窓ぎわのトットちゃん (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061832527

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  • 窓ぎわのトットちゃん

    著者:黒柳徹子
    発行:1984年4月15日
    講談社文庫
    初出:「若い女性」(講談社)1979年2月~1980年12月→1981年単行本

    41年ぶりの続編が出たり、アニメ化された映画がヒットしたり、ここのところ焦点があたっている作品。単行本は、僕が大学生のころに出版されて大ベストセラーになり、社会現象にまでなっていた。みんなが読んでいたし、僕は社会心理学を専攻していて、ゼミのだいぶ先輩で講師として教えに来ていた先生からも、ぜひ読めと薦められた。書店で何度か手にとったが、結局、読まなかった。へそ曲がりな性格だったこともあって。

    フォントが普通の本とは違っていた記憶がある。当時は明朝体の本しかないような時代なのに、丸ゴシックのようなフォントだった。そして、やたら読点が多かった。同じころに「すばる文学賞」を取った『家族ゲーム』(本間洋平)を読んだ時も、これはなんかの冗談か?と思えるような読点の多さだったが、それと双璧だったのを覚えている。

    最近、あまりに話題なのでちょっと読んでみることにした。文庫なので単行本のようなフォントとは違うと思うが、それでもゴシック系。そして、読むと部分的に覚えている文章がいくつもあった。もしかして、あのころ読んだのか?それともいくつかを立ち読みしたのか?不明だが、300ページほどを読み終えて、おもしろかった。とてもおもしかったし、大ベストセラーになるのもわかる、そして、社会現象になるような中身であることもわかった。これなら文句なく大衆受けする。よくできた本だと思った。

    一言でいえば、出来すぎたお話。よく作られていると言いたいけれど、全て事実だと書いてある。たぶん、大学生の僕が読んだら、決して素直には受けとれず、おもしろいとは思わなかったことだろう。

    小学1年生で学校を退学になった主人公、つまり黒柳徹子氏。彼女の突飛な行為に手を焼いた先生から、クビだと言われた。次に入った「トモエ」という小学校が素晴らしかった。自由が丘まで(たぶん)大田区から通うことになったが、古い鉄道車両6両が置かれていて、そこが教室。途中、もう1両入って図書館になる。全校生徒が50人ほど。全教科同時に授業をし、黒板に課題が書かれていて好きなものからやればよい。分からないことがあったら、そこで先生に聞く。課題が全部できれば、その日の授業は終わりで、みんなで散歩に出かける。そこで農業の先生(農家)とも出会う。

    あとがきにも書いてあるが、このような学校が戦前になぜ取り締まられなかったのか。保育所がソ連生まれ、社会主義思想の尖兵だと批判された時代に、リベラルなこんな小学校がなぜ成立したのか、不思議である。

    著者の家族は、父親が有名なバイオリニスト(平和主義者)、母親が随筆家、叔父は有名な報道カメラマンで「日本ニュース」のニューヨーク支社長を務めるなど、みんなインテリで自由人。著者は幼少期から、なんでもあり、なんでも個性として評価される、そんな生活が送れたのだと想像できる。その意味では、「自由貴族」的だったという見方もできなくはない。

  • おてんばで、最初の小学校を退学になってしまったトットちゃん。「問題児」のレッテルを貼られそうになったところ、お母さんに連れられて行った新しい学校で素晴らしい先生と仲間に出会いました。自由な校風でのびのびとまっすぐに成長したトットちゃんに涙が出る思いでした。小さい頃の周りの環境や教育はとても重要なのだと、改めて感じました。

  • 黒柳徹子さんのトモエ学園での小学生時代を書いたお話。子ども達の個性を受けとめて最大限尊重する教育を行なっていた小林先生、とても素晴らしい方だったのだろう。現代においてもこのような教育を実践できる人は少ないと思う。
    10代の頃に読もうとして挫折したが、30代の今、自分に子どもができて(現在小1と年少)読んでみて、その素晴らしさに感銘を受ける。読んでいて泣きそうになる箇所もチラホラ。全ての子どもがこんな教育者や大人に囲まれて育ったらいいのにな。

