スイス時計の謎 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061823167

感想・レビュー・書評

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  • 国名シリーズ第七弾。四編の短編集。

    コレは実にインパクトのある粒揃いの短編集でした。
    ダイイングメッセージ、首の無い死体、密室、犯人当てととてもおいしい。

    特筆すべきは表題作「スイス時計の謎」です。お見事、実にお見事。
    ロジックが凄いと感嘆。火村センセの理詰めに痺れます。
    アリスの美少女疑惑も浮上し(笑)過去の話も詰まっていて面白い。

    そして「女彫刻家の首」
    死体のインパクトは勿論の事、流れやラストも衝撃的でした。

  • 表題作は特におもしろかった。ロジックが素晴らしかった。

  • (収録作品)あるYの悲劇/女彫刻家の首/シャイロックの密室/スイス時計の謎

  • ロジックが最高

  • 以下ネタばれ感想です。










    ■Yの悲劇

    このラストの終わり方が嫌いではない。
    いや、余韻があってむしろ好きです。有栖川さんは、そういうのがあってついつい読み続けてしまうんだと思う。
    謎掛け的には、「山崎→ヤマモト」つう読み方が成り立つというあたり突拍子もないですが、まあ事実は小説よりも奇なりということなのかな。一度読んだことがあったので、思い出しながら読み返した感じ。にしても、うろ覚えでした…。


    ■女彫刻家の首

    これも何故か読んだことのあった話。
    隣人といがみあう夫妻→妻が殺され、罪をなすりつけあう隣人と夫、という構造はありがちだと思うんですが、首を持っていった理由が「美容院で髪型を変えたのを知らなかったため」という点は面白い。あと、何も犯人達を交通事故で殺さなくってもいいと思うんだけど、どうなんでしょうか。でもこれは面白いと思う。佳作。


    ■シャイロックの密室

    佐井六助→シャイロックはいかがなものか。
    このあたり昭和の雰囲気というか、有栖川有栖は「新本格」ではなくて「本格」だよなあと思ってしまう所以。
    どっちかっていうと高木彬光とか土屋隆夫の系統を引き継いでいるのではないでしょうか。それにしても犯人さんは、犯行現場から持ち帰ったサンドウィッチにあたっちゃったりして、すごく可哀相。もっと何とかならなかったのか…。
    トリックについては、ぶっ飛び過ぎてて若干判りにくかったです(私の頭が悪いだけなのか…)。


    ■スイス時計の謎

    今回唯一の未読作品。故に、これが一番面白かったかな〜。
    アリスの内面に踏み込んだ記述も久しぶりで、私はこの路線(?)が結構好きなので。なかなか微妙な人間関係に絡んだ殺人に、サファイアガラスの砕けた破片(というかむしろ粉)から突き詰める火村助教授がよいなあ。ラストシーンはなかなか決まってると思います。犯人の微妙な心理も上手く書けてて、珍しくすんなり感心できました。
    私はどうもド派手でトリッキーなミステリを好む傾向があるので、いつも若干有栖川さんの提示する動機に今イチ感を覚えてしまうのですが。



    にしても、何を読んでても思うのですが、アリスって絶対毒舌とかじゃなくて、性格悪いよなあ…(笑)。
    そう思ってしまうのは私だけなんでしょうか。
    私、彼のツッコミにはたまに非常な性格の悪さを覚えるのです。
    学生編ではそんなこと思わないのに!
    いえ、そんな彼が好きです(笑) 。

  • かなり本格だなあ~。じっくり考えればちゃんと解答に辿り着けるし。とはいえ、きちんと解ったのは「スイス時計の謎」だけだったけど(苦笑)。
    お気に入りは「女彫刻家の首」。おなじみ(?)「首切りの論理」はもう出尽くした感もある……と思ってたのに、まだあったか! そしてこういう皮肉なラストもかなり私好み。ま、ラストの皮肉さでいうなら「シャイロックの密室」の方が上だけれどね。

  • 短編4作品を収録。
    本のタイトルにもなっている「スイス時計の謎」。
    アリスの高校時代の一面が見られるのは面白い。
    美少女アリス…。
    あと、アリスの作家として思い悩む部分が垣間見れるのも新鮮。
    全体的に人間臭さを感じた作品。
    トリックの方は派手さはないけど面白い。
    シンプルで論理的だなぁと強く感じた。
    「女彫刻家の首」の終わり方はやるせない。
    全体的に読みやすい作品ばかりです。
    満足度は★★★★☆。
    結構「国名シリーズ」読んでるんだなぁ。

  • 火村英夫シリーズ

    あるYの悲劇』
    自宅マンションでギターで殴られ殺害されたアマチュア・ミュージシャン「山元」。現場に残された「Y」の文字。間違えられた届け物。

    『女彫刻家の首』
    首を切られて代わりに彫刻の首を置かれた女彫刻家の死体。夫と愛人のアリバイ。消えた首に隠された謎。

    『シャイロックの密室』
    「シャイロック」と呼ばれた金貸しの男の死。密室状態での死。狂気の拳銃に隠された謎。

    『スイス時計の謎』
    アリスの同級生の優等生たちの会。そのメンバー死。死体から消えた会のメンバー共通の時計。

     2003年5月10日購入

     2003年5月19日読了

  • 作家シリーズと呼ばれるものの中でも結構な評価を受けているんじゃないだろうかと思う。
    表題作の、火村のロジック展開がすごく…好きです。こういうロジカルなものにものすごく憧れる(自分がロジカルな人間ではない…)ので何度も同じ場所を読み返してしまった。短編集なのですけども、やっぱり一番スイス時計が好きです。

  • 国名シリーズ 第七弾。

    『あるYの悲劇』『女彫刻家の首』『シャイロックの秘密』
    『スイス時計の謎』の四編を収録。


    ちょっと行ってきます「(;´ω`)」

    何でここまで思い出せないんだろう・・・

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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