鉄鼠の檻 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
3.68
  • (439)
  • (349)
  • (957)
  • (24)
  • (3)
本棚登録 : 3489
感想 : 304
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (826ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061818835

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 何をトチ狂ったか、初めに手を出した京極作品がこれでした。おかげさまで姑獲鳥の夏が薄く感じた。
    山中の謎めいた寺というロケーションと印象的な登場人物、京極堂の膨大な薀蓄に、それが事件と密接に結びつき読む側も憑き物が落ちるという構造にどっぷりのめり込みました。百鬼夜行シリーズ内ではおそらく1番好きな作品です。この厚さを厚いと感じさせない筆力がすごい。
    余談ながら、最初に読んだ京極作品が鉄鼠の講談社ノベルス版だったので、シリーズ通してついつい講談社ノベルス版で集めています。文庫版の表紙の張り子も素晴らしいのですが、やっぱりノベルス版が落ち着きます。

  • 長い…長かった…。今までの作品の+200ページ位でしょうか?200ページの差は大きいんですねぇ。
    とにかく人名が覚えられずふりがな付き名前一覧を見ながら読み進めました。
    長くて難しい説明やら解説の所がありましたが、それを飲み込んでからこその続きが生きてくる。なんか似たような事を前に京極堂が関口に言ってたような…。
    分厚い本の最後の最後まで謎を引っ張ってもらい、面白かった以上に達成感を味わいました。
    あれだ大悟しました。だ。(・∀・)
    理解が深まるまで何度か読み返したい話でしたねー。

  • 最初は今一つ、と思ったが、パラパラと読み返すたびに楽しくなっていく。
    なんなんだろうね。

  • 今回は難解だったぁ。
    坊主が多すぎる。
    坊主の名前がまず覚えられない。更に人によっては名前で人によっては名字呼ぶものだから混乱して仕方ない。
    更に、宗教についても御坊さについても知識がない私は、昔の禅僧の名前もまた覚えられない。
    そして、お坊さんの言っていることの意味がまったく理解できない。
    いやぁ、難しかった。
    途中で、禅宗や禅僧の歴史を調べたりして、やっとのことで追い付いていった感じだ。

    そして今回は、無敵の京極堂が「勝てない」という。
    おお、なんてことだ。
    かわりに榎木津探偵がかなり活躍をするのは面白かったけど、やっぱり京極堂に憑き物落としをしてもらわなくては!!
    禅僧が相手ということで、その事件の真相はかなり奥深く、一般人には理解しがたいことばかりだった。
    最終的には京極堂がその寺の結界を破り、立ち上がるのだが、肝心の憑き物は落ちたのか!?
    ちょっと、謎の残る終わり方だったな。。。

    姑獲鳥の夏の後日談が登場したりしたことは、驚きと共に感動した。
    ということで、この鉄鼠にもいつか、後日談が描かれるのだろうか?

  • 17年ぶり三読目。再読かと思っていたけれど、2回読んでいたとは、頑張ったね>過去の自分。読んでも読んでも進まない感じがなかなか大変(禅の話とか)。冒頭の台詞と、終盤の寺ならではの事情ばかりが印象に残っていたけれど、思っていた以上にテーマはたくさんあってそのあたりは楽しめる。終盤、京極堂がやっとのことで重い腰を上げて、榎木津と本丸へ向かおうとするシーン(p.775)は、本書一番の萌えポイント。この二人のバディで動くのって他ではないんだっけ? 京極堂は榎木津が現れることは想像していただろうし、榎木津は京極堂に必要とされていることは分かっていただろうなあと。交わす言葉は少なくとも、完璧に通じ合っている、ハイコンテクストな関係という感じ。『鵼の碑』の直後だったせいもあるけれど、京極堂って古本屋なのだということを再認識させられた。内容ではないけれど、「ページまたがず改行ルール」がまだ完全ではない点に驚く。どの段階から完全に整ったのだろう?

