ポップア-トのある部屋 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784061844070

感想・レビュー・書評

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  • 感想
    弾けるような色彩。一行一行が鮮やかで絵の具をしまった箱のよう。それだけでなく人の中に渦巻く欲すらも描き切る。知の巨人の意欲作。

  • 好き。 シビレる。 花は美しい...。

  • 京都に「恵文社一乗寺店」という本好きが集う本屋さんがあります。そこの店長だった堀部篤史さんが2014年に独立して作った「誠光社」という小さな本屋さん。

    オープンしてからずっと行きたいなと思っていたのに、タイミングが合わず数年。でも、今回の京都の旅で運よく近くまで行けたので立ち寄ってみました。

    旅行先で面白い本に出会うと、いつも迷う。「あ~。荷物になるけど。でも、この出会いは逃したくない。」そういう葛藤を心の中で繰り広げています。笑

    正直、村上龍の本はほとんど手にしないけど、旅先ということと「題名」に惹かれて買ってしまった。小説家を主人公にした、アートと欲望の短編集。

    短編ごとに登場するアート作品をフルカラーで掲載していて、切り取ったらそのまま絵葉書として使える仕様は、今の出版事情を考えてたらできない昔ならでは。(1989年発売の初版本だった!)

    帰りの新幹線で、ちょっと疲れに浸りながら読むにはちょうどよかったかな。

  • 左腕だけは君のもの、Kの画廊、タキシードの老人、殺人者の忠告、ディスコ「セブンスターズ」、「ブラック、ホワイト、&イエロー」、銀行と乞食、退屈な浪費家、引っ越しする未亡人、救世主、娼婦達、表面以外は全部嘘、まばたきのアート

  • (2022/06/30読了分)「めくるめく現代アート」読んだ後で水をゴクゴク飲むように再読。ポップアートにまつわる12の小説。おもに、急に小説が売れて戸惑う小説家がであうちょっと不思議な話。小説家がであうちょっと不思議な話でも龍的ワールドとハルキ的ワールドじゃずいぶん趣き違うなあと。アメリカはつよくなきゃ?あるいは、二度と戻ってこない甘い日々。取り返す気もないけど、取り返せない悔恨。(2014/07/27読了分)若い頃に十回ぐらい読んで、もういいかなとだいぶ前に手放したのに、ひさびさに読みたくなって手に取る。この本でポップアートが大好きになったことを思い出しつつ。攻撃的な浪費をする男、いまは画廊を経営していて、昔、金目当てに婚約したと思われ、ひどい目にあわされた男、突拍子もない映画の企画を思いつく男。信念を持って東洋人の女ばかりのカタログを見せて紹介しようとする男(西洋の女は、タバコとオレンジとくちびると乳首だけだ、とある絵を指して語る男)。奇妙な花嫁像だけ残して妻に去られた男が、その像の前では落ち着くシーンが心に残る。

  • 村上龍さんの本は今まで読んだことがなく、これが初めて。第一印象は例えるなら「直球ど真ん中の剛速球」という具合でちょっと、いや、かなり引いてしまう。全編アメリカのポップアートが短編のエピソードの中に挿入されているのだが、そのポップアートがまさしくそんな印象がする。強烈なアメリカンスピリッツにビビッとくる一冊。かなり刺激的。

  • 村上龍さんの「ポップアートのある部屋」を読ませてもらいました。私にとって初めて読む村上龍さんの本でしたが、僕には刺激が強すぎました(笑)。しかし、女の艶めかしさ、ポップアートの描写はとても神秘的でした。絵を見て、美しいなどの感想を述べるのではなく、何かを感じ取るものだと思いました。最近ではネットなどの環境により多くの情報をいとも簡単に手に入れることができるようになりました。それが原因とは断定できませんが、少なくとも人の価値観には影響しているのではないでしょうか。絵の他に音楽でも感想を一言や二言で終わるようでは好きとは言えないんだと思い知らされました。

  • これぞ村上龍。MU!!に魅了される。
    満足度7

  • ポップアートを軸に据えたおしゃれな作品。何回も読みたくなります。短編集なので読みやすい。

  • 私の青春時代の憧れです。
    NYに行きたいと思ったのも龍さんの本を読んでからです。

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著者プロフィール

一九五二年、長崎県佐世保市生まれ。 武蔵野美術大学中退。大学在学中の七六年に「限りなく透明に近いブルー」で群像新人文学賞、芥川賞を受賞。八一年に『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、九八年に『イン ザ・ミソスープ』で読売文学賞、二〇〇〇年に『共生虫』で谷崎潤一郎賞、〇五年に『半島を出よ』で野間文芸賞、毎日出版文化賞を受賞。経済トーク番組「カンブリア宮殿」(テレビ東京)のインタビュアーもつとめる。

「2020年 『すべての男は消耗品である。 最終巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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