- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784061856271
感想・レビュー・書評
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文芸雑誌での松尾スズキのレコメンドによる。おもしろかった〜。
中島らもの生き方はまことロックの極みといえる。現実を社会常識を身体でぶちやぶっていく痛快さ、悲しみ、そして結局はどこへも行けない。精神も身体も。
どうしてか、キャラクターが明確すぎてお芝居を観ているような感じがした。
そして名ゼリフが多い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オレにとって酔っ払いの小説といえば、ブコウスキーなんだけど、らもさんの話は、日本人だし、同時代を生きてた人だし、あまりにも状況が分かりすぎて、逆に居心地が悪い。
らもさんは若い頃からドラッグもやってたし途中からは酒を浴びるほど飲んでたから、アル中になって死ぬというのは、ある意味では、彼が選んだ人生だったんではないだろうか。 -
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>のぞみさん
一時期ハマってエッセイや小説をいくつか読みました。リアルタイムでは知りませんが、中島らも、すごいですね。
博学でいろんな視点...>のぞみさん
一時期ハマってエッセイや小説をいくつか読みました。リアルタイムでは知りませんが、中島らも、すごいですね。
博学でいろんな視点を持っていて、でもそれをひけらかすことなく笑いにしてしまったり。この人の頭の中は一体どうなっているのだろう…。2013/05/27
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アル中患者として入院した小島容。途切れ途切れに見える幻覚、妙に覚めた日常、個性的な人々が混然一体となって彼の前を往き来する。
禁断症状と人間を描いた中島らもの傑作小説。面白くてほろ苦い傑作長編。
実際にアルコール中毒だった中島らもだけに、アルコール中毒の禁断症状や離脱症状、アルコール中毒になるのは酒を自分を麻痺させ酔うことによってトリップする道具と考える人が多い(眠るために酒を飲み始め量が増える)、アルコール中毒から回復するためには呑んで得られる報酬よりももっと大きな生存への欲求や他者への愛や幸福などの報酬を呑まないことによって与えられることが必要などを、アルコール中毒の経験者ならではの生々しい描写で描いていて、アルコール中毒を理解する入門書としても楽しめる小説です。 -
良すぎた...
赤河先生は本当にいいキャラしてるわ
基本イかれた作家イメージあるけど
資料の引用はしっかりしてるから
物語の構成はどっちりしつつ、らも節がしっかりと感じられる作品でした。
この世のアル中とヤク中に捧げる一冊 -
アル中でもジャンキーでもシラフでもみんな何かしらを常に抱えながら生きている中で、たまたま病気や怪我とかいう名前のついたソレを抱えているという共通点のある人たちの、やさしさとかもがきとかそういうのが軽妙なテンションでするすると描かれているのが逆に心をキュッとさせられた。
登場人物みんなすごく人間臭くってだいすき。 -
刺さる人と刺さらない人が明確に分かれそうな作品。私は自分がダメ人間でそこから抜け出せない状態なので、この本の一節一節がとにかく響いた。「過度なアルコールの摂取はやめましょう」と人から言われてもイラッとしたりするものだけれど、この本を読めばアルコール中毒で入院することがどういうことか、生生しく伝わってくる。自分に自信が持てなくて、生きづらい方に勧めたい。
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日本経済新聞の夕刊の読書日記のコラム欄に声優 斉藤壮馬 ②として紹介されていた。
ずいぶん昔に読んだ記憶がある。文庫本ではなくハードカバーで読んだ。アルコール依存症の主人公の話だったと記憶している。専門用語を駆使しつつわかりやすく説明していた。
中島らもは、尼崎市の立花駅近くの歯医者の息子で、
中学から灘校に行っていたと言うから、地頭は良いのだろう。
しかし勉強はせず東大は無理でも、神戸大学くらいは入れるだろうとたかをくくって入試を受けたものの全然歯が立たず、トイレに大きいのをして、帰った。
と言うのを青春記として何かに連載していたのを覚えている。
ここら辺は、8歳年下の勝谷 誠彦と似ている。
本人自身が依存症で、三ノ宮の飲み屋か飲食店の階段を踏み外して、打ちどころが悪く意識が戻らずその後亡くなった。
と新聞記事を読んだ記憶もある。
リリパットアーミーとか言う劇団に所属していて、
あるいは主宰していて、舞台からかねてつのちくわだったか、かまぼこだったか、両方だったかを撒くのが、
恒例だったとか、これも何かで読んだ。
中島らも も亡くなってずいぶん経つ。
アルコール依存、薬物依存でなければ、まだまだ生きていて、68くらいか、多くの作品を残せたと思う。
日経の夕刊の記事で、そんなことを思った。
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「せめて恋人を抱いて、もうこのまま死んでもかまわないっていうような夜があって。 天の一番高いところからこの世を見おろすような一夜があって。 死ぬならそれからでいいじゃないか。 そうだろう。ちがうかい?」
この文章を読んだときに思い浮かべる情景が、自分の人生で最高の瞬間だったのだと気づいた。 -
生前の著者が、漫画家のひさうちみちおさんとラジオ番組に出演していたのが好きでした。笑いのセンスが好きでした。エッセイなどは、よく読んだのですが、小説は初めてです。内容は著者の経験談が盛り込まれており楽しませていただきました。彼は最後までアルコールから距離を置けなくて亡くなってしまいました。52歳、私自身いつの間にか彼の年齢を超えてしまいました。寂しい気分です。巻末の山田風太郎さんとの会談も面白かったなあ。山田さんが2001年に亡くなられていることに驚きました。もっと早くに亡くなられていたイメージがあったのですが。