  • 事件に巻き込まれるのは嫌だと言いながら、一人になるとウツになる性質の関ちゃんの語り口。分厚いけれど人物が、よく動いてみせるので、どんどん読み進めてしまいます。殺人事件の謎解きとしては過去3作品に比べると最もシンプル。

  • 「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」 百鬼夜行シリーズ第4弾。

    長い!長かった!
    今回も不思議なことがいっぱい・・・
    しかも、お坊さんだらけで誰が誰だかわからなくなってくる。

    禅の話も完全に理解はできなかったけど(^^ゞ
    やっぱり面白いんだよな~このシリーズは。

    読み終わった途端に姑獲鳥の夏、再読してます。
    ↑鉄鼠を呼んだ方ならどうしてかわかりますよね?w

    • よしおさん
      え?どうしてでしたっけ?
      鉄鼠だけは5回読んだけどその後姑獲鳥読もうと思ったこと無いなぁ…
      え?どうしてでしたっけ?
      鉄鼠だけは5回読んだけどその後姑獲鳥読もうと思ったこと無いなぁ…
      2013/01/22
    • 琲樹さん
      あら?私だけかな?
      久遠寺先生とか、某お方とか再登場で「姑獲鳥の夏」のある意味続編っぽかったので。。
      あら?私だけかな?
      久遠寺先生とか、某お方とか再登場で「姑獲鳥の夏」のある意味続編っぽかったので。。
      2013/01/23
  • 禅の教科書のよう
    黒衣の陰陽師が現れなくとも自らの檻から出なくてはならない

  • 本というより、武器に近い。
    というか、武器。
    防犯に役立つ上、坊主スキーの心を満たしてくれる一品。

  • 再読
    禅の歴史が物語で説明されているので、理解しやすい。
    そのまま認める受け入れる強さが大切と思う。
    禅に興味が湧いた。

    殺人動機が単純明快で好き。

  • 慈行さんがイケメンすぎる。やばいこれは美僧すぎる人出てきた!!死んじゃったけどね!!!くっそ!!!
    久保竣公と同じく慈行さんは、榎さんとは反対のイケメンだと思う。もっとこういうイケメン出てこないかな。
    慈行さんはからっぽという榎さんの言葉にショックを受けた。子どもの頃からずっと人に教えを教わらず、本ばかり読んでいたのだろうか。
    京極堂はなんだかんだと関口君と仲がいい。電車の中で関口夫婦と中禅寺夫婦が仲良くて和んだ。
    気絶した関口君を榎さんが運んだというのがすごくよい。どういう風に運んだのか考えると夢が膨らむね!!!お姫様抱っこだったら関口君だけじゃなく、周りの人にもトラウマ残すね。30代おっさん同士のお姫様だっことか訳が分から無すぎる。

  • シリーズで一番時間がかかった作品。面白かったけどしんどかった。そしてまだ完全に理解できていない所もあります。

  • 禅の歴史やお坊さんの説法?が多く、いつも以上に難しかったが、からくり的には半ばぐらいで分かったので、すっと読めた。

  • 再読。H9,11,6とありました。
    以来、でもないと思うのですが。久し振りに再読。
    禅が主で、難しいけど。
    少しづつ分かりかけてきたような。
    深いな、京極夏彦。

  • シリーズ全部好き。
    最初に読んだのが、鉄鼠だったので今でもなんか一番好きな話。

  • お弁当箱みたい・・・
    始まったばかりで、まだ波に乗れてません。

    といって読み始め、随分と日数がかかってしまった。
    早く読み終えたくて、(真相が知りたくて)
    ・・・・・

  • 臨済宗と曹洞宗のお坊さんが一緒に修行している奇妙な
    お寺の近くでお坊さんが殺される.殺人後も容疑者の
    お坊さん達は修行をやめないし,そもそもお坊さんの言うことは
    何を言いたいのか理解できない.仏教の宗派はどれも大差ないと
    思ってたけど,宗派の違いで歩く速さまで違うとは驚きました.
    とにかく凄い話でした.

  • 修行は一日にして成らず、
    而して一日にして
    なくなるものでもない。

  • 今回も色々な人々が複雑に絡み合って
    最後に京極堂が全ての憑き物を落としてくれる所は爽快
    一作目の医者の先生が再登場したのはおおっと思いました
    伏線が一作目からあるのがすごいですね(ロリ医者とか)

    この京極堂シリーズは毎回毎回すごい勉強になります
    今回のテーマの禅も、自分はただ正座して瞑想するものだと
    思っていたので知らないことを知るのは本当に面白いです

    個人的に榎木津の活躍が大好きな巻であります

  • 10年前、京極堂シリーズでなぜかこれを最初に読んで榎木津に惚れたのだった。
    最後の憑き物落としはこれが一番スキッとしていた気がする。
    ひさしぶりにもう一回読もう!

  • 長かった~。

  • シリーズで最もお気に入りの1冊です。

  • 箱根の山中にある謎の禅寺でおこる僧侶連続殺人事件という筋立てはエーコの「薔薇の名前」を意識しているのかもしれないが、1996年当時はオウム真理教批判として読んだ。

    座禅と瞑想は似て非なるものであって、瞑想することによってしばしば遭遇する「世界との一体感」のような体験は、禅宗では「魔境」として切り捨てられるのである。オウム真理教の幹部たちが「解脱した」と云っているのは、この魔境に過ぎないわけだ。

    また、禅宗にあっては「悟ること」が目的ではなく、悟った後の修行(悟後の修行)が重要であることも忘れてはならない。

  • 徳が高いはずのお坊さん連中に全然好感が湧かないよ〜と思っていたら、仕掛けのせいだったとは。本当に常信さん(とギリギリ仁如さん)くらいしか良いお坊さんがいない。
    最後にヌートリアが出てきて笑った。かわいいイメージしか無かったので…。本も食べるとは知らなかった。

  • 前作の『狂骨の夢』でも思ったけど、自分みたいに現実逃避気質の人が憧れがちのライフスタイルを描写するのが上手い。「ああ。だから僕は〇〇〇〇がーー否、〇〇〇〇が少し憎い。否、豪く憎い」という京極堂の台詞が終盤にあるけど、うっかり「羨ましい」と誤読しかけてしまった。作中では二重構造になってたのでややこしいけど、自分だけの居心地の良い時間の流れに浸って生きていたいなぁ。仏教的には怒られるとしても。

  • 長かった。仏教用語が沢山出てくるのでなんとなくでも意味を知った方が面白いだろうと調べ始めるとページが進まない。
    「大悟いたしました」については全く想像できないが、禅ってそんな感じなのネ…「そう」なれたら無敵だけど難しそうだネ…と勉強になりました。
    果たして現代にこんな修行をしているお坊さんはいるのだろうか?

    今作は京極堂の憑き物落としは控えめで、びっくり&スッキリ感は低め。
    こんなんで大丈夫か警察?代表に君臨した山下警部補のグダグダと、坊さん達のあれやこれが長々と続く。でもやっぱり面白い。
    榎木津さんが今回カッコ良きです。禅と彼の破天荒具合は相性が良いのではないか。人の話を聞かない者同士(禅僧と榎木津)のバトル、ファイッ!

  • 再読

  • 私も京極堂と同じく(その足元には到底及ばないけれども)
    「言葉」の人間である。だから彼が禅の前に尻込みするのは
    よくわかる(つもりになっているだけかも知れぬが。だから
    こそ「言葉」の人間なのであろう)。数年前までは人間は
    理屈で生きているし生きていくべきだと勘違いをしていた
    ような人間なのだ。もちろん実際はそんなわけはないのが
    わかってきたのはここ最近である(苦笑)。
    京極堂と禅との対決はそれなりに面白かったが、犯行自体の
    謎解きは今ひとつだったかな。人間にとってこの世で一番
    恐ろしいのは人間なのであろう。それはいつでもどこでも
    そうなのである。

  • 以前読んだシリーズと違い、山の上の禅寺を舞台とした普通の推理小説という感覚で、あれっという感じる。最後はなんとなく以前のシリーズのような雰囲気もあるのだが、「あれっ」という感じを拭えないまま終わってしまったかな。個人的には、私は通勤電車の中で読んでいるのでここまで厚い本は持って読むだけで大変。重い本は単行本とかであるので良いのですけど。

  • シリーズを最近読み返しています。
    覚えていない部分も多々あって改めて楽しめました。
    宗教観になかなか頭がついていかないけど、毎回のごとくそういったディディール部分が事件の本質とは少し離れたところにあって、殺人それ自体とは関係がない(ない訳ではないけど、事件を飾る要素としての機能が強い)という構成がやはりとても面白かった。

    それは兎も角として、美しいと表される坊主方々の見目が気になって仕方ないですね…

全304件中 1 - 30件を表示

著者プロフィール

1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家。94年、『姑獲鳥の夏』でデビュー。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞、11年『西巷説百物語』で柴田錬三郎賞、22年『遠巷説百物語』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『死ねばいいのに』『数えずの井戸』『オジいサン』『ヒトごろし』『書楼弔堂 破暁』『遠野物語Remix』『虚実妖怪百物語 序/破/急』 ほか多数。

「2023年 『遠巷説百物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

京極夏彦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×