  • 黒柳徹子さんが子供の時通っていたトモエ学園の話。有名で名前だけ知ってたけど読めてなかった、いやほんま読んでよかった。子供の個性を尊重するトモエ学園があって、トットちゃんが楽しく過ごせて、それが今の黒柳さんと思うと感慨深い。こんな学校、今もほしいな

  • 毎日学校に行くのが楽しみなんてとても羨ましい。
    こんな会社もあったらいいのに。

  • 小林先生筆頭に、登場人物全員の人柄に感動しました。生徒たちもすごく素直で、これは実話とは思えないほど綺麗な物語でした。

  • スゴく有名だったけど初めて読んだ。
    黒柳徹子さんは子供の頃からとても元気でお茶目。
    好奇心旺盛なところは何も変わってなくて素敵だなー。
    私も歳をとっても好奇心旺盛でフットワーク軽くいたいな。
    学校のことも知らなかったけど個性を育ててくれる良い学校で先生だったんだろうな…学校に電車があるだけで毎日ワクワクする

  • 教育や子育ての観点でとても勉強になった、というかとても考えさせられることが多かった。
    徹子さんをテレビでよく知っているからだけれども、今の徹子さんがあんなに輝いて生き生きとしているのは、やっぱりトモエで育まれた素地がとても大きいかったんだろうとつくづく思ったし、きっと一般的な学校ではなかなか難しかったんだと思う。
    校長先生の接し方からも学ぶべきことが多くて、私もいつか子どもを育てる立場になったらそんなふうに接していきたいと思った。
    ここで描かれている校長先生はある意味、完成された存在というような印象を受けたけれど、きっと今まで試行錯誤、紆余曲折、いろいろあったのだと思う。
    私もきっと一筋縄でいかないと思うし、失敗することもたくさんあると思うけれど、子どもと一緒に成長していきたい。
    もちろん、謝らないといけないときは素直に謝ります。
    誰だって失敗する、大事なのはそのときにちゃんと謝ることだって、尾木ママ言ってたし。
    とか、将来への意気込みみたいになってしまったけれど、純粋にトットちゃんのお話、読んでいてとっても面白かった。
    子どものときの、世界が何もかもキラキラして見えて、うきうきした気持ちを取り戻させてもらえるような。
    そして最後の最後は戦争の話で終わるけれど、それも本当に少しだけしか触れられていなくて、でもだからこそ残酷で、子どもの世界の美しさを汚さないでほしい、と心から思った。
    これからも読み継がれていってほしい、そんな名作だと思う。

  • 黒柳徹子さんが幼少期過ごされた、トモエ学園における輝かしい日々。

    現代の様々な息苦しい環境に比べ、この本の子ども達は本当に伸びやかに、健やかに過ごされているのが伝わってきます。

    子どもの特性、個性を伸ばすという教育方針には非常に感銘を受けました。
    これを実行する為には、子ども一人一人としっかり向き合い、そして互いに認め合うことが何より重要だと感じました。

    子どもの心を掴み、そして導き、いつの間にか成長させていく、そんな小林先生のような素晴らしい人間がいたこと。
    そして、その教育によって多くの素晴らしい人間が誕生したこと。
    これは、教育者のみならず、全ての大人が知っておくべきことではないかと思います。

  • 黒柳徹子さんはこんな少女時代をおくったんだ!

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著者プロフィール

女優・ユニセフ親善大使。東京都生まれ。自伝的著書『窓ぎわのトットちゃん』でも描かれたトモエ学園から香蘭女学校を経て東京音楽大学声楽科を卒業、NHK放送劇団に入団。NHK専属のテレビ女優第1号として、現在にいたるまで大活躍している。『窓ぎわのトットちゃん』(1981年)は、800万部というベストセラーの日本記録を達成し、全世界で2500万部を売り上げている。アジア初のユニセフ(国連児童基金)親善大使として、長年にわたりアフリカ、アジアなどを各国を訪問、めぐまれない子どもたちのことを知ってもらうための活動に力を入れている。

「2023年 『トットちゃんの 15つぶの だいず』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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