあった。高校時代に悩みを通して哲学に心惹かれ、カントの乱読から入り、プラトン、レヴィストロース、西田幾多郎と恥ずかしいほどの直感任せで、哲学が何たるかも10年ほど分かっていなかった時も無駄だとは思っていない。世界での異文化経験と宗教世界への没入と、教育分野への従事によって拡がった風呂敷の端々を手繰り寄せるように、だんだんと一つのものへと収斂されてくる過程を感じているからである。西田幾多郎の哲学概論を読みそれでも哲学の全容と目的としていることが分かり、今回の通読によって歴史との関わりを深く知ることができた。
    本書の内容にはあえて触れず、しかし今後の哲学の進むべき方向性に希望を一片抱いたところで終了である。付箋だらけなのでもう一度、必ずもう一度は目を通したい。

    12/2/23

  • わかりやすい!

著者プロフィール

1922年東京に生まれる。東京大学文学部哲学科卒業。パリ大学、ヴュルツブルク大学講師を経て、東京大学名誉教授、聖トマス大学客員教授。哲学美学比較研究国際センター所長、国際形而上学会会長、国際美学会終身委員、エコエティカ国際学会会長。1996年より1999年まで哲学国際研究所(IIP、パリ)所長。著書『同一性の自己塑性』(東京大学出版会、1971)、『美の位相と芸術』(東京大学出版会、1971)、『東西の哲学』(TBSブリタニカ、1988)『エコエティカ』(講談社学術文庫、1990)、『知の光を求めて』(中央公論新社、2000)、『愛について』(中公文庫、2001)、『ダンテ『神曲』講義』(第25回マルコ・ポーロ賞受賞、みすず書房、2002、改訂普及版2004)。編著に『講座・美学』全5巻(東京大学出版会、1984-85)などがある。

「2017年 『ダンテ『神曲』講義 改訂普及版【新装版